入力フォーム最適化(EFO)の方法10選【フォームの成功事例も紹介】
ホームページでは、売上や問い合わせ数を増加させるために、入力フォーム最適化(EFO)が必要になります。
ユーザーが直感的に操作できる入力フォームは、コンバージョン率向上に直結します。
しかし、入力フォームを最適化する上で、
『入力フォームの離脱率が高い』
『離脱率が高い原因が特定できない』
『入力フォームの最適化方法が知りたい』
上記のようなお悩みはないでしょうか?
本コラム記事では、ホームページ担当者様へ向けて「離脱が多い入力フォームの特徴」「入力フォームの最適化方法10選」「入力フォーム最適化の成功事例」を紹介しています。
入力フォーム最適化(EFO)とは
入力フォーム最適化(EFO)とは「Entry Form Optimization」の略で、入力フォームの完了率を向上させるための施策です。
入力フォームの最小化や自動入力機能などを実装して、ユーザーにとって使いやすい入力フォームに最適化していきます。
入力フォーム最適化を最優先で実施すべき理由
ホームページでは、入力フォーム最適化を最優先で実施しなくてはいけません。
その理由を2つ紹介します。
売上や問い合わせ数に直結するため
入力フォーム最適化を最優先で実施すべき理由1つ目は、売上や問い合わせ数に直結するためです。
入力フォームは、コンバージョンを達成するための最後の砦です。
ある程度、ホームページへのアクセスが見込めている場合は、入力フォームでの離脱を最小限に減らすことが、コンバージョンを向上させる近道になります。
費用対効果の改善のため
入力フォーム最適化を最優先で実施すべき理由2つ目は、費用対効果の改善のためです。
ホームページ運用で、費用対効果を高める場合、集客施策から実装するのではなく、入力フォームを最優先で最適化する必要があります。
たとえば、入力フォームを最適化する前に、Web広告を出稿したとしましょう。
Web広告に多額の費用をかけて、ホームページに集客しても、入力フォームで離脱するユーザーが多いと費用対効果は悪くなります。
しかし「入力フォーム最適化」→「集客施策」の順番で対策すると、多くのユーザーを集客しても、フォームで離脱するユーザーを最小限にできるので、費用対効果が高くなります。
離脱が多い入力フォームの特徴
入力フォーム最適化を実施する前に、離脱が多い入力フォームの特徴を理解しましょう。
下記内容に当てはまるものがあれば、そこから改善を始めてください。
- 入力項目が多い
- 入力フォームのページが複数である
- 不要なリンクやバナーが多い
- セッションタイムアウトになりやすい
入力項目が多い
入力項目が多いとユーザーの離脱率は増加します。
株式会社WACULが実施した調査によると「入力フォームの項目数」と「フォーム通過率」には相関があることがわかっています。
入力項目を1つ減らすと、入力フォーム通過率は約2%向上するという結果も出ているので、入力項目は必要最低限にすべきといえるでしょう。
入力フォームのページが複数である
入力フォームのページが複数である場合も、ユーザーの離脱率は増加します。
ECサイトであれば「配送先入力フォーム」「決済入力フォーム」を分割していると、途中で離脱してしまうリスクが高くなるということです。
オリンピックグッズなどを販売する「Elastic Path社」では「複数のページ」と「単一ページ」どちらのコンバージョン率が高いかABテスト(※)を実施しました。
「サインイン」「配送先入力」「決済入力」「サンクスページ」の4つのページで構築された入力フォームよりも「単一ページ」のコンバージョン率が21.8%上回る結果となりました。
入力フォームが複数になっている場合は、単一ページへの統一も検討してみましょう。
※参考:A/B Test Case Study: Single Page vs. Multi-Step Checkout | Elastic Path
不要なリンクやバナーが多い
入力フォームに不要なリンクが多いと、ユーザーは離脱しやすくなります。
たとえば、ホームページの「フッター」「ヘッダー」には、メニューが設置されていますが、これらが入力フォームに表示されていると、離脱につながる可能性があります。
入力フォームでは、ユーザーが集中できるように、不要なリンクを排除した方がよいでしょう。
セッションタイムアウトになりやすい
セッションタイムアウトになりやすいと、フォームの離脱率は増加します。
セッションタイムアウトは、Webページを開いたまま特定の時間操作がないと、アクセスを遮断する機能で、セキュリティを保護する目的があります。
しかし、セッションタイムアウトまでの時間が短いと、ユーザーが回答を考えている間にアクセスが遮断されてしまい、離脱につながる可能性があります。
セッションタイムアウトの時間は、自社で設定できるのでGoogleアナリティクスの平均滞在時間データを参考にして、設定する対策が必要です。
入力フォームの最適化方法10選
入力フォームの最適化方法10選を紹介します。
下記内容を参考にして、コンバージョン率を向上させましょう。
- 入力フォームを最小化する
- 入力例(プレースホルダー)を記載する
- ラジオボタン・ドロップダウンを活用して入力の手間を軽減する
- 重複する入力フォームを削除する
- 自動入力機能を導入する
- ゴールを分かりやすくする
- 全角・半角の自動切り替え
- リアルタイムのエラー機能を導入する
- チャットボットの導入
- 離脱防止のポップアップを採用する
1.入力フォームを最小化する
入力フォームの最適化方法1つ目は、入力フォームの最小化です。
先ほどの「離脱が多い入力フォームの特徴」で紹介した通り、フォームの項目数が少ないほどコンバージョン率は向上するので、まずはフォームの最小化を実施しましょう。
削除する項目は、コンバージョンの目的によってことなります。
たとえば「問い合わせ獲得」が目的で、メールにて資料送付するのであれば 「郵便番号」や「住所」の項目は不要です。
まずは、自社にて最低限必要な項目を洗い出してみましょう。
2.入力例(プレースホルダー)を記載する
入力フォームの最適化方法2つ目は、入力例(プレースホルダー)の記載です。
入力例が表示されていると、ユーザーが情報を直感的に入力できるメリットがあります。
たとえば、電話番号を入力するときに、ハイフンが必要なのか判断できないと、入力に時間がかかってしまいます。
しかし、入力例に「0123-456-789」と記載があれば、ユーザーも迷わずに電話番号を入力できるということです。
3.ラジオボタン・ドロップダウンを活用して入力の手間を軽減する
入力フォームの最適化方法3つ目は「ラジオボタン」「ドロップダウン」の活用です。
ラジオボタンやドロップダウンをうまく活用すると、ユーザーの入力の手間を軽減できます。
目安として、選択肢が5~6個以下のときはラジオボタン、それ以上のときはドロップダウンを活用するとよいでしょう。
4.重複する入力フォームを削除する
出典:10 rules for making user-friendly web forms|Creative Bloq
入力フォームの最適化方法4つ目は、重複する入力フォームの削除です。
メールアドレスまたはパスワードを2回入力するなどの重複フォームは、ユーザーにストレスを与えるためオススメできません。
重複のフォームには、タイプミスを軽減する目的があります。
しかし、ほとんどのユーザーは一度入力したメールアドレスやパスワードをコピーして貼り付ける行動をするため、あまり意味のない施策です。
重複する入力フォームを採用している方は、削除を検討してみましょう。
5.自動入力機能を導入する
入力フォームの最適化方法5つ目は、自動入力機能の導入です。
自動入力機能を導入すると、ユーザーの負担が軽減されて、離脱を防ぐことができます。
自動入力機能には、主に下記2つの種類があります。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
種類 | 特徴 |
---|---|
自動補完機能 | 一度入力したことのある値を候補として自動表示する |
入力支援機能 | 郵便番号を入力すると住所が表示するなどの機能 |
自社にあった自動入力機能を導入し、入力フォームを最適化してみましょう。
6.ゴールを分かりやすくする
入力フォームの最適化方法6つ目は、ゴールを分かりやすくすることです。
企業によっては、入力フォームを最小化しようと思っても、難しいケースがあるはずです。
そういったときは「ゴールまでのステップを表示する」対策が有効です。
ゴールまでのステップが表示されていると、自分が今どこにいるのかを判断できるため、離脱率が軽減します。
入力フォームの項目数が多い企業は、ぜひ試してみましょう。
7.全角・半角の自動切り替え
入力フォームの最適化方法7つ目は、全角・半角の自動切り換えです。
メールアドレスは「半角入力」、「氏名」「問い合わせ内容」は全角入力など、別々の値を記入する場合、ユーザーが全角・半角の切り替えをしなくてはいけません。
しかし、自動切り換えを活用すると、項目に合わせて自動で全角・半角が切り替わるので、ユーザーの利便性向上につながります。
また、全角・半角の自動切り替えは、メールアドレスなどのタイプミスも軽減されるので、活用してみましょう。
8.リアルタイムのエラー機能を導入する
入力フォームの最適化方法8つ目は、リアルタイムのエラー機能です。
ユーザーがフォーム入力後にエラーを通知するのではなく、入力している段階でエラーを通知します。
そのため、ユーザーがフォームに戻って入力し直す手間が発生しないメリットがあります。
9.チャットボットの導入
入力フォームの最適化方法9つ目は、チャットボットの導入です。
チャットボットとは、入力フォームをチャット形式にする機能です。
チャット形式は入力がしやすく、親しみやすさを与えるため、入力時のストレス軽減につながります。
近年、チャットボットを導入する企業が増えており、従来のフォームに比べて、コンバージョン率が2倍以上になった事例も報告されています。
10.離脱防止のポップアップを採用する
入力フォーム最適化方法の最後は、離脱防止ポップアップの採用です。
入力フォーム画面でブラウザの「戻る」をクリックすると、ポップアップが表示される仕組みになっており、離脱を引き止める役割があります。
また、ユーザーがあやまって、ブラウザの「戻る」をクリックしてしまったケースでも、再度項目を入力しなくてよいのもメリットです。
さらに入力フォーム最適化を目指すにはEFOツールがおすすめ
自社でさらに入力フォーム最適化を目指すにはEFOツールがおすすめです。
EFOツールとは、入力フォームの離脱率分析やフォーム入力支援などの機能を搭載したツールです。
上記で紹介した「全角・半角の自動切り換え」「リアルタイムのエラー機能」などは「jQuery」での実装が必要なので、プログラミングスキルが必須となります。
しかし、EFOツールを活用すれば、これらの機能を簡単なタグ設置だけで実装できます。
実際に、EFOツールを活用した入力フォームの最適化手順をみていきましょう。
※上記リンクを選択すると移動(ジャンプ)できます
【STEP①】EFOツールを選定
はじめに、入力フォーム最適化のための「EFOツール」を選定します。
おすすめのツールは下記3つです。
フォームアシスト
出典:フォームアシスト
フォームアシストは、国内のツール導入実績が5,000件を超えるEFOツールです。
30種類以上のアシスト機能をタグ設置のみで、かんたんに実装できます。
ウェブ解析士の資格を保有したスタッフが、入力フォーム分析をサポートするサービスも展開しています。
料金は要問合せとなります。
EFO CUBE
出典:EFO CUBE
EFO CUBE(イーエフオー・キューブ)は、導入実績4,200以上のEFOツールです。
26種類の入力補助機能と、12種類のデータ解析機能を搭載しています。
EFO CUBEを導入して、6か月後に成果が出なければ、全額返金保証が受けられるのも特徴です。
料金は月額5万円(税込)からとなっています。
SiTest
出典:SiTest
SiTest(サイテスト)は、アジアでの導入数が60万サイトを超えるEFOツールです。
入力フォーム最適化だけではなく「ヒートマップ解析」「録画再生機能」「ポップアップ機能」なども搭載しています。
SiTestの料金は要問合せとなっていますが、無料トライアルを設けているので利用してみましょう。
【STEP②】データを収集する
EFOツールを導入したら、分析に必要なデータを集めます。
期間としては2週間~2か月を目安としてください。
データに関しては、Googleアナリティクスのデータも合わせて収集しておくと、より高度な分析が実現できます。
【STEP③】データを掘り下げて課題を発見する
次に、データを掘り下げて課題を発見していきます。
EFOツールによって分析できるデータはことなりますが、分析すべき代表的な指標は下記の通りです。
- フォームビュー数
- コンバージョン数
- コンバージョン率
- 平均コンバージョン時間
- フォーム離脱率
- 滞在時間
各指標は「スマートフォン」「パソコン」それぞれのデバイスごとに、分析するのがポイントです。
たとえば、スマートフォンの離脱率が高い場合は「入力項目が小さくてみにくい」「ボタンがタップしにくい」などの原因があるかもしれません。
こういった課題を各指標と照らしあわせながら、掘り下げていきましょう。
【STEP④】特定した課題に優先順位を付けて解決していく
最後に、特定した課題に優先順位を付けて解決していきます。
入力フォームの課題が複数みつかったのであれば、どの課題が離脱につながっているか考察して、優先順位をつけてください。
優先順位が高い課題から「改善前」「改善後」の入力フォームでABテストを実施して、改善後のパフォーマンスが高くなれば、それを採用します。
入力フォーム最適化は、この工程の繰り返しが重要だと覚えておきましょう。
入力フォーム最適化(EFO)の成功事例
最後に、入力フォーム最適化(EFO)の成功事例を紹介します。
下記内容を参考に、入力フォーム最適化を実装してみましょう。
Buffer(無料トライアル申し込みフォーム)
出典:Buffer
Bufferは、SNS投稿のスケジュール管理や分析を実施する海外製のツールです。
出典:Sign Up
無料トライアルを開始するには「Eメール」「パスワード」を入力して「私はロボットではありません」にチェックを入れるだけで完了します。
本コラムで紹介した「入力フォームの最小化」のお手本といってもよいでしょう。
出典:Sign Up
パスワードを入力する工程では「リアルタイムのエラー機能」が導入されているため、その場でエラーを確認できます。
Bufferの入力フォームは、ユーザーの利便性を最大限考慮したものだといえるでしょう。
Canva(有料アップグレードフォーム)
出典:Canva
Canva(キャンバ)は、チラシやアイキャッチなどが簡単に作成できるデザインツールです。
出典:Canva
有料プランへのアップグレードフォームでは、明確性を意識した最適化がされています。
無料トライアルはいつでもキャンセルできる、トライアルが終了するときにリマインドをする旨、トライアル終了期間の提示などを伝えています。
ユーザーが、無料トライアルの申し込むときに、一番不安になるのが『知らない間に課金されないか』という点です。
この不安を取り除くための最適化がうまく実装されているので、有料アップグレードフォーム最適化の参考になります。
まとめ
入力フォーム最適化(EFO)の方法10選を紹介しました。
入力フォーム最適化を最優先で実施すべき理由は下記の通りです。
- 売上や問い合わせ数に直結するため
- 費用対効果改善のため
入力フォームの最適化方法は下記の通りです。
- 入力フォームを最小化する
- 入力例(プレースホルダー)を記載する
- ラジオボタン・ドロップダウンを活用して入力の手間を軽減する
- 重複する入力フォームを削除する
- 自動入力機能を導入する
- ゴールを分かりやすくする
- 全角・半角の自動切り替え
- リアルタイムのエラー機能を導入する
- チャットボットの導入
- 離脱防止のポップアップを採用する
今回のコラム記事を参考にして、フォームの入力完了率を高めましょう。
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