DtoC(D2C)とは?BtoCとの違い・メリット・デメリット・大企業も注目する理由も解説
『DtoCとは?BtoCの違いは?』
近頃、ネットビジネスにおいて耳にする機会が増えた用語といえば「DtoC」です。
なんとなく理解しているものの、きちんとした意味を説明できる人は多くありません。
DtoCは、今、大企業も注目する新たなビジネスモデルの1つです。
DtoCに取り組むにはメリット・デメリットも踏まえ、慎重に検討する必要があります。
今回は話題のビジネスモデル「DtoC」について、BtoCとの違いなどの基礎知識からメリット・デメリット、大企業も注目する理由も解説致します。
DtoC(D2C)とは?わかりやすく解説
DtoCとは「Direct(直接)to Consumer(消費者)」の略称で、メーカーや問屋などの中間業者を介さずに、消費者に直接販売するビジネスモデルのことです。
別名「D2C」とも呼ばれています。
DtoCはアメリカ発祥のビジネスモデルですが、日本でも近年、DtoCに参入する企業が増え始めています。
日本の直製造→消費者直販型のビジネスモデルの代表例では「ユニクロ」や「GU」が知られています。
しかし、厳密には、ユニクロやGUは「SPA(製造小売業」であり、DtoCに該当しません。
DtoCとは、ネット媒体を使って消費者に直販するビジネスモデルのことを指し、ユニクロやGUは、あくまで実店舗ありきのブランドであるからです。
今、DtoCで最も話題になっている代表例としては、世界的スポーツブランドの「NIKE(ナイキ)」が知られています。
現在、NIKEは、既存の中間販売パートナーとの契約更新を打ち切り、DtoC事業に注力すると発表しています。
DtoCは、日本での認知度はまだ高くありませんが、今後拡大するであろう新たなビジネスモデルとして注目を集めています。
日本のDtoCの特徴
DtoCは、アメリカ発祥のビジネスモデルですが、アメリカと日本のDtoCでは特徴がことなります。
日本のDtoCの特徴は以下の3つです。
- 価格は高めで品質が高い
-
日本のDtoCは価格がやや高くても、とにかく品質が高い商品が主流です。
アメリカでは、とにかく最先端で価格が安い商品が人気であり、品質はさほど重要視されません。
DtoCビジネスに関する日米の感覚の違いが、如実に表れているといえます。
- 小規模ビジネスが多い
-
日本のDtoCは、小規模ビジネスでスタートしても、マーケティングにはまれば成功できるチャンスがあります。
アメリカのDtoCは、大きな資本を投じた大規模ビジネスが主流のため、DtoCという用語は同じでも、取り組むビジネスフィールドが全くことなっているといえます。
- 企業と消費者の距離が近い
-
日本のDtoCは、企業と消費者の距離が近いのも特徴です。
そもそも日本では、古くから伝統工芸などで製造者が消費者の要望を聞いて物作りをおこなうDtoCのビジネスモデルが浸透しています。
前述のように、アメリカのDtoCは、大きな組織が大きな資本を投じて取り組むビジネスのため、消費者との声をこまめに拾い、商品を開発することは根本的に主旨がズレています。
BtoCの違い
DtoCと「BtoC」の違いは、次のようになります。
- BtoC-メーカー・問屋などから商品を仕入れて消費者に販売
- DtoC-メーカー・問屋などの中間業者を介さず消費者に直販
BtoCは「企業(Business) to 個人(Consumer)」の略称であり、別名「ネットショップ」とも呼ばれています。
代表例としては「楽天市場」や「Amazon」などが挙げられます。
BtoCは、販売者がメーカーや問屋などから商品を仕入れ、消費者に販売するEC販売における最もスタンダードなビジネスモデルです。
DtoCはBtoCのように、メーカーや問屋などの中間業者は一切介さずに、自社で全て企画、製造をおこない、消費者に直販します。
市場規模
株式会社売れるネット広告社がおこなった調査結果によりますと、2020年度のDtoCの市場規模は約2兆2千億円です。
2025年には3兆円に達すると予測しています。
一方、ニューヨークに拠点がある市場調査会社、eMarketer社の調査結果によると、DtoCの発祥国・アメリカの市場規模は、2020年度、111.54億ドル(日本円で約12兆8,000億円)ほどです。
アメリカのDtoC市場規模は、前年比を約45%も上回る結果となっており、2023年までには18兆円規模にまで拡大すると予想されています。
大企業も積極参入!DtoCが注目を集める理由
DtoCが注目を集める理由は、以下の4つです。
- 消費者ニーズの多様化
- SNSの普及
- サブスクリプションの台頭
- ECモールのシェア拡大
消費者ニーズの多様化
令和に入り、消費者ニーズが一層多様化したことが、DtoCの注目を集める最大の要因となっています。
かつて情報源がテレビ、新聞、雑誌、ラジオだけに限られていた時代は、みんなのライフスタイルが似通っていたため、企業は「万人受けする商品作り」に終始していたものです。
しかし、インターネットの普及や、男女共同参画社会の確立により、多様化する日本人のライフスタイルに沿った商品を、世に生み出すべき気運が高まっています。
SNSの普及
SNSの普及は、企業がDtoC市場に注目していることと密接な関わりがあります。
従来の企業広告は、企業側が売り出したい商品を、テレビや有名雑誌などの媒体を使って、一方的に発信することが定番の手法でした。
しかし、現代のSNSの普及により、企業が消費者と密にコミュニケーションできる機会が増えたことから、より消費者の生の声に近い商品を開発しやすくなったのです。
サブスクリプションの台頭
近年、トレンドとなっている「サブスクリプション型」ビジネスモデルの台頭も、企業のDtoC参入意欲に拍車をかけています。
サブスクリプション型とは、いわゆる「買い切り型」ではなく、商品やサービスを利用している期間のみに代金が課金されるビジネスモデルのことです。
リーマンショック以前は、高額な商品を買い取ることがステータスとされていましたが、消費者ニーズが多様化する現代では、もはや商品は「買う時代」から「使う時代」になっていきました。
自社で販売価格、販売方法を自由に設定できるDtoCは、サブスクリプション型のビジネスモデルとマッチしやすい特性をもちます。
ECモールのシェア拡大
大手ECモールのシェア拡大も、DtoC市場が加速していることと無関係ではありません。
現在の国内EC業界は「Amazon」「楽天市場」など、大手ECモールがシェアの大半を占めており、今や手に入らないものはないほど商品ラインナップが充実しており、価格も安価です。
ただし、販売者側にとっては、大手ECモールの価格に対抗しなければならず、従来の販売方式では適性利益が確保しにくい状況になっています。
DtoCは、競合他社とあからさまに比較されにくく、販売者にとっては自社独自の販売方式で勝負することができます。
DtoCのメリット
DtoCのメリットは、以下の5つあげられます。
- 利益率アップ
- 価格競争に巻き込まれにくい
- 自由なマーケティング戦略が打てる
- 自社のブランディングが確立できる
- 精度の高い顧客データが収集できる
利益率アップ
DtoCの最大のメリットは、利益アップがはかれることです。
DtoCと比較対象にされやすいBtoCは、既存メーカーや中間業者から商品を仕入れて消費者に再販をかけるビジネスモデルです。
つまり、BtoCは製造から消費者まで経由する業者の数が多いほど、各業者のマージンが仕入れ原価にプラスされるため、利益率を上げるには限界があるといわざるを得ません。
しかし、DtoCは、製造から中間業者を一切介さず消費者に直接販売できるため、販売者側はより高い利益率を確保することができます。
価格競争に巻き込まれにくい
DtoCは、価格競争に巻き込まれにくいことも大きな特性です。
DtoCは原則として、オリジナル製品を販売するビジネスモデルのため、価格も競合他社を気にすることなく、自社の思い通りに設定できます。
ネット媒体で販売する場合であっても、自社サイトの構築やSNSでの配信を主軸にすれば、価格ソートで他社と比較されることもありません。
自由なマーケティング戦略が打てる
DtoCは、マーケティング戦略も自由に打つことが可能です。
他社が生産した商品を販売する場合は、製造元や販権元の意向に沿った形でマーケティング戦略を行わなければなりません。
DtoCなら、自社で商品の企画から製造まですべて行うため、誰のおうかがいを立てることもなく、自社の思い通りにマーケティング戦略を打ち出せます。
自社のブランディングが確立できる
DtoCは、自社のブランディングを確立しやすい側面があります。
他社が製造、企画した商品を販売する場合は、売上は早期に上がるかもしれませんが、ユーザー側からすれば、必ずしも自社で購入しなければならない訳ではありません。
DtoCは、唯一自社だけが提供するオリジナル製品であることから、多くのユーザーが自社の商品を受け入れてくれれば、自社ならではのブランディングを確立できます。
精度の高い顧客データが収集できる
DtoCは、より精度の高い顧客データを収集できます。
他社が製造、企画した商品を販売して得た評価は、あくまで「販売者」としての評価だけに留まるため、ユーザーが求める商品について精度の高いデータを、取得することは困難です。
DtoCは、ユーザーの声を真摯に聞いた上で商品開発をして、自社で販売ごと行うため、ユーザーから受けた評価が自社にとって精度の高い貴重なデータとして、今後の商品開発に大いに活用できます。
DtoCのデメリット
DtoCのデメリットは、以下の5つあげられます。
- コストがかかる
- 認知度アップに時間がかかる
- 不良在庫リスクがある
- 生産管理が難しい
- 人材育成の品質が求められる
コストがかかる
DtoCは、コストがかかる販売方式です。
製造や企画においては、各々の請け負う場所、設備、人材などが必要となり、商品力が勝負のため、それなりの開発期間も必要です。
マーケティング戦略においても同様で、DtoCは世間に認知されていない商品を世に送り出すため、既存商品を販売するよりも、一定のコストがかかることを覚悟しなければなりません。
認知度アップに時間がかかる
前述のように、DtoCは認知度アップに時間がかかります。
とくに、ものが溢れている現代の国内市場においては「1回も使ったことのない商品」を世に認知させることは至難の技です。
商品によっては、開発から1~2年では認知度がアップしないことも珍しくないため、DtoCに取り組む場合は、初期投資回収までの期間を長めにみて事業計画を練りましょう。
不良在庫リスクがある
DtoCは、不良在庫を抱えるリスクもあります。
自社製造が原則のDtoCでは、販売戦略が事前の計画と狂ってしまった場合、製造した商品が不良在庫になる可能性があります。
DtoCの不良在庫リスクを極限まで回避するには、一度に大量に生産せず、売れ行きをみながら小ロット単位で生産を繰り返していきましょう。
生産管理が難しい
DtoCは、生産管理の難しさも念頭に置く必要があります。
他社の既存商品を購買して販売する場合は、自社で生産管理する手間とコストが削減できますが、自社で商品の企画や製造ごと行うDtoCでは、生産管理も重要な任務です。
さらに、DtoCは商品の品質ありきのビジネスモデルのため、ユーザーに満足しつづけてもらう品質を維持するための生産管理体制を築くことは、かんたんではありません。
DtoCで安定的に売上を叩きだすには、販売やプロモーションだけに注力するのでなく、品質を保持するための生産管理にコストと人材を割くことも忘れないようにしましょう。
人材育成の品質が求められる
DtoCは、人材育成の品質も求められます。
すでに多くの人に認知されている他社の既存商品を販売する場合は、価格などの条件さえ合致すれば購入を決断してくれる確率が高いため、いわば販売にたずさわる人材の質は二の次です。
しかし、DtoCは、世間に認知されていない商品の取り扱いが前提であることから、商品の企画、製造、販売など、すべてにおける人材の質が問われます。
良質な人材を確保するには、スタッフ本人の資質もありますが、社内の教育体制も重要です。
そのため、DtoCビジネスを成功させるには、人材育成の品質も除外できないことを念頭に入れておく必要があるでしょう。
DtoCブランドの成功事例【業種別】
ここでは、DtoCブランドの成功事例を、以下の業種別にご紹介いたします。
- アパレル
- 化粧品
- 食品
- 健康食品
アパレル
アパレル向け、DtoCブランドの成功事例を3社ご紹介していきます。
- COHINA(コヒナ)
- FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)
- ALL YOURS(オールユアーズ)
COHINA
出典:COHINA
COHINA(コヒナ)は、身長140cm以下~150cm前後の小柄な女性のために考えられたレディースアパレルブランドです。
レディースの規格外サイズファッションといえば、長身向き、ふくよか向きのものは数多く存在しますが、小柄向きブランドはアパレル業界でもかなりのニッチ層です。
COHINAは「身長が低いから仕方ない服」ではなく「身長が低いからこそ似合う服」を作りだし、世の小柄女性の声に寄り添った商品を提供しています。
FABRIC TOKYO
出典:FABRIC TOKYO
FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)は、オーダーメイドのシャツやスーツをオンラインで注文できるオーダーメイド専門のアパレルブランドです。
実店舗で担当者が正確な計測を行い、サイズデータを保存し、ネットで注文できる独自のシステムが構築されています。
オーダーメイドのシャツやスーツは、ネット販売が難しいジャンルでしたが、FABRIC TOKYOはオーダーメイドの常識を覆すビジネスモデルを成功させています。
ALL YOURS
出典:ALL YOURS
ALL YOURS(オールユアーズ)は、日常で快適に着られる服を提供するアパレルブランドです。
ALL YOURSの商品は、インターネットワーク時代にあわせた、おしゃれで気取った服でなく、とにかく着ている人が快適に、着心地のよさを重視した「Unfashion」がコンセプトです。
ECサイト内に出品されている商品は、ベーシックでありながら、伸縮性や型崩れのしにくさなど、細部まで機能性にこだわって生産されています。
化粧品
化粧品向け、DtoCブランドの成功事例を3社ご紹介していきます。
- ORBIS(オルビスユー)
- BOTANIST(ボタニスト)
- BULK HOMME(バルクオム)
ORBIS
出典:ORBIS
ORBIS(オルビスユー)は、大手化粧品会社ポーラが2018年にリブランディングしたコスメブランドです。
「細胞の自活を促す」をコンセプトに、従来にないコスメを世に売り出す開発力は、訪問販売チャネルでDtoCをおこなってきた老舗化粧品会社ならではの技です。
化粧品業界に「オイルカット」を浸透させた戦略が、30代の敏感肌女性のマーケットに見事にマッチし「顧客満足度No.1コスメ」の称号を取得しています。
BOTANIST
出典:BOTANIST
BOTANIST(ボタニスト)は、オーガニックヘアケア商品を中心に展開するコスメブランドです。
マーケティングや化粧品業界の経験者不在で事業をスタートしたBOTANISTは、ヘアケア商品では売れにくいといわれていた「1,000円~1,500円」の中価格帯の商品を中心に展開しました。
2015年より事業を開始したBOTANISTは、順調に業績を伸ばし、2020年8月に上場しています。
現在は、日本だけでなく、台湾を始めとする海外市場にも参入し、積極的に事業を拡大しています。
BULK HOMME
出典:BULK HOMME
BULK HOMME(バルクオム)は「メンズスキンケアブランド世界シェアNO.1」をビジョンに掲げ、急成長しているメンズ専門のスキンケアブランドです。
メンズコスメは、大手化粧品会社も本格参入を狙っている市場ですが、メンズ専門コスメブランドはまだまだ数少ないのが実状です。
BULK HOMMEは「世界中の男性が適性に年齢を重ねられる」をコンセプトに、男性ならではの肌悩みや、肌質にあわせた商品を世に送り出しています。
食品
食品向け、DtoCブランドの成功事例を3社ご紹介していきます。
- Oisix(オイシックス)
- 寝かせ玄米
- BROUWN SUGAR FIRST(ブラウンシュガーファースト)
Oisix
出典:Oisix
Oisix(オイシックス)は、自宅で美味しく、健康によい食事を届ける食品宅配サービスです。
Oisixがユーザーに提供する価値は「美味しさ」だけでなく、化学調味料不使用など「安心、安全」のこだわった食事を難しい調理不要で手軽に摂れるところです。
献立を考える手間も削減できることから、共働き世帯や単身者を中心に多くのファンを獲得しています。
寝かせ玄米
出典:寝かせ玄米
寝かせ玄米は、栄養たっぷりの玄米を独自製法の圧力釜で炊いてから、無菌化包装で商品化している食品ブランドです。
発売当初は『高額な無菌化包装玄米など売れないのでは?』という声もありましたが、SNSを使ったプロモーション成果もあり、現在では健康志向のユーザーに見事にマッチしています。
「世界を健康にする」という企業コンセプト通り、今後は玄米のよさを世界市場にも広める予定とのことです。
BROUWN SUGAR FIRST
BROUWN SUGAR FIRST(ブラウンシュガーファースト)は『わが子に食べさせたいかどうか?』を基準に考案された、オーガニックブランドです。
エキストラバージンココナッツオイルを始めとするBROUWN SUGAR FIRSTの商品は、代表の荻野氏が妥協なく、こだわりを重ねて厳選された材料で製造しています。
コスメは動物性原料、鉱物油、石油系界面活性剤、シリコン、パラベン、合成香料、合成着色料などは一切不使用とし、ヴィーガンをもっと身近に感じられるような商品を世に送り出しています。
健康食品
健康食品向け、DtoCブランドの成功事例を2社ご紹介していきます。
- FUJIMI(フジミ)
- Sui+(スイ)
FUJIMI
出典:FUJIMI
FUJIMI(フジミ)は、オリジナル分析を元に個々のユーザーにあった商品を届けるカスタマイズ専門のヘルスケアブランドです。
現段階ではサプリ、マスク、プロテインの3アイテムに絞り、Webサイト内で20問ほどの肌診断から美容分析を受け、その方にあわせたこだわりの商品を提供しています。
2021年2月以降は、ポーラ・オルビスユーの完全子会社となり、FUJIMIブランドの名が一層世に知られることになります。
Sui+スイ
出典:Sui+
Sui+(スイ)は、東大病院出身の内科医・皮膚科医達が集まって立ち上げたメディカルブランドです。
現段階では、ヘルスケア、睡眠、アンチエイジングケアの3種類のサプリメントとスカルプシャンプーの4アイテムを中心に展開しています。
Sui+の商品ラインナップは、すべて日本最高峰の大学病院出身の医師ならではのこだわりと目線が反映されており、彼らの独自コネクションでもある提携のクリニックと連携したケアも行っています。
DtoCで成功するために抑えておきたいポイント
DtoCビジネスで成功するために抑えておきたいポイントは、以下の3つです。
- SNS・動画を積極的に活用
- 商品の品質を重視
- 販売より顧客体験を重視する
SNS・動画を積極的に活用
DtoCでは、SNS・動画を積極的に活用することです。
「顧客の声を元に製品開発をする」ことがDtoCの大きな特徴であるため、企業と消費者の距離を近づけるための最たる手段がSNSや動画での発信となります。
ユーザーの「こんな商品あったらいいな」「他社のこの商品を使ってみた感想」「開発者のこだわり」など、SNSを使って顧客と密にコミュニケーションを取ることで、顧客の声を広い、明日の商品開発にいかしていくのです。
商品の品質を重視
DtoCビジネスで最も外すべきでない点は、何よりも商品の品質を重視することです。
冒頭で述べましたように、DtoCは発祥国のアメリカと、日本ではユーザーが販売者に求めるニーズに開きがあります。
日本市場でDtoCビジネスを成功させるには、多少価格が高くても、高品質な商品を求められる傾向にあります。
初期段階は少し原価が高く付いたとしても、開発時に商品の品質を落とす恐れのある要素は、できる限り外しましょう。
販売より顧客体験を重視する
DtoCで成功するために最も重要なポイントは、商品自体を「販売」しようとするよりも「顧客体験」を重視することです。
そもそもDtoCはBtoCのように、第三者が製造し、すでに世の中に認知されたものを販売するビジネスモデルではありません。
DtoCでは、まだ見たことも触れたこともない商品の方が受け入れられやすい傾向にありますので、ユーザーには「今まで経験したことのない価値」を提供しなければなりません。
まだ世に認知されていない商品の購入に踏み切ってもらうには、商品そのものを販売しようとせず、ユーザーに「楽しい」「ワクワクする」といったエキサイティングな顧客体験を提供するようにしましょう。
まとめ
今回は話題のビジネスモデルDtoCについて、BtoCとの違いなどの基礎知識~メリット・デメリット、成功のポイントなど、さまざまな角度からお話させて頂きました。
DtoCは、別名「D2C」とも呼ばれる「Direct(直接)to Consumer(消費者)」の略称で、 メーカーや問屋などの中間業者を介さずに、消費者に直接販売するビジネスモデルのことです。
DtoCは、アメリカ発祥のビジネスモデルですが、アメリカと日本のDtoCでは特徴がことなります。
日本のDtoCの特徴は、以下の3つです。
- 価格は高めで品質が高い
- 小規模ビジネスが多い
- 企業と消費者の距離が近い
DtoCは、しばしば「BtoC」と混同されますが、両者の違いは次のようになります。
- BtoC:メーカー・問屋などから商品を仕入れて消費者に販売
- DtoC:メーカー・問屋などの中間業者を介さず消費者に直販
DtoCの市場規模は2020年度で約2兆2千億円、今後2025年までには約3兆円規模にまで膨らんでいくと予想されています。
DtoCは、多くの大企業も参入を検討するほど注目を集めています。
注目を集める理由は、以下の4つです。
- 消費者ニーズの多様化
- SNSの普及
- サブスクリプションの台頭
- ECモールのシェア拡大
DtoCのメリットやデメリットは、それぞれ以下の5つです。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
メリット | デメリット |
---|---|
・利益率アップ ・価格競争に巻き込まれにくい ・自由なマーケティング戦略が打てる ・自社のブランディングが確立できる ・精度の高い顧客データが収集できる |
・コストがかかる ・認知度アップに時間がかかる ・不良在庫リスクがある ・生産管理が難しい ・人材育成の品質が求められる |
DtoCで成功するために抑えておきたいポイントは、以下の3つです。
- SNS・動画を積極的に活用
- 商品の品質を重視
- 販売より顧客体験を重視する
DtoCは、今後の日本のEC・物販市場において、ますます主流になってくると予想されるビジネスモデルです。
利益率など、ビジネスメリットの大きいDtoCですが、デメリットや成功するためのポイントもきちんと踏まえ、慎重に参入を検討するようにしましょう。
まずは無料でご相談ください。
お問い合わせ・ご相談や、公開後の修正依頼などに関しては、いずれかの方法にてお問い合わせください。
※年末年始・土日祝は定休日となります
※受付時間 9:00~17:30