オウンドメディアのメリット・デメリット【効果や必要な理由も解説】
企業でも運用しているところが多いオウンドメディア。
自社でもオウンドメディアを始めるべきか考えるうえで、
『オウンドメディアが必要な理由は?』
『オウンドメディアのメリットやデメリットが知りたい』
上記のようなお悩みが生じるかと思います。
今回のコラム記事では、オウンドメディアの開設を検討している企業の担当者に向けて、オウンドメディアが必要な理由やメリット・デメリットを解説しています。
※今回のコラム記事で掲載している情報は、記事公開日(2024年2月5日)時点になります
オウンドメディアとは?どんな効果がある?
オウンドメディアとは、個人や組織などの企業が保有するメディアです。
自社で完全にコントロールできるので、コンテンツの発信が自由にできます。
ブランディング、ナーチャリング(顧客育成)、採用など、いずれかの目的でオウンドメディアを始める企業が多いです。
オウンドメディアで情報発信をすることで、自社や商品・サービスのことを知ってもらえる効果があります。
オウンドメディアが必要な理由
オウンドメディアは、ほかのメディアの欠点を補うために必要です。
マーケティング戦略では、PESOモデルによる各メディアを組わせることが推奨されています。
PESOモデルとは、下記4つのメディアの総称のことです。
- ペイドメディア
- アーンドメディア
- シェアードメディア
- オウンドメディア
各メディアの欠点を補ううえで、オウンドメディアは欠かせません。
次からは、PESOモデルの利点と欠点を詳しく解説します。
短期間で露出を増やすペイドメディア
ペイドメディア(Paid Media)は、出稿料を支払って広告の掲載をするメディアです。
ペイドメディアの利点は、短期間での露出増加にあります。
予算に応じて広告を配信することで、迅速にターゲット層にリーチできるため、新商品の発売やキャンペーンのプロモーションに効果的です。
一方で、ペイドメディアには欠点が存在します。
一つは、広告の費用が発生する点で、持続可能なマーケティング戦略としての運用が難しいです。
広告による効果は出稿を続けている間に限られ、予算が尽きれば露出も終わります。
もう一つの問題は、広告への抵抗感をもつ消費者が増えている点です。
広告に依存しすぎると、長期的なブランド信頼の構築に影響を及ぼす可能性があります。
信頼を獲得するアーンドメディア
アーンドメディア(Earned Media)は、第三者が情報を発信するメディアです。
アーンドメディアの利点は、信頼性の高さにあります。
企業と利害関係のない第三者から発信される客観的な情報は、信頼されやすい傾向にあり、新規顧客の獲得に効果的です。
ただし、アーンドメディアは自社でコントロールできない欠点があり、ネガティブな意見が広がる恐れがあります。
また、肯定的な言及を獲得するためには、高い品質の商品・サービスが前提です。
SNSを活用したシェアードメディア
シェアードメディア(Shared Media)は、SNSを活用したユーザー間の情報共有に特化したメディアです。
シェアードメディアの利点は、コンテンツの拡散力にあります。
ユーザーが自発的に情報を共有することで、短時間かつ広範囲にリーチすることが可能です。
ただし、シェアードメディアは否定的な意見や誤情報も同様に拡散される欠点があります。 SNSは強力な拡散力がありますが、その不確定性とリスク管理が重要なポイントです。
顧客を育てるオウンドメディア
オウンドメディア(Owned Media)は、ホームページやブログなど自社で保有するメディアです。
オウンドメディアの利点は、長期的な関係構築にあります。
自社の価値観や専門知識を反映したコンテンツを提供することで、顧客の信頼を深め、継続的なファンを獲得できます。
ただし、オウンドメディアはコンテンツの質と継続的な更新が求められるため、時間とリソースが必要になるのが欠点です。
また、短期的な成果が出にくく、効果を感じるまでに時間がかかることもあります。
特にオウンドメディア運用の初期段階では、顧客の関心を引くための工夫やSEO(検索エンジン最適化)などの施策が必要になります。
オウンドメディアの7つのメリット
オウンドメディアには、さまざまなメリットがあります。
今回は7つのメリットを紹介するので、オウンドメディアを開設するべきか検討してみましょう。
- 自社の資産になる
- 質の高い見込み客を集められる
- 広告費の削減ができる
- 効果的なブランディングが期待できる
- 顧客のロイヤルティを向上できる
- 競合他社との差別化が可能
- オウンドメディアリクルーティングが可能
自社の資産になる
オウンドメディアのメリットとして、コンテンツが自社の資産になります。
たとえば、X(旧:Twitter)やFacebookのようなSNSはリアルタイム性が強く、コンテンツのストックには適していません。
つまり、自社の資産にはなりにいくいです。
一方、オウンドメディアのコンテンツはストックできるため、自社の資産になります。
情報が古くなったコンテンツは徐々に価値がなくなってきますが、新しい情報に更新することで半永久的に資産価値を保つことが可能です。
また、オウンドメディアは一度作成したコンテンツを「小冊子にまとめる」「メールマガジンで再配信」するなど、さまざまな形で再利用ができます。
したがって、オウンドメディアのコンテンツは、さらなるビジネスチャンスを生み出すことができる有益な自社の資産になります。
質の高い見込み客を集められる
質の高い見込み客を集められる点もオウンドメディアのメリットです。
オウンドメディアでは、単に数多くの見込み客を引き付けるだけでなく、実際に商品やサービスに強い関心を持つ顧客を獲得できます。
具体的にはオウンドメディアに訪れたユーザーが、さまざまなコンテンツを閲覧する過程で自然と顧客育成が進むというメカニズムが働くためです。
また、継続的なコンテンツの提供を通じて、見込み客との関係を強化し、長期的な顧客へと育成することも可能になります。
広告費の削減ができる
広告費の削減ができる点もオウンドメディアを開設するメリットです。
SEOやSNSに力を入れてオウンドメディアへ集客ができれば、アクセスの増加が期待できます。
そのため、集客を広告だけに依存していた場合よりも、広告費の削減ができます。
オウンドメディアの構築や運用にはコストがかかりますが、SEOやSNSなどの集客対策をおこなうことで中長期的なアクセスが見込めます。
広告に依存している企業にとって、費用の削減につながるオウンドメディアは大きなメリットといえるでしょう。
効果的なブランディングが期待できる
効果的なブランディングが期待できるのも、オウンドメディアのメリットです。
オウンドメディアは自社が運営するメディアであるため、情報発信を自由にコントロールできます。
そのため、オウンドメディアのデザインからコンテンツの内容まで、自社のブランドイメージに合わせた一貫性のある表現ができます。
たとえば、デザインに自社商品のイメージカラーを採用したり、記事のテーマを自社の強みや特徴に合わせた内容にしたりするなどです。
このように、オウンドメディアを活用することで、ターゲットとなる層に自社ブランドを訴求できます。
顧客のロイヤルティを向上できる
オウンドメディアを運営することで、顧客のロイヤルティ向上が期待できます。
オウンドメディアは新規顧客だけではなく、すでに自社や商品・サービスを知っているリピーター層との関係構築にも有効です。
たとえば、アウトドア用品メーカーがオウンドメディアでハイキングやキャンプの技術、装備の選び方などを紹介するコンテンツを公開したとしましょう。
そのコンテンツを閲覧した既存顧客は、メーカーの専門知識にファンになり、より強いつながりを感じてリピーターになるかもしれません。
したがって、オウンドメディアは情報提供の場を超え、顧客との持続的な関係構築とロイヤルティ強化に欠かせないメディアといえます。
競合他社との差別化が可能
競合他社との差別化が可能な点もオウンドメディアのメリットです。
オウンドメディアは、コンテンツを自由に作成できるため、他社とは異なるユニークなアプローチで顧客にリーチできます。
たとえば、健康食品会社がオウンドメディアで栄養学に基づいた食事の提案をすることにより、単なる商品紹介を超えた価値を提供し、ブランドの独自性を際立たせます。
オウンドメディアを利用してブランディングを確立すれば、単に商品やサービスを売るのではなく、顧客にブランドのファンになってもらえるような関係を築くことが可能です。
その結果、価格競争を避けてブランド独自の価値を前面に出せます。
オウンドメディアリクルーティングが可能
オウンドメディアリクルーティングが可能な点もメリットです。
オウンドメディアリクルーティングとは、自社のオウンドメディアを活用して人材獲得に役立てる戦略のことです。
企業文化、働く環境、従業員の声などをオウンドメディア上で発信することにより、潜在的な求職者に対して企業の魅力を伝えられます。
たとえば、ある製薬会社が研究開発の情報や社員の日常、社内イベントの様子をオウンドメディアに公開したとしましょう。
このようなコンテンツの発信は、企業の研究に対する熱意や働く環境の良さを伝え、求職者の関心を引くことが期待できます。
したがって、オウンドメディアを活用すると企業にフィットする人材の獲得と採用の質の向上が期待できるのです。
オウンドメディアの4つのデメリット
オウンドメディアには多くのメリットがありますが、反対にデメリットもあります。
下記4つのデメリットを理解したうえで、オウンドメディアの開設を検討しましょう。
- ランニングコストがかかる
- 成果が出るまで時間がかかる
- 専門知識が必要
- 効果測定が難しい
ランニングコストがかかる
オウンドメディアのデメリットに挙げられるのが、ランニングコストの発生です。
サーバーやドメイン代に関しては比較的低コストですが、オウンドメディアのコンテンツ作成には別途コストが必要になります。
たとえば、記事の制作を外注する場合、ライティングだけでなく、編集や入稿などに関する費用も発生します。
記事の制作を自社で内製化する場合、必要な人件費は工数に応じて増加するでしょう。
さらに、オウンドメディアの運用を自社ではなく外部に依頼する場合、追加でコストが発生します。
以上のように、オウンドメディアの運営にはランニングコストが伴います。
そのため、効果的な運用を目指す場合、コストに対する計画的な管理が必要です。
成果が出るまで時間がかかる
成果が出るまで時間がかかるのもオウンドメディアのデメリットです。
オウンドメディアは、基本的に認知度の低い状態からスタートします。
そのため、オウンドメディアの立ち上げた直後は訪問者数も少なく、効果が現れるには時間が必要です。
コンテンツを充実させるにも一定期間を要し、初期は試行錯誤を重ねながら徐々に訪問者を増やしていく必要があります。
また、SEO対策も中長期的な視点で継続的におこなう必要があります。
効果が現れるまでには「コンテンツの公開」「SNSからの流入確保」「関連性の高い相互リンクの設置」など、継続的な施策が欠かせません。
オウンドメディアはすぐに成果が出るものではないため、効果が現れるまでの期間を見据えて長期的な視点での運営が重要です。
専門知識が必要
専門知識が必要になる点もオウンドメディアのデメリットです。
自社でオウンドメディアを運営するには、コンテンツ作成だけでなく、効果的な情報発信をするための専門的な知識が求められます。
たとえば、プランニング能力、記事制作のノウハウ、デザインに関する知識、SEO対策、アクセス解析など、オウンドメディアの運営に関わるさまざまなスキルが必要不可欠です。
こうした専門性のある人材を社内にそろえることは難しく、自社で育成するにも相応の時間と労力を要します。
効果測定が難しい
効果測定が難しいのもオウンドメディアのデメリットです。
オウンドメディアの効果測定では、運用フェーズによって異なる分析が必要です。
オウンドメディアの運用フェーズは、大きく3つに分けられます。
最初は、オウンドメディアの立ち上げ段階です。
ページビュー数やセッション数といった基本的なアクセス数に関連する指標を中心に分析し、いかに多くの訪問者を引き付けるかに注力します。
次は、見込み顧客獲得の段階です。
直帰率、回遊率、滞在時間、スクロール量などの指標から、ユーザー行動の分析をします。
分析によって、ユーザーの関心度やコンテンツの魅力を評価します。
最後は、コンバージョンにつながる記事を強化する段階です。
各Webページのページビュー数やコンバージョン数を把握し、どのコンテンツが最終的な目標達成に貢献しているかを判断します。
この段階では、具体的な成果を得るための改善策が必要です。
このように、オウンドメディアの各段階で求められる効果測定の方法が異なるため、柔軟な対応が必要となります。
まとめ
オウンドメディアのメリットとデメリットを解説しました。
メリットとデメリットをそれぞれまとめると、以下になります。
メリット | デメリット |
---|---|
・自社の資産になる ・質の高い見込み客を集められる ・広告費の削減ができる ・効果的なブランディングが期待できる ・顧客のロイヤルティを向上できる ・競合他社との差別化が可能 ・オウンドメディアリクルーティングが可能 |
・ランニングコストがかかる ・成果が出るまで時間がかかる ・専門知識が必要 ・効果測定が難しい |
オウンドメディアは、ナーチャリング、ブランディング、採用などの面でメリットがあります。
一方、オウンドメディアの運用には専門知識が必要であり、成果が出るまで時間がかかるといったデメリットもあります。
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