オウンドメディアの構築・運用にかかる費用相場【料金を抑える方法も紹介】
多くの企業が自社のオウンドメディアを立ち上げている昨今。
オウンドメディア構築の費用相場は、目的や構築方法、依頼先など複数の要素によって大きく変動します。
当然ですが、簡易的なオウンドメディアよりも、戦略設計・集客込みのオウンドメディアのほうが構築費用は高額です。
そんなオウンドメディアの開設を検討するうえで、
『オウンドメディアの構築にかかる費用相場が知りたい』
『オウンドメディアの運用にはどのくらいの費用がかかる?』
『費用を抑えるための方法はある?』
上記のようなお悩みが生じるかと思います。
今回のコラム記事では、オウンドメディアの開設を検討している企業の担当者に向けて、オウンドメディアの構築と運用にかかる費用相場、費用を抑えるコツを解説しています。
※今回のコラム記事で掲載している情報は、記事公開日(2024年4月25日)時点になります
オウンドメディアの構築にかかる費用相場【料金別】
オウンドメディアの構築にかかる費用相場は、さまざまな要素によって異なります。
ここでは、料金別にオウンドメディア構築の特徴をそれぞれ紹介します。
構築の目的 | 初期費用の相場 | 構築方法 |
---|---|---|
安くオウンドメディアを立ち上げたい | 1万円~3万円 | 自社 |
簡易的なオウンドメディアを構築したい | 数万円~20万円 | 外部委託(フリーランス、中小制作会社) |
オリジナルデザインにしたい | 10万円~100万円 | 外部委託(フリーランス、中小制作会社) |
戦略設計・集客込みのオウンドメディアを構築したい | 100万円~300万円 | 外部委託(中小制作会社、大手制作会社) |
大規模なリニューアルをしたい | 300万円以上 | 外部委託(中小制作会社、大手制作会社) |
1万円~3万円
とにかくオウンドメディアを安く立ち上げたい場合、構築の費用相場は1万円~3万円ほどです。
自社でオウンドメディアの構築を想定した費用相場になります。
オウンドメディアの構築を自社でするとき、費用の主な内訳は「CMS」「ドメイン」「サーバー」などです。
CMSは、HTMLやCSSなどの知識がなくてもオウンドメディアの構築ができます。
CMSには有料のサービスがありますが、無料でも豊富なデザインテンプレートや機能を搭載したサービスもあります。
一方、オウンドメディアにはドメインやサーバーの用意が必要です。
オウンドメディアを安く立ち上げたい場合は、1万円~2万円ほどでドメイン取得とサーバー契約の両方ができるでしょう。
数万円~20万円
簡易的なオウンドメディアの構築をしたい場合、費用相場は数万円~20万円ほどです。
構築は外部委託を想定しており、依頼先はフリーランスや中小規模の制作会社などです。
ここで述べる簡易的なオウンドメディアは、高度なWebデザインや複雑な機能を省いたもので、構築のコストを抑えられます。
CMSなどのプラットフォームを用いることで、コストを最小限に抑えることが可能です。
簡易的なオウンドメディアは、予算が限られている企業に適しています。
10万円~100万円
オリジナルデザインのオウンドメディアを構築する場合、費用相場は10万円~100万円ほどです。
構築の依頼先は、フリーランスや中小制作会社を想定しています。
この費用になる理由は、独自性の高いWebデザインに専門的な技術が必要になるためです。
企業または商品・サービスのイメージカラーに合わせたWebデザインにすることで統一感が生まれ、ブランディングが期待できます。
テンプレートに比べて、オリジナルデザインはデザインの自由度が高いので、企業や商品・サービスのイメージに合ったオウンドメディアの制作が可能です。
一方、オリジナルデザインは一から作り上げるので、テンプレートよりもWebデザインの費用が高い傾向にあります。
オリジナルデザインのオウンドメディアは、ブランディングを図りたい企業に適しています。
100万円~300万円
戦略設計・集客込みのオウンドメディアを構築する場合、費用相場は100万円~300万円ほどです。
中小制作会社または大手制作会社に構築の外部委託を想定しています。
オウンドメディの構築では、100万円~300万円の費用がかかるのが一般的です。
この費用になる理由は、オウンドメディアの構築に加えて、市場分析やコンテンツ戦略策定、SEO対策など総合的な戦略立案が含まれるためです。
戦略の設計にはWebマーケティングやコンテンツ制作など、多岐にわたる専門スキルを持つ人材が必要となり、それに伴いコストが増加します。
戦略の設計や集客を考慮したオウンドメディアの構築は、本格的な運用で目的を達成したい企業に適しています。
300万円以上
保有しているオウンドメディアを大規模にリニューアルする場合、費用相場は300万円以上です。
構築の依頼先は、中小制作会社または大手制作会社を想定しています。
新しくオウンドメディアを作るよりも、既存のものを作り変えるほうが費用は高くなる傾向にあります。
現状のメディア分析やコンテンツの見直し、Webデザインの変更など包括的なアプローチが必要なためです。
オウンドメディアの大規模なリニューアルは、大手企業など業界内での競争優位をさらに強化したい企業に適しています。
オウンドメディア構築費用の内訳
制作会社にオウンドメディアの構築を外部委託した場合、費用の主な内訳は以下のとおりです。
- 戦略設計費
- デザイン・コーディング費
- CMS構築費
戦略設計費
戦略設計費は、企業が抱える課題解決に向けて方向性を定め、具体化するのにかかる費用です。
企業がオウンドメディアを立ち上げるには、目的があります。
たとえば、見込み顧客の育成をしたい、自社または商品・サービスのブランディングをしたい、採用活動をしたい、などが挙げられます。
目的が不明確でオウンドメディアを運用しても、成果が出なくて失敗する可能性が高いです。
オウンドメディアの戦略設計をして定期的な見直しと改善をすることで、効率的な運用と目的達成の可能性が高まります。
戦略設計では、目的の明確化やコンセプト設定、ターゲット・ペルソナ設定、Webサイト設計、運用体制の決定、コンテンツ戦略の策定などをおこないます。
デザイン・コーディング費
デザイン費はオウンドメディアのデザイン作成にかかる費用で、コーディング費はデザインの内容をWebに再現するのにかかる費用です。
デザインでは、一から作成するオリジナルデザインは費用が高い傾向にあります。
既存のテンプレートを使ったデザインでは、費用を抑えることが可能です。
オウンドメディアのデザインで求められるのは、企業のイメージやターゲットに合わせたデザイン、ユーザーが使いやすいUIデザインなどです。
CMS構築費
CMS構築費は、CMSを活用してWebサイトの編集環境を整えるのにかかる費用です。
CMSは、Webサイトのコンテンツを一元的に管理・保存できるシステムです。
世の中にあるWebサイトの多くはCMSを導入しており、中でもWordPress(ワードプレス)は利用者が多いCMSの一つになります。
CMS構築費の主な内容は、CMSの初期設定の代行やCMSの使い方をまとめたマニュアル作成の代行などです。
オウンドメディア運用にかかる費用
オウンドメディアの費用は構築だけでなく、運用にも発生します。
ここでは、運用費の相場を内訳ごとに解説するので、参考にしてください。
運用費の内訳 | 費用相場 |
---|---|
レンタルサーバー | 6,000円~6万円(年間) |
ドメイン | 2,000円~8,000円(年間) |
SSL証明書 | 無料~数十万円(年間) |
アクセス解析ツール | 無料~数万円(月額) |
コンテンツ制作(外部委託の場合) | 5万円(記事1本あたり) |
保守管理(外部委託の場合) | 6,000~3万5,000円(月額) |
レンタルサーバー・ドメイン
オウンドメディアをWebに公開するのに、サーバーやドメインは欠かせません。
多くのオウンドメディアではレンタルサーバーを利用しますが、更新の費用相場は年間で6,000円~6万円ほどです。
価格帯の幅は、選択するサーバーの性能や提供するサービスの範囲によって変動します。
一方、独自ドメインの更新料に関しては、年間で2,000円~8,000円ほどが相場です。
ただし、取得サービスやドメインの種類によって費用は変動します。
SSL証明書
SSL証明書は、ブラウザとWebサーバー間の通信データを暗号化するための電子証明書です。
通信データの暗号化で、悪意のある第三者に傍受・改ざん・なりすましの防止ができます。
SSL証明書の取得にかかる費用相場は、年間で無料~数十万円ほどです。
3段階ある認証レベルや利用する認証局によって、費用は変動します。
SSL証明書 | 認証レベル | 費用相場(年間) | 審査 |
---|---|---|---|
ドメイン認証(DV) | ★☆☆ | 無料~数千円 | ・ドメイン名の所有権 |
組織認証(OV) | ★★☆ | 数万円 | ・ドメイン名の所有権 ・企業の法的な確認 |
EV認証 | ★★★ | 数十万円 | ・ドメイン名の所有権 ・企業の法的な確認 ・事業の存在、運営の確認 |
認証レベルが高いほど厳格な審査がされるので、ユーザーにWebサイトの安全性を伝えることが可能です。
アクセス解析ツール
オウンドメディアの改善で使われるのがアクセス解析ツールです。
アクセス解析ツールの費用は、無料のものから月額数万円まで幅広く設定されています。
費用範囲は、機能の充実度や分析の精度、サポート体制などによって変動します。
無料のアクセス解析ツールでは、基本的なWebサイトの訪問者数やPV数などのデータを取得することが可能です。
より高度な分析が必要な場合は、有料ツールを選択する必要があるでしょう。
たとえば、Googleアナリティクスは無料から利用できるアクセス解析ツールで、多くのオウンドメディア運用者にとって初期段階のアクセス解析に十分な機能を提供しています。
一方、ユーザーの詳細な行動分析をおこないたい企業はAdobe Analyticsなど、より高度な機能を持つ有料ツールを利用するとよいでしょう。
コンテンツ制作(外部委託の場合)
オウンドメディアのコンテンツ制作を外部委託する場合は、記事1本あたり5万円ほどが目安です。
コンテンツ制作の主な業務は、記事タイトル・構成案の作成、画像作成、写真撮影、取材、執筆、編集、入稿などです。
コンテンツの単価は、内容の複雑さや専門性、必要とされるリサーチ作業量に応じて異なりますが、一般的に文字数に比例して費用が高くなる傾向にあります。
また、特定の専門分野に関する高度な知識を要する記事などは、一般的な記事よりも高いコストがかかることが予想されます。
保守管理費(外部委託の場合)
オウンドメディアの保守管理を外部委託している場合、費用相場は月額6,000円~3万6,000円ほどです。
保守管理の内訳は以下のとおりです。
保守管理の内訳 | 月額 |
---|---|
ドメイン | 100円~700円 |
レンタルサーバー | 500円~5,000円 |
SSL証明書 | 無料~1万円 |
外部委託手数料 | 5,000円~2万円 |
ここで述べる保守管理は、システムの定期的なチェックなど、最低限の管理を含みます。
外部委託手数料は、制作会社がWebサイトの管理や更新の業務をするさいにかかる費用です。
プロジェクトの規模によって手数料は変動します。
オウンドメディアの費用を抑える方法
最後に、オウンドメディアの費用を抑える方法を4つ紹介します。
下記内容を参考にして、構築や運用などの費用を削減しましょう。
- 機能を厳選する【構築の費用を抑える】
- 依頼内容を絞る【構築・運用の費用を抑える】
- 補助金を活用【構築の費用を抑える】
- 既存のサーバーを活用【維持費を抑える】
機能を厳選する
オウンドメディアの機能を厳選すると、構築の費用を抑えることが可能です。
制作会社にオウンドメディアの構築を依頼する場合は、機能を追加するほど費用が高くなる傾向にあります。
自社でオウンドメディアの構築をする場合も、機能の追加で有料のツールを増やすほど費用が高くなります。
オウンドメディアに搭載される機能の一部を挙げると、お問い合わせフォーム、資料のダウンロード機能、メルマガ配信の機能、アクセス解析ツールなどです。
以上から、オウンドメディアの企画段階で必要な機能を自社で洗い出しましょう。
依頼内容を絞る
オウンドメディアの構築費用や運用の費用を抑えるには、依頼内容を絞るのも効果的です。
すべてを外部委託するのではなく、自社で対応可能な業務は社内リソースを活用すれば、外注にかかるコストを大幅に削減できます。
たとえば、コンテンツの企画や一部の記事作成、写真撮影などは社内で対応することが可能な業務です。
これに対し、専門的なデザイン作業や高度なプログラミング、SEO対策などの知識が必要な部分は、外部の専門家に依頼することで、効率的かつ高品質な成果が期待できます。
補助金を活用
補助金の活用で、オウンドメディアの構築費用を抑えることができます。
補助金は、国や地方自治体などが事業者に対して支給するお金のことで、主な管轄は経済産業省です。
オウンドメディア(Webサイト)の構築で利用できる代表的な補助金は、以下のとおりです。
補助金 | 概要 |
---|---|
小規模事業者持続化補助金 | ・小規模事業者向けの補助金制度 ・販路開拓、業務効率などの取り組みに対して経費の一部を補助 |
事業再構築補助金 | ・中小企業や中堅企業向けの補助金制度 ・新規事業や事業再編など、事業再構築に対して経費の一部を補助 |
ものづくり補助金 | ・中小企業や個人事業主などが対象の補助金制度 ・革新的なサービス開発、生産プロセスの改善で設備投資費用の一部を補助 |
補助金ごとに受けられる要件や補助額、スケジュールなどが異なります。
詳しい情報は、各公式サイトをご覧ください。
既存のサーバーを活用
既存のサーバーを活用すると、オウンドメディアの維持費を抑えられます。
すでにオウンドメディアを運用していてリニューアルをする場合、引き続き同じサーバーを利用すれば、新しくサーバー費用は発生しません。
ただし、既存のサーバーの活用は性能に問題がないことに限ります。
サーバーの性能が低いと、Webページの表示速度が遅かったり、アクセス集中でサーバーダウンしたりする恐れがあるためです。
オウンドメディアが快適に閲覧できる場合は、既存のサーバーで問題ないでしょう。
まとめ
オウンドメディアの費用相場について解説しました。
オウンドメディアの構築にかかる費用相場は、以下のとおりです。
構築の目的 | 初期費用の相場 |
---|---|
安くオウンドメディアを立ち上げたい | 1万円~3万円 |
簡易的なオウンドメディアを構築したい | 数万円~20万円 |
オリジナルデザインにしたい | 10~100万円 |
戦略設計・集客込みのオウンドメディアを構築したい | 100~300万円 |
大規模なリニューアルをしたい | 300万円以上 |
安くオウンドメディアを構築したい場合は、数万円からでも立ち上げはできます。
ただし、オウンドメディアで成果を出すには戦略設計が重要で、構築費用で100万円~300万円かかるのが一般的です。
一方、オウンドメディアの運用にかかる費用相場は、以下のとおりです。
運用費の内訳 | 費用相場 |
---|---|
レンタルサーバー | 6,000円~6万円(年間) |
ドメイン | 2,000円~8,000円(年間) |
SSL証明書 | 無料~数十万円(年間) |
アクセス解析ツール | 無料~数万円(月額) |
コンテンツ制作(外部委託の場合) | 5万円(記事1本あたり) |
保守管理(外部委託の場合) | 6,000~3万5,000円(月額) |
どの業務範囲を外部委託するかによって、オウンドメディア運用の費用は変動します。
今回のコラム記事を参考にして、オウンドメディアの構築や運用にかける予算を検討しましょう。
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