化粧品をネット販売するには?必要な許可・開業方法・成功ポイントをプロが解説
『化粧品をネット販売するには?』
『化粧品のネットショップを開業する方法が知りたい!』
化粧品のネット販売を始めるには、独自の規制について知る必要があります。
もし、規制を知らずに化粧品のネット販売を行うと、あとでトラブルになるかもしれません。
今回は化粧品業界のプロが化粧品のネット販売について、規制や必要な許可、開業方法、成功のポイントを解説いたします。
※今回のコラム記事で掲載している情報は、記事公開時点(2022年11月17日)のものです
化粧品をネット販売するには?
化粧品をネット販売するには、次の4つの要素を抑える必要があります。
- 規制に関する知識
- 必要な許可・申請
- ビジネスモデル
- 専門の人材確保
規制に関する知識
化粧品の製造・輸入・流通に関しては、法律による規制があります。
化粧品は、人間の皮膚や肌に使用するものです。
取扱事業者には、商品の安全性と安定性を確保することが求められています。
化粧品は通称「薬機法」という法規制の対象となっており、事業者は薬機法で定められた規定を遵守しながら商品を取り扱わなければなりません。
化粧品取扱事業者が薬機法で遵守すべき主な項目は、次の5つ(※1)です。
- 製造販売業者の要件
- 使用成分の規定
- 外装・説明書の表示義務
- 広告表現
- 副作用発覚時の報告義務
※1 参照:https://www.jcia.org/user/public/knowledge/glossary/law
製造販売業者の要件
化粧品を製造して流通させるには、化粧品の製造販売業者の要件を満たし、行政の許可を得る必要があります。
化粧品の製造・販売に関する許可は、海外から化粧品を輸入する場合にも必要になります。
ただし、すでに国内で流通している化粧品を販売するだけであれば、特別な許可は必要ありません。
化粧品のネット販売を行うには、自社のビジネスモデルに応じた許可を取得しましょう。
使用成分の規定
薬機法には、化粧品の使用成分に関する規定も盛り込まれています。
国内で製造と販売できる化粧品については、厚生労働省で使用が認められた成分、あるいは配合量を遵守する必要があります。
厚生労働省の既存リストにない新たな成分を使用する場合は、別途使用許可を申請し、所定の審査をクリアしなければなりません。
まだ世に出てない新たな化粧品を製造・販売するには、薬機法で定められた使用成分の規定を遵守し、行政の審査期間も含めて検討しておきましょう。
外装・説明書の表示義務
薬機法には、化粧品の外装や説明書に関する表示義務を定めています。
薬機法で定められた記載すべき項目は、以下のとおりです。
- 商品名
- 製造販売業者の氏名または名称・住所
- 製造番号または製造記号
- すべての成分名(厚生労働大臣が定める成分を含有する化粧品に限る)
- 使用の期限(厚生労働大臣が定める化粧品に限る)
上記の項目を消費者の見えるところに記載しましょう。
また、顔用保湿クリームや日焼け止めなど、化粧品の種類を識別する「化粧品の表示に関する公正競争規約」に基づいた名称、使用上の注意についての内容もかならず記載してください。
広告表現
化粧品をネット販売するうえで、もっとも注意すべきは広告表現です。
化粧品の広告表現は薬機法で厳しく規制されており、誇大表現に抵触しないように広告の文章を最大限に配慮しなければなりません。
薬機法を遵守した広告表現には、一定の専門知識が必要となります。
今から化粧品のネット販売を検討されている方は、プロ並みでなくても構いませんが、管理者として最低限の基礎知識を身に付けておきましょう。
副作用発覚時の報告義務
薬機法では、副作用が発覚した場合の報告義務についても定められています。
不特定多数の消費者が使用した商品で皮膚被害を訴えた場合、すぐに行政や関係省庁に報告しなければなりません。
皮膚被害を訴える方の割合の多さによっては、最悪の場合だと商品の自主回収を行う必要もあります。
化粧品を製造・販売する事業者には、販売後も消費者への安全責務を担うことが求められています。
必要な許可・申請
前述のように、化粧品の製造・輸入・流通には、各都道府県の行政機関で許可を取得する必要があります。
化粧品の製造・輸入・流通に必要な許可は、主に次の2つに分かれています。
- 化粧品製造業許可
- 化粧品製造販売業許可
化粧品製造業許可
化粧品製造業許可とは、化粧品を製造するための許可です。
化粧品製造業許可を取得すれば、化粧品の製造を行うことはできます。
ただし、一般市場に商品を流通させる行為は認められていません。
化粧品製造業許可の取得には、構造設備や申請者の要件、責任技術者の設置など、さまざまな要件が求められます。
「責任技術者」においては、薬剤師や化学の専門課程修了者など、一定の条件が定められており、要件に準じた人材の確保が必須です。
化粧品製造販売業許可
化粧品製造販売業許可とは、化粧品を市場へ流通・出荷させるための許可です。
化粧品の流通・出荷だけが認められているのが化粧品製造販売業許可であり、化粧品を海外から輸入して販売するうえでも必要になります。
化粧品製造販売業許可だけでは化粧品を作れないので、混同しないように注意しましょう。
化粧品製造販売業許可の取得には、化粧品製造業許可と同等の要件を満たさなければなりませんが、販売業許可では事業所の構造設備の届出は不要です。
一般的に化粧品製造販売業許可のほうが、製造業の許可よりも比較的簡単に取得ができます。
ビジネスモデル
化粧品のネット販売におけるビジネスモデルは、大きく2種類に分けられます。
- 総合通販型
- 単品通販型
総合通販型
総合通販型とは、すでに流通しているブランドやメーカーの化粧品を寄せ集めて販売するビジネスモデルです。
総合通販型は、基本的に国内で製造・販売の許可がされた化粧品を仕入れてネットで販売をします。
そのため、特別な許可を取得することなく、ビジネスのスタートがすぐに可能です。
ただし、総合通販型は価格競争に巻き込まれやすく、利益率が低くなる傾向にあります。
単品通販型
単品通販型とは、1つのブランド、あるいは1つの商品に絞って販売するビジネスモデルのことです。
近年、単品通販型(DtoC型)の市場は年々上昇しており、化粧品は単品通販型にマッチしやすい商材といえます。
単品通販型は利益率が高く、価格競争に巻き込まれるリスクも少ないです。
一方で、単品通販型は新しい商品を市場に広める期間と、プロモーションに相応の予算をかける必要があります。
専門の人材確保
化粧品をネット販売するには、専門となる人材の確保も必要になります。
化粧品のネット販売に必要な人材とは、販売と広告担当です。
まず、化粧品の販売にあたっては、インターネットというチャネルであっても、美容の専門知識をもった人材が担当することが望ましいといえます。
広告については、あらかじめにトラブルを避けるためにも薬機法に精通した人材の確保が必須となるでしょう。
ネット販売の化粧品が安い理由
ネット販売で買える化粧品が安いのには理由があります。
その理由は主に4つあります。
- 実店舗より維持費が安い
- 中間マージンの削減
- 大量に買い付けている
- フリーポートを拠点にしている
実店舗より維持費が安い
ネット販売の化粧品が安い最大の理由は、実店舗より維持費が安いことです。
実店舗は売上の高い店舗になるほど地代家賃が高く、フロア面積に応じた人件費や光熱費などの高額な維持費が必要になります。
高額な維持費の採算を取るには、商品代金に価格を上乗せせざるを得ません。
ネット販売は自社サイトであれば家賃がほぼゼロに等しく、実店舗ほど人件費もかからないため、実店舗より安く商品を販売しやすい条件が整っています。
中間マージンの削減
化粧品のネット販売では、中間マージンの削減が可能です。
化粧品の販売ルートは、実店舗や訪問販売やサロンなど、さまざまなチャネルがあります。
通常は製造者から消費者に渡るまで、いくつかの中間業者を介すことになります。
しかし、ネット販売では製造者や輸入者が直接消費者に販売するケースが多く、中間業者のマージンが削減されることで、より安い価格での販売が可能です。
大量に買い付けている
総合通販型のネット販売で安く売られている化粧品の大半は、大量に買い付けています。
化粧品に限りませんが、どのような商品でも一括して大量に買い付ければ、より安く仕入れられます。
実店舗でもドラッグストアなど、全国展開の企業であれば大量の買い付けが可能です。
ただし、町の小さな化粧品店のように、販路が限られる店舗で大量の買い付けをするのは現実的ではありません。
ネット販売は販路が無限であることから、大量の買い付けで仕入れている事業者が多く、消費者により安く商品の提供ができます。
フリーポートを拠点にしている
化粧品を安くネット販売している事業者の中には、フリーポートを拠点にしています。
フリーポートとは、輸出入にほぼ関税がかからない自由貿易港のことです。
代表的な場所は、香港、シンガポール、ドバイなどがよく知られています。
そもそも、日本も化粧品の輸入に際して関税はかかりませんが、海外の化粧品を日本に輸入する際には10%の輸入消費税が課税対象です。
そのため、化粧品のネット販売をする事業者の中には、香港などのフリーポートに拠点を作ってコストダウンを図り、現地からユーザーに直送する方式の事業者が多く見受けられます。
化粧品ネットショップの開業方法【8つのステップ】
化粧品のネットショップを開業するには、次の8つのステップを踏まえることになります。
- コンセプト決め・取扱商品の選定
- 価格相場の調査
- 仕入先の確保・許可の取得
- 出店アカウントを開設する
- 画像・説明文などの資料を集める
- Webデザイン・商品登録
- 決済方法の追加
- プレオープン・プロモーション
【ステップ①】コンセプト決め・取扱商品の選定
まずは、コンセプト決めと取扱商品の選定から始めます。
コンセプトは、消費者に提供したい価値や世界観のことです。
コンセプトと同時にペルソナ(販売ターゲットの人物像)を定めることも忘れてはなりません。
コンセプトとペルソナを決定したら、ネットショップで取り扱う商品の選定です。
コンセプトとペルソナに沿った商品を既存の流通商品の中から見つけるのか、またはオリジナル商品を開発するのかなど、ビジネスモデルも並行して検討しましょう。
【ステップ②】価格相場の調査
2番目のステップは、価格相場の調査です。
国内で流通している既存商品を販売する場合は、選定した商品がネット市場でどのくらいの価格で売られているのか、徹底的な調査が必要になります。
オリジナル商品を販売する場合は、価格競争に巻き込まれる確率こそ減りますが、同様の商品の価格相場もかならず調査しておきましょう。
【ステップ③】仕入先の確保・許可の取得
3番目のステップは、仕入先の確保と許可の取得です。
商品の仕入れ方法は国内、海外、自社製造など、さまざまな選択肢があります。
前述のように、化粧品の輸入や製造には行政の許可が必要です。
許可の取得に際しては、複雑な要件の準備とともに、高額な費用がかかります。
一方、日本未発売の化粧品の輸入・製造に関しては、かならずしも自社で許可の取得をする必要はありません。
すでに製造・輸入許可のライセンスを保有している業者に委託する選択肢もあります。
オリジナル商品を開発する場合は、費用や手間も含めてベストな選択肢を検討しましょう。
【ステップ④】出店アカウントを開設する
4番目のステップは、出店アカウントの開設です。
総合通販型の場合は、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、大手ECモールに出店する方法があります。
ほかにも、既存のカートシステムを利用して自社サイトを開設する方法もあります。
単品通販型の場合は、自社でWebサイトを開設して、SEOやSNS (Instagram、Facebookなど)などを活用して集客をするのが主流です。
まずはビジネスモデルを決定し、出店方法に応じたアカウントを開設しましょう。
【ステップ⑤】画像・説明文などの資料を集める
5番目のステップは、画像や説明文などの資料集めです。
既存の商品を取り扱う場合は、自社で撮影するよりも、メーカーから提供される資料を使うほうが効率的な出品が可能です。
オリジナル商品の場合は、自社で撮影と商品説明文の資料を準備しなければいけません。
ただし、専門の業者に委託すれば時間と手間の削減ができます。
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商品画像の撮影方法と商品説明文の書き方は、以下のコラム記事で解説中です。
・商品写真の撮り方【プロ風】|ネットショップ運営に活用できるコツとテクニックを伝授
・売れる商品説明文の書き方を解説!コツ・注意点・媒体別のテンプレートも公開
【ステップ⑥】Webデザイン・商品登録
6番目のステップは、Webデザインと商品登録の作業です。
WebデザインはHTMLやCSSなどのプログラミング言語を使って、ネットショップの外観を整えていく工程となります。
総合通販型の場合は、ECモールやカートシステムを利用すれば、HTMLやCSSの知識がなくても、テンプレートにあてはめるだけでECサイトが完成します。
単品通販型の場合、商品登録の作業は不要です。
ただし、LP(ランディングページ)の作成が発生するため、HTMLやCSSの知識が必須となります。
単品通販型は、ECサイトの完成度が売上に比例することを念頭におきましょう。
【ステップ⑦】決済方法の追加
7番目のステップは、決済方法の追加です。
ネットショップの代表的な決済方法を挙げると、以下のようになります。
- クレジットカード
- ID決済
- 代金引換
- 後払い決済
ネットショップで人気の高い決済方法は、クレジットカードです。
SBペイメントサービス株式会社によると、ネットショップユーザーの約80%が決済方法にクレジットカードを利用する調査データがあります。
ネットショップの支払い方法でクレジットカードが使えるためにも、加盟店審査の申請を行いましょう。
また、近年ではPayPayやAmazon PayなどID決済の需要も上昇しているので、導入の検討をおすすめします。
【ステップ⑧】プレオープン・プロモーション
ECサイトが完成したら、いよいよプレオープンとプロモーションの開始です。
開設したネットショップで実際に買い物をしてみて、動作が正常に働くか、不具合はないかなど、本番と同様の環境でテストをしてみましょう。
プロモーションはWeb広告やSEOなど、さまざまな方法があります。
オープン当初は、即効性の高い有料のWeb広告が有力な選択肢です。
単品通販型のネットショップでは、有料のWeb広告とともに無料サンプルを大々的に配布するキャンペーンの開催が必要になります。
単品通販型はプロモーションの予算と売上が比例しますので、初月は目標売上の30~40%以上の広告予算をみておきましょう。
化粧品をネット販売するうえでの注意点
化粧品のネット販売において、注意すべき点を4つ紹介していきます。
- 必要な許可・届出を怠らない
- 薬機法に遵守してサイト作成を行う
- トラブル時のサポート体制を整える
- 外箱・外装を潰さない
必要な許可・届出を怠らない
化粧品をネット販売するうえでは、必要な許可や届出を怠らないようにしましょう。
冒頭で述べたように、化粧品の製造・販売(流通)には各都道府県の許可を取得しなければなりません。
もし、無認可で海外から輸入した化粧品をネット販売したことが発覚すると、行政処分を受けることになり、営業停止や刑事措置を受ける可能性もあります。
化粧品をネットで販売する場合には、くれぐれも必要な許可や届出を怠らないようにしてください。
薬機法に遵守してサイト作成を行う
化粧品のネット販売では、薬機法を遵守したサイト作成を心掛ける必要があります。
薬機法を遵守したECサイトとは、おおまかに説明すると「商品ページに全成分の表示を記載する」「虚偽・誇大の表現をしない」の2つを抑えることです。
化粧品における広告の虚偽・誇大表現は、ネット販売で多いトラブルの一つです。
売りたい一心から、うそや大げさな表現を無意識に使わないようにしなければなりません。
化粧品の広告でよくあるトラブル事例としては「シワやシミが消えます」「5秒で小顔!」など、効果を断言する表現や明らかに消費者に誤解を与える表現です。
化粧品の広告表現の薬機法違反は、実際に逮捕された事例もあります。
知らなかったでは済まされない問題として、慎重な対応が求められます。
トラブル時のサポート体制を整える
化粧品のネット販売には、トラブル時のサポート体制を整えることも忘れてはなりません。
化粧品はいくら良いものであっても、すべての人の肌に合うとは限らず、常に皮膚トラブルのリスクと隣り合わせです。
万が一、消費者から肌トラブルを訴えられた場合は、販売責任者として迅速な対応が求められます。
特に単品通販型で製造も自社で行っている場合は、一般消費者からのトラブルにも慎重に対応しなければなりません。
化粧品のトラブルに対するサポート体制には、医療機関と提携するなど、さまざまな手段があります。
自社での対応が難しい場合は、外部に委託することも検討しましょう。
外箱・外装を潰さない
化粧品のネット販売には、外箱・外装を潰さないことに配慮する必要があります。
外箱・外装の破損チェックは化粧品以外でも必須ですが、なかでも化粧品は外装の潰れを見逃して出荷してしまうと、ユーザーからの評価が著しく落ちてしまいます。
化粧品は、人の肌に付ける特性をもつ商材です。
そのため、外箱の破損は「多くの人の手に触れた商品」という印象につながり、衛生面の懸念を広げる恐れがあります。
化粧品の外装は、使用時には関係ないものと軽視しがちです。
しかし、商品を手にしたユーザーの心情は販売者とはまったく別のところにあります。
化粧品のネット販売では、商品の外箱や外装の状態に厳重なチェックを徹底しましょう。
化粧品のネット販売で成功するためのポイント
化粧品のネット販売で成功するポイントを、総合通販型と単品通販型に分けて紹介していきます。
総合通販型
総合通販型で化粧品の販売をする場合、成功のポイントは次の5つです。
- 商品点数・種類を増やす
- 最安値商品を作る
- 製造年月日を明記する
- 送料無料のハードルを低くする
- 無料サンプルを同梱する
商品点数・種類を増やす
商品の点数や種類を増やすことが、総合通販型で売り上げを伸ばす方法の一つです。
総合通販型に出品する商品は、すでに世に知られているブランドの商品が中心で、SEOからの流入が期待できます。
「商品点数の多さ=キーワード流入数の多さ」となりますので、総合通販型では可能な限り商品点数を増やすことを心掛けましょう。
最安値商品を作る
総合通販型の化粧品販売では、最安値の商品を作ることも肝心です。
既存ブランドが中心の総合通販型は、価格が安いことが一つのウリになります。
ただし、すべての商品を安くしては店舗の利益がありません。
広告費用と考え、数アイテムだけでもネット市場の最安値を作ってみましょう。
製造年月日を明記する
総合通販型の出品ページには、製造年月日の明記を徹底しましょう。
総合通販型に出品する商品は既存ブランドが中心となりますが、安価な価格で売られているほど、製造年月日が古い商品という懸念をもたれやすいです。
ユーザーへの誤解を避けるためにも、入荷した商品在庫の製造年月日をおおまかにチェックし、おおよそいつごろに製造されたものか、出品ページに記載しておきましょう。
送料無料のハードルを低くする
総合通販型では、送料無料というハードルを低くすると、購買率アップの期待ができます。
ネット販売では、送料が商品購入の壁です。
送料の設定が高いと、ECサイトに流入した途端、ユーザーに離脱される可能性を上げてしまいます。
店舗の運営者からすると、なるべく多くの商品を購買してほしくなりますが、あえて送料を無料にして、リピートでの年間購入単価のアップを狙いましょう。
無料サンプルを同梱する
総合通販型でリピートの獲得を狙うには、無料サンプルの同梱が有効です。
既存ブランドが中心の総合通販型であっても、消費者がまだ使ったことのない商品もたくさんあるでしょう。
そのため、ほかのアイテムのサンプルを同梱することはリピート対策に有効な方法です。
既存ブランドのサンプルを大量に入手することは、容易ではありません。
広告費用と割り切り、別途有償で購入してでも多種類のサンプルストックをそろえておきましょう。
単品通販型
単品通販型で化粧品の販売をする場合、成功のポイントは次の5つです。
- ファーストビューに配慮する
- ECサイトの作成をプロに委託する
- 代引き・後払い決済の導入
- インフルエンサーと提携する
- サンプルを徹底的に配布する
ファーストビューに配慮する
単品通販型の成功に重要なポイントは、ファーストビューの配慮です。
単品通販型は、ECサイトの完成度こそが命です。
ユーザーがECサイトに流入した途端の第一印象で、ECサイトに留まってくれるかどうかが決まります。
ユーザーがECサイトにアクセスして最初に目にする領域(ファーストビュー)は、時間をかけて作り込みましょう。
ECサイトの作成をプロに委託する
単品通販型では、ECサイトの作成をプロに委託することをおすすめします。
総合通販型の場合はすでに世に知られている商品が中心のため、大きな手間は必要ありません。
単品通販型の場合は、サイト制作のレベルが売上に直結します。
化粧品には専門の撮り方や薬機法に準じた説明文の作成方法があり、素人が万全な作り込みを行うには限界があります。
ECサイトの作成を自社で対応することが難しい場合は、化粧品のECサイト制作の実績が豊富な専門家へ委託を検討しましょう。
代引き・後払い決済の導入
単品通販型では、代引き決済や後払い決済などの導入も外せないポイントです。
単品通販型は事業者自体の知名度に信頼感が薄いため、商品を確認してから支払いをしたいユーザーが多くを占めます。
単品通販型で商品を購入するには『代引きや後払いが対応しているなら欲しい』という層が一定数存在します。
できる限り決済手段の種類は多めに準備しておきましょう。
インフルエンサーと提携する
単品通販型では、インフルエンサーとの提携も有益です。
インフルエンサーとは、影響力のある人を意味する言葉であり、具体的には芸能人や著名人のことを指します。
化粧品は商品自体の品質が良いことはもちろんのこと、加えて「○○さんが使っている商品」というインフルエンサーの後押しが、売り上げに大きく影響することがあります。
芸能人や著名人との連携が予算的に難しいようであれば、SNSでたくさんのフォロワーを抱えているような素人さんでも構いません。
知名度のない商品を効率良く広めるうえでも、何らかのインフルエンサー確保は視野に入れておきたいものです。
サンプルを徹底的に配布する
単品通販型には、サンプルを徹底的に配布することも肝心です。
化粧品は優れた画像や説明文をもってしても、最終的には使ってみないとわかりません。
特に自社のオリジナル商品は、世間にまったく認知されていない商品です。
できる限り無料サンプルを使って多くの人に商品を試してもらい、レビューを集めておきましょう。
まとめ
今回は化粧品のネット販売について、規制や必要な許可、開業方法、成功のポインなどをお話させていただきました。
まとめますと、化粧品をネット販売するには4つの要素を抑える必要があります。
- 規制に関する知識
- 必要な許可・申請
- ビジネスモデル
- 専門の人材確保
実店舗よりも、ネット販売の化粧品のほうが安い理由は、以下の4つです。
- 実店舗より維持費が安い
- 中間マージンの削減
- 大量に買い付けている
- フリーポートを拠点にしている
化粧品のネットショップ開業には、次の8ステップを踏まえることになります。
- コンセプト決め・取扱商品の選定
- 価格相場の調査
- 仕入先の確保・許可の取得
- 出店アカウントを開設する
- 画像・説明文などの資料を集める
- Webデザイン・商品登録
- 決済方法の追加
- プレオープン・プロモーション
化粧品をネット販売するうえで注意しておきたい点は、以下の4つです。
- 必要な許可・届出を怠らない
- 薬機法に遵守してサイト作成を行う
- トラブル時のサポート体制を整える
- 外箱・外装を潰さない
化粧品のネット販売で成功するポイントを、総合通販型と単品通販型の別々にまとめると、次のようになります。
総合通販型 | 単品通販型 |
---|---|
・商品点数、種類を増やす ・最安値商品を作る ・製造年月日を明記する ・送料無料のハードルを低くする ・無料サンプルを同梱する |
・ファーストビューに配慮する ・ECサイトの作成をプロに委託する ・代引き、後払い決済の導入 ・インフルエンサーと提携する ・サンプルを徹底的に配布する |
化粧品のネット販売は、独自の規制に関する知識を抑えながら、消費者に安心して使ってもらえる商品を提供できる体制作りが必須となります。
そのため、すべての作業を自社で行おうとせず、外部の専門家をうまく活用することも手段の一つです。
化粧品のネット販売で世に提供したい内容をまとめ、自社ならではのビジネスモデルを確立していきましょう。
まずは無料でご相談ください。
お問い合わせ・ご相談や、公開後の修正依頼などに関しては、いずれかの方法にてお問い合わせください。
※年末年始・土日祝は定休日となります
※受付時間 9:00~17:30