メルマガが迷惑メールの判定に?理由と回避方法を解説
メルマガを効果的に配信するために、メルマガが迷惑メールの判別をされるのは避けなければなりません。
迷惑メールとして判定されてしまうと、読者のメール受信ボックスに届かないため、メルマガが読まれないというデメリットが発生します。
メルマガの配信を始めたばかりであれば、以下のような疑問が生じると思います。
『なぜメルマガが迷惑メールになってしまうの?』
『回避する方法は?』
今回のコラム記事では、メールマガジンの配信を始めたばかり、これから始めようとしているメルマガ担当者様に向けています。
メルマガが迷惑メールとして判別される原因や、迷惑メールの判定を回避する方法を解説します。
メルマガが迷惑メールになる理由
メルマガが迷惑メールとして判別されてしまう理由には、主に3つあります。
- IPレピュテーションが低い
- インターネットサービスプロバイダーにブロックされている
- メール認証を行っていない
上記の3つについて、くわしい解説をしていきます。
IPレピュテーションが低い
IPレピュテーションとは、IPアドレスの評判(Reputation)を評価する仕組みのことです。
迷惑メールを送っていたり、悪質なWebサイトを運営していたりすると、メール配信元のIPアドレスのスコアが低く評価されます。
IPレピュテーションのスコアが低いIPアドレスで送信したメールは、迷惑メールとして判定される可能性が高まります。
そのため、IPレピュテーションを高く保つことで、迷惑メールとして判別されにくくすることが可能です。
IPレピュテーションを高く保つためには「スパムメールを送らない」「メール配信システムを利用する」といった対策を行うことで改善します。
くわえて、後述する「迷惑メールへの振り分けを回避する方法」も併せて実施するとよいでしょう。
インターネットサービスプロバイダーにブロックされている
IPレピュテーションの評価は、インターネットサービスプロバイダーが行っています。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)とは、インターネット接続のサービスを提供している事業者のことです。
IPレピュテーションの低いIPアドレスからのメールは、メルマガの受信ボックスに届かないようにISP側がフィルターをかけます。
フィルターをかけると、メルマガが受信拒否されたり、迷惑メールとして判別されたりします。
ISPへのブロックを回避するには、IPレピュテーションのスコアを高めましょう。
IPレピュテーションのスコアを高めることで、迷惑メールとして判定されるのを防ぐことができます。
メール認証を行っていない
大手企業を装ってメールを送る、いわゆるフィッシング詐欺の被害事例の報告はあとを絶ちません。
なりすましではなく、本物から配信されたメルマガであることを証明するために「メール認証」という仕組みが存在しています。
メルマガの配信元のメールアドレスに対して「SPF」「DKIM」「DMARC」の3点を設定することで、本物から送信されたメールと証明ができます。
メール認証を行わない場合は、なりすましではないことを証明できません。
そのため、メルマガを購読している方のメールボックスに届かず、迷惑メールとして判定される恐れがあります。
メール認証を行っていない場合は、対策を講じましょう。
迷惑メールの振り分けを回避する方法
配信したメルマガが迷惑メールに振り分けられないように防ぐには、以下の対策法を実践しましょう。
- 送信ドメイン認証を行う
- 複数のIPアドレスから配信する
- 有料のメール宛先リストを購入しない
- エラーメールを送り続けない
- 怪しまれない送信者名にする
- メルマガ登録をダブルオプトインにする
- マルチパートメールを使用する
- 添付ファイルは使用しない
- 退会しやすくする
- 受信者に役立つメールを送る
これらの対策法について解説を行います。
送信ドメイン認証を行う
なりすましメールの対策として、送信ドメイン認証を行うことは重要です。
SPF、DKIM、 DMARCを設定することで、メールがなりすましではないことを証明できます。
送信ドメイン認証に関して、以下のようにまとめています。
- SPF(Sender Policy Framework)
-
メール送信元のIPアドレスで、なりすましメールまたは本物から送信されたメールの検証が可能です。
メール送信時に利用するサーバーのIPアドレスを、送信側のDNSにSPFレコードとして登録しておきます。
受信側(受信サーバー)は、メール受信時に送信側のIPアドレスとSPFレコードの結果を照合し、なりすましでないことを確認します。
- DKIM (Domainkeys Identified Mail)
-
電子署名を付与して、なりすましを検知する仕組みです。
メールの送信元が、送信するメールに電子署名を付与します。
受信側は、電子署名をメール受信時に検証し、なりすましではないことを検知できます。 - DMARC(Domain-based Message Authentication、Reporting and Conformance)
-
受信側でメールの認証で失敗した際のアクションを、送信側のDNSに「DMARCポリシー」として宣言します。
受信側はDMARCポリシーを参考にして、SPFやDKIMで認証できなかった場合の対策を決めておきましょう。
DMARCポリシーに「拒否」と定義すれば、受信メールは棄却されます。
「隔離」と定義すればメールが隔離され、定義を「なし」にすればメールが受信されます。DMARCを活用することで、SPFやDKIMで認証できなかった場合でも、なりすましメールの排除が可能です。
以上のように、送信ドメインの設定を行うことで、なりすましではないことを証明でき、迷惑メールとして判別されるのを防げます。
複数のIPアドレスから配信する
迷惑メールは、単一のIPアドレスから送信されることが多いです。
そのため、メルマガを単一のIPアドレスから送信していると、迷惑メールとして判別されるかもしれません。
一般的なメール配信システムであれば、複数のIPアドレスからメールを配信する機能が搭載されています。
複数のIPアドレスからメルマガを送信することで、迷惑メールとして判別されるのを抑えることが可能です。
メール配信システムを活用していない方は、導入の検討をおすすめします。
有料のメール宛先リストを購入しない
有料のメール宛先リストに代表される、メールの受信を希望していない宛先へメルマガを配信するのは避けましょう。
有料のメール宛先リストには、スパムトラップと呼ばれるISPが迷惑メールをあぶり出すためのメールアドレスが紛れ込んでいる可能性があります。
スパムトラップのメールアドレス宛にメールを送信すると、メール送信元のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されます。
その結果、IPレピュテーションの低下や、迷惑メールの判別結果に悪影響が出るかもしれません。
有料のメール宛先リストの購入は避けて、メール受信を希望している人のみにメルマガを配信しましょう。
メルマガ配信時に守るべき法律に注意
広告宣伝を目的として短時間に無差別的に、かつ大量に送信されるメールは、特定電子メール法により規制の対象です。
コンプライアンスの観点からしても、有料メールアドレスの購入には問題があります。
また、メルマガではメールアドレスや氏名、住所、電話番号といった個人情報を取り扱います。
そのため、個人情報保護法を遵守したうえで、メール配信の体制を整備することは重要です。
ほかにも、ECサイトで商品を販売している場合は、特定商取引法の規制に注意しなければなりません。
以上のように、メール配信では遵守すべき法律があるので、各法律の基本知識は覚えておきましょう。
エラーメールを送り続けない
エラーメールを送り続けることは、迷惑メールとして判別されるリスクを高めてしまいます。
エラーメールの割合が多いのは、迷惑メールの特徴の一つです。
ISPでは、エラーメールの割合が高い送信元のIPアドレスからのメールをブラックリストに載せたり、IPレピュテーションを下げたりすることがあります。
その結果、メール受信の制限や拒否、迷惑メールへの振り分けにつながります。
エラーメールによるトラブルを回避するためには「エラーメールが○回以上の送信先にはメルマガを送信しない」といった配信条件の設定をしましょう。
怪しまれない送信者名にする
メルマガの送信者名が、どの企業やブランドのものか判別できない場合、メルマガの読者が迷惑メールとして判断してしまう可能性があります。
送信者名を「メルマガ事務局」のような名称ではなく、社名やブランド名にすることをおすすめします。
特に以下のような送信者名にすれば、開封率の向上といった効果が見込めるでしょう。
- 社名+ブランド名
- 社名+担当者名
- キャッチフレーズ+店舗名
メルマガ登録をダブルオプトインにする
ダブルオプトインとは、メルマガに登録する際に2段階で確認する方法を指します。
次のような手順で、ダブルオプトインは行われます。
- メルマガの登録フォームにメールアドレスを入力する(仮登録)
- 入力したメールアドレス宛に、メルマガ登録メールが送信される
- メルマガ登録メールに記載されているURLから、本登録を行う
メルマガの登録をダブルオプトインにすることで、第三者が悪意をもって他人のメールアドレスを入力しても本登録を防ぐことが可能です。
また、入力ミスで存在しないメールアドレスを入力しても本登録まで至らないため、エラーメールの発生を防げるというメリットもあります。
迷惑メール対策だけでなく、個人情報保護の観点からも、ダブルオプトインの導入をおすすめします。
マルチパートメールを使用する
マルチパートメールとは、複数の形式をもったメールのことです。
一般的にはHTMLメールとテキストメールの両方を設定しておき、受信者が利用しているメールソフトの環境に合わせて、どちらか片方のメールを表示させることができます。
HTMLメールには画像を用いて視覚的に訴求しやすいメリットがありますが、メール受信者によってはHTMLメールの表示を拒否している場合があります。
マルチパートメールを設定することで、HTMLメールに対応していない場合はテキストメールを表示させることが可能です。
添付ファイルは使用しない
スパムメールの特徴として、添付ファイル経由でウイルスを感染させて、重要な情報をパソコンから抜き取ります。
メルマガ配信の際に添付ファイルを使用すると、迷惑メールとして判別されるリスクが高まります。
ファイルをメルマガの受信者に送信したい場合は、別途ダウンロード用のリンクをメール内に記載して、リンク先のWebページからファイルをダウンロードできるように設定しましょう。
退会しやすくする
特定メール電子法により、メルマガを配信する場合は、退会方法の明示が求められます。
メルマガの配信停止ができるWebページのリンクや、問い合わせ先のメールアドレス、電話番号などをメール内に記載する必要があります。
メルマガを配信停止する専用のWebページを作成し、メルマガのフッター部分にリンクをわかりやすく掲載しましょう。
メルマガの配信停止をあえて複雑にすると、迷惑メールとして報告されるケースが増加して、IPレピュテーションの低下につながります。
メルマガを退会しやすくすることは、コンプライアンスと迷惑メール防止の両方の観点から重要です。
受信者に役立つメールを送る
ここまでは、主に技術的な迷惑メール防止の対策を説明しました。
技術的な対策は重要ですが、メルマガの読者が喜ぶ情報を提供することも同じくらい重要です。
メルマガの読者が受信して迷惑だと感じるような内容のメールを送っていれば、迷惑メールとして報告されるリスクが高くなります。
読者にとって役立つ情報を届け、顧客満足度を高める効果的なメルマガを配信できるように取り組みましょう。
まとめ
今回は、メルマガが迷惑メールとして判別される理由や、迷惑メールの回避法について解説を行いました。
迷惑メールに判別されるのを防ぐために覚えておくべきポイントは、以下のとおりです。
- IPレピュテーションを高め、ISPからブロックされないように注意する
- メール認証を行い、なりすましではないことを証明する
- 今回のコラム記事で紹介した「迷惑メールの振り分けを回避する方法」を実践する
上記のポイントに注意してメルマガ配信を実施して、配信の効果を最大化できるように努めましょう。
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