メルマガの最適な配信頻度の考え方【BtoBとBtoCの違い】
メルマガの配信頻度は、メールマガジンの配信を行う上で必ず確認するべき内容です。
メールマガジンの配信を始めたばかりであれば、以下のような疑問が生じると思います。
『メルマガのベストな配信頻度は?』
『どうやって配信頻度を決めるの?』
メルマガの最適な配信頻度は、BtoB(企業間同士)とBtoC(企業から一般消費者)でことなります。
今回のコラム記事では、メールマガジンの配信を始めたばかり、これから始めようとしているメルマガ担当者様に向けて、メルマガの配信頻度に関して説明するだけでなく、最適な配信頻度の見つけ方についても解説を行います。
メルマガの一般的な配信頻度
SmartrMailによる調査にて、メルマガの配信頻度に関するデータが報告されています。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
配信頻度(1か月あたり) | 割合 |
---|---|
1通未満 | 10%未満 |
1通〜2通 | 約30% |
3通〜4通 | 約25% |
5通〜8通 | 約20% |
9通〜16通 | 約10% |
17通以上 | 5%未満 |
※参考:Email Marketing Frequency Best Practices in 2020
なお、上記の調査では、配信頻度とメルマガの開封率、クリック率に関しても報告されています。
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配信頻度(1か月あたり) | 開封率 | クリック率 |
---|---|---|
4通未満 | 約20% | 約1.5% |
4通〜8通 | 約25% | 約3.7% |
9通〜16通 | 約20% | 約3.1% |
17通〜28通 | 約15% | 約1.3% |
※参考:Email Marketing Frequency Best Practices in 2020
上記のデータから最適なメルマガの配信頻度の特徴を考えた場合、以下のポイントが浮き上がってきます。
- 月に4通〜8通送る場合、開封率やクリック率共に最もよい数値だった
- 月に9通以上送る場合は、開封率やクリック率共に下がる傾向にある
つまり、メルマガの配信頻度は、週に1回から2回が開封率やクリック率の面で最適であると読み取ることができます。
ただし、この配信頻度は一般的なデータであり、以下のようにBtoB(企業間同士)とBtoC(企業から一般消費者)などのビジネス領域によって最適な配信頻度がことなる点には注意が必要です。
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ビジネス領域 | 適した配信頻度 |
---|---|
ニュース、報道 | ・毎日 →日々新しい情報が発生するため、毎日の情報発信を読者は求めている |
小売(食料品、日用品、ファッション) | ・週に1回以上 →スーパーや薬局の特売情報、新商品の入荷などの情報 |
耐久消費財(車、家電メーカー)、BtoB | ・月に1回〜2回 →購入頻度が低いため、メルマガの配信頻度も抑える |
配信頻度が少ないメリット
配信頻度が少ないメルマガは、コンテンツを作り込む時間的な余裕があるというメリットがあります。
特にBtoB向けのメルマガであれば、月に1回程度の配信でも十分な効果が見込めるため、コンテンツを作り込みやすい業種だといえます。
前述したSmartrMailの調査結果でも、配信頻度が低いほうが販売に至ったコンバージョン率(販売数÷クリック数)は高かったというデータが示されています。
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配信頻度(1か月あたり) | コンバージョン率 |
---|---|
4通未満 | 3% |
4通〜8通 | 2% |
9通〜16通 | 2% |
17通〜28通 | 1% |
※参考:Email Marketing Frequency Best Practices in 2020
たとえば、質の高いホワイトペーパー、ユーザーインタビュー動画、統計データを用いた分析レポートといったコンテンツを準備し、毎月のメルマガで告知することにより、資料請求や問い合わせにつなげることができるでしょう。
『A社のメルマガは配信頻度が少ないが、作り込まれたコンテンツが送られてくる』このような意識の刷り込みをメルマガ読者にすることができれば、月に1回のメルマガ配信であっても十分に効果が見込めるでしょう。
さらに、見込み客がいる企業内でメルマガのコンテンツの共有が行われることにより、企業内での認知度が上がり、別の担当者からの発注にもつながりやすくなるという効果も期待できます。
そのため、見込み先の企業内の担当者間で共有される程に作り込まれたコンテンツをメルマガで告知するという施策は有効であるといえます。
配信頻度が少ないデメリット
BtoBの場合は、報道関係の業界とは異なり、毎日のメルマガ配信は求められていません。
しかし、配信数があまりにも少ない場合は、ユーザーに忘れられてしまうデメリットがあります。
また、配信頻度が少ないということは、メルマガ経由のコンバージョン数も少なくなる傾向があるため『メルマガの配信頻度は、少ないほうがよい』とは言い切れません。
接触頻度を上げたい場合は、月に1回作り込まれたコンテンツが送られてくるメルマガとは別に、号外メールとしてセミナーやキャンペーンの案内を送ることにより、接触頻度を上げながらコンバージョンの獲得にもつなげることができます。
コンテンツ作成の労力をかけずに接触頻度を上げたい場合は、過去に実施したウェビナーの再配信、公開済みのホワイトペーパーの再紹介といった、過去のコンテンツを上手に再利用しながら接触頻度を上げるとよいでしょう。
配信頻度が多いメリット
配信頻度の高いメールマガジンのメリットは、顧客との接触頻度が高まるという点です。
月に1回メールマガジンを送るよりも月に4回送るほうが、資料請求や問い合わせといったコンバージョンにつながりやすいため、接触頻度を増やす余裕があるなら増やしたほうがよいでしょう。
また、メールマガジンの配信頻度を上げることにより、読者がメールマガジンを情報源として頼りにしてくれるというメリットがあります。
特に、日々新しい情報がアップされる報道関係の業界であれば、ニュースダイジェストを毎朝メルマガで配信することにより、読者がメルマガを読むことで情報を仕入れる習慣をもつようになるでしょう。
さらに、メールマガジンの配信頻度を上げることにより、単純接触効果(ある刺激に触れれば触れるほど好きになる現象)で読者との距離が縮まることが期待できます。
そのため、メールマガジンの配信頻度を増やすことによって、読者はメルマガに情報提供を頼りにするだけでなく、メルマガやその企業に対して親近感をもつようになるため、最終的なコンバージョンにもよい影響が期待できます。
配信頻度が多いデメリット
配信頻度の高いメルマガのデメリットとして、メールマガジンの制作にコストがかかるという点と、メールマガジンの配信解除が増えるという点が挙げられます。
業界や業種により、メールマガジンの最適な配信頻度はことなります。
報道関係のように、日々新しいニュースがアップされるなら毎日メールマガジンを配信してもネタ切れが起きる心配がないだけでなく、読者も毎日ニュースが届くことを期待しています。
一方、BtoBや車、家電などのメーカーといったビジネス領域では、毎日メールマガジンを送ろうとしてもネタ切れが起きる可能性があるだけでなく、読者も毎日といった高い頻度での配信を求めていないことが予測されます。
このように、メールマガジンの配信頻度を考える上で、自社がメールマガジン制作にどの程度のコストをかけることができるのかという点は重要です。
また、読者がメールマガジンの配信頻度に関して、どの程度までなら解除せずに読んでもらえるのかという点も忘れてはいけません。
メールマガジンの解除数や解除率に関しては、メルマガの配信頻度だけでなくコンテンツの質も重要な判断要素となるため、総合的に適切な配信頻度に関して検討を行うことが重要です。
最適な配信頻度の見つけ方
メールマガジンの配信頻度を考える上で、さまざまな切り口で検討することをおすすめします。
一般的な配信頻度といっても、業界や業種だけでなくメルマガ配信の目的によっても最適な配信頻度がことなります。
そのため「新商品やキャンペーン告知を目的としてメルマガを配信するのか」または「顧客との長期的な関係性の構築を目的として配信するのか」を決める必要があります。
また、メルマガの配信頻度を考える上で、競合他社のメルマガを参考にすることも有効です。
すでにメールマガジンを配信している競合の配信頻度やコンテンツを研究することにより、自社のメルマガ作成に反映することができるでしょう。
その他にも、読者にアンケートを行って情報収集することや、ABテストを行ってメルマガの頻度やコンテンツの検証を行うことも最適なメルマガの配信頻度をみつける上で役に立ちます。
メルマガの最適な配信頻度に関して、くわしく解説していきます。
一般的な配信頻度から決める
メールマガジンの最適な配信頻度は、業界や業種だけでなくメルマガを配信する目的によってもことなります。
新商品やキャンペーンのお知らせを目的とする場合の例として、ECサイトのケースを用いて説明します。
「ECサイトに数多くの商品が掲載されており、新商品やキャンペーンの告知を目的としてメルマガの配信を行う」のであれば、メルマガの配信頻度は多くても問題ありません。
毎日、商品の追加が行われているような規模の大きいECサイトの場合は、週に1回〜2回を目安にメルマガを配信し、コンバージョン率などの顧客の反応をデータで確認することをおすすめします。
「新商品の追加の頻度がそれほど多くない」場合は、月に2回〜3回を目安に新商品やキャンペーンの案内を送ることから始めることをおすすめします。
なお「顧客との関係性の強化が目的」の場合は、メルマガの配信頻度の考え方がことなります。
新商品やキャンペーンの告知といった短期的な販売促進が目的ではなく、BtoBの商材のように2年後や3年後に必要になった際に、顧客から問い合わせが来るような関係性をメルマガで作り上げる必要があります。
そのために重要なポイントは、月に1回でもよいので質の高いメールマガジンを定期的に送り続けることです。
メルマガを受け取った顧客が勤務先で同僚に紹介したり、別ファイルとして保存したくなるような質の高いコンテンツが理想的です。
単なる商品紹介だけではなく、顧客の悩みを解決するようなコンテンツを作り続ける必要があります。
『A社のメルマガは、月に1回、役に立つコンテンツが届く』このようなイメージをメルマガの読者にインプットできれば、セミナー案内や商品紹介のメールを送った際にも、よい影響が期待できます。
そのため「顧客との関係性の構築を目的」とする場合は、月に1回でもよいので顧客の役に立つコンテンツを送ることを心がけるとよいでしょう。
競合他社のメルマガを調べる
メールマガジンの配信頻度を検討する上で、競合他社のメルマガの配信頻度を調べることをおすすめします。
すでに競合他社がメルマガを配信している場合は、顧客は競合のメールマガジンを購読している可能性があります。
そのため、競合他社のメールマガジンの配信頻度とコンテンツの質が、メルマガの配信頻度を検討する上での参考指標となります。
メールマガジンの内容は、新商品やキャンペーンの告知、セミナー案内が主体となっているのか、もしくは長期的な顧客との関係性の強化を目的としたメールマガジンになっているのか、競合他社のメールマガジンの内容と配信頻度を研究し、自社の配信頻度やコンテンツの参考にするとよいでしょう。
また、資料請求やセミナーに参加したあとの電話フォローがあるかどうか、あるなら翌日に電話がかかってくるかなど、メールマガジンから獲得したコンバージョンをどのように営業にいかしているかという点に関しても、競合他社のメルマガで研究することをおすすめします。
読者にアンケートを行う
メールマガジンの読者向けにアンケートを行い、配信頻度だけでなくマーケティングに必要な情報を収集することも有効です。
メール配信システムによっては、アンケート回答者の属性情報をアンケート回答と結びつけることができます。
メルマガ読者の属性情報とアンケート内容を掛け合わせて分析することにより「メルマガ登録から半年以内の読者は配信頻度を増やしてほしいという意見が多いが、3年以上経過した読者では配信頻度が現状のままでよいという回答が多い」といった分析が可能となります。
このような場合は、メルマガ登録半年以内の読者向けに、ステップメールを設定し定例配信とは別のメールを送ることにより、メルマガの配信頻度を増やしてほしい顧客に限定して最適な頻度でメルマガを送ることができます。
また、アンケートでメルマガの配信頻度だけでなく、コンテンツの中身に関しても質問することにより、顧客がどのような内容を知りたいのかが明確になります。
さらに、アンケートを年に1回など定期的に行うことにより、過去のアンケート結果と比較してデータの推移を分析することも可能となるため、メールマガジンの改善に一層役立てることが可能になります。
配信テストをする
ABテストを行い、最適なメルマガの配信頻度を探ることも有効です。
たとえば、メールマガジンの購読解除率が上がっている場合、メールマガジンの頻度が多すぎるのか、コンテンツの中身がよくないのかわからなければ、改善することができません。
また、開封率やクリック率が悪い状態が続いている場合も、原因を突き止めない限り有効な改善策を講じることは難しいでしょう。
このような場合は、ABテストを行い同じコンテンツで配信頻度を変えて送ることをおすすめします。
配信頻度の高いAグループと、配信頻度の低いBグループで比較し、配信頻度の高いAグループのほうが資料請求などのコンバージョン率が高かった場合は、メルマガの配信頻度を上げたほうがより効果的なメルマガ配信を行うことができると判断することができます。
また、配信頻度は同じでもコンテンツの中身を変えて配信することにより、どのようなコンテンツが読者に好まれるのかについて分析することができます。
メールマガジンのコンテンツを2パターン作成するのは労力がかかるため、件名を変えるだけで開封率やクリック率が改善するケースはよくあります。
開封率やクリック率が改善した件名に載っていたテーマや単語は、メルマガの読者に響くものであることが読み取れるため、今後のメールマガジンを作成する上で重要なデータとなるでしょう。
メルマガの配信頻度を変える場合の注意点
メールマガジンの配信を継続していくうちに、自社のメルマガの開封率、クリック率、コンバージョン率といった数値の平均値がわかるようになります。
通常よりもこれらの数値が悪い結果になれば、件名やコンテンツの変更だけでなく、配信頻度の変更も必要なケースがあります。
たとえば、絶対的なコンバージョン数を増やしたい場合は、配信頻度を上げることは有効です。
メールマガジンの中にコンバージョンを促す訴求を入れておけば、一定割合でコンバージョンを獲得することができます。
そのため、メールマガジンの配信頻度を増やすだけで、コンバージョン数を増やすことが可能になります。
また、開封率を改善したい場合は、件名の変更がまず考えられますが、配信頻度に関してもABテストを行い開封率の改善がみられるか分析するとよいでしょう。
メールマガジンの配信解除率を改善したい場合に関しても、配信頻度を下げた場合と変えない場合とでABテストを行い、検証を行うことをおすすめします。
メルマガの配信頻度に正解はありません。
開封率、クリック率、コンバージョン率といった様々なデータを確認しながら、最適なメルマガの配信頻度に関して試行錯誤を行うことが重要です。
メルマガの配信頻度を決める場合の注意点
メルマガの配信頻度を上げる場合は、以下の点を確認しながら配信頻度を決めることをおすすめします。
- メルマガの配信停止率が上昇していないか
- メルマガの配信頻度を上げた直後はクリック率などが上昇するケースが多いが、2か月〜3か月経過したあとに、数値が悪化しないか
- ステップメールで自動配信されるメールも含めて、送りすぎていないか
メールマガジンの配信頻度を上げることにより、開封率の向上、コンバージョン数の増加といった効果を期待することができます。
しかし、配信頻度が多すぎるとメールマガジンの解除率が上昇する、開封率が下がるといった悪影響が出てくるため、メールマガジンの配信データを確認しながら、最適な配信頻度を検討するとよいでしょう。
一方、メールマガジンの作成に十分な時間をかけることができない場合は、メールマガジンの配信頻度を下げることも検討しなければなりません。
メルマガの配信頻度を下げる場合は、以下の点に注意しながら配信頻度を決めるとよいでしょう。
- 配信頻度を下げたあとの効果測定は、2か月から3か月様子をみる
- 最低でも月に1回はメールマガジンを配信する
メールマガジンの配信頻度を下げたとしても、月に1回はメールマガジンを送ることをおすすめします。
毎月のコンテンツ作成の時間すら確保できない場合は、セミナー案内や過去コンテンツの再利用など、労力をかけずに作成できるコンテンツでも構いません。
メルマガには、送り続けることにより自社の認知や関心が高まるというメリットがあります。
そのためには、最低でも月に1回はメールマガジンを送らなければ、顧客はメルマガが届いていることすら忘れてしまう可能性があるため注意が必要です。
まとめ
今回は、メルマガの配信頻度に関して解説を行い、最適な配信頻度の見つけ方について、くわしく説明を行いました。
メルマガの配信頻度を決める上で重要なポイントは、以下の通りです。
- BtoCやBtoBなど、ビジネス領域によって最適な配信頻度はことなる
- 配信頻度が多い場合と少ない場合とでは、それぞれメリット・デメリットがある
- メルマガの配信頻度を決める上で、メールマガジンの目的を明確にする必要がある
- メールマガジンの配信頻度を決めたあとは、データ分析を行い検証する
メールマガジンを最適な頻度で送ることにより、クリック率やコンバージョン率といった数値によい影響を及ぼすことが期待できます。
さまざまなデータを元に試行錯誤を行い、メールマガジンの配信頻度を決めることが重要となるため、本コラム記事を参考にして取り組んでみてください。
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