カゴ落ちとは?ユーザーが購入を止める原因・EC担当者が行うべき10の改善対策
『カゴ落ちする原因って?改善方法は?』
『カゴ落ちの平均値はいくつぐらい?』
ECサイトの売上を伸ばす上で欠かせない対策の一つが「カゴ落ち」です。
カゴ落ちは、ユーザーがカートに商品を入れたものの、購入にいたらず、ECサイトから離脱してしまうことを指します。
なぜユーザーは興味をもっていたはずの商品を、購入せずにECサイトから離脱してしまうのでしょうか。
今回は、ECサイト運営者が必ず知っておくべき「カゴ落ち」について、基礎知識~ユーザーが購入を止める原因、カゴ落ちに関する10の改善対策まで徹底解説いたします。
カゴ落ちとは?定義・意味をおさらい
カゴ落ちとは、別名「カート破棄」とも呼ばれ、ECサイトで買い物をするユーザーが、カートに商品を入れたにも関わらず、購入手続きせずにECサイトから離脱してしまうことです。
一般的に、ECサイトで買物をするユーザーが「カートに商品を入れた」ということは「商品に興味があった」あるいは「商品を購入する意志があった」ことになります。
ユーザーが自社の商品に興味をもっていた、購入する意志があったにも関わらず、購入手続きにいたらず、ECサイトを離脱するには、何らかの原因があることは間違いありません。
つまり、ECサイトの事業者にとってカゴ落ちの原因を探り、改善することは、自社ECサイトの売上を伸ばす上で欠かせない要素となるのです。
越境EC事業者必見!カゴ落ちの英語表現
カゴ落ちは英語で「カート破棄」を意味する「Cart Abandonment」あるいは「Abandoned Cart」と表現します。
Googleの翻訳サイトなどを使って「カゴ落ち」を訳そうとすると「Dropped Basket」と表示されますので、注意が必要です。
Dropped Basketは、リアルな場面でバスケット(かご)から物が落ちた場合に使われるため、ECサイトの「カゴ落ち」を表現する上で適切ではありません。
Abandoned Cartの「Abandon」とは破棄する、放棄する過去形の表現であり、英語ではECサイトのカゴ落ちを「カート破棄」と表現します。
海外ECプラットフォームの多くは英語での操作が主流になっており、Abandoned Cartは日常的に登場してくる英語表現です。
とくに英語圏を拠点とするECプラットフォームの多くは、Abandoned Cart Email(カゴ落ちメール)機能を始めとするカゴ落ちツールが充実しています。
Abandoned Cartは、今から越境EC事業を拡大させていきたいEC担当者にとって、必ず覚えておくべき英語表現といえるでしょう。
カゴ落ち率の平均・計算方法
アメリカの企業であるBaymard Instituteの調査資料によりますと、世界のカゴ落ち率の平均は69.8%とのことです。
一方、株式会社イーエージェンシーの調査結果によると、日本のカゴ落ち率の平均は約68.2%と、世界のカゴ落ち率とほぼ酷似した割合です。
同じく「カゴ落ち」の商標登録をもつ株式会社イーエージェンシーの調査結果では、ECサイトのカゴ落ちによる販売機会損失額が、ざっと売上額の2.5倍であると発表しています。
売上の約2.5倍の販売機会損失とは、たとえば月商500万円のECサイトなら1,250万円の見込み売上を損失していることになります。
ECサイトの売上を伸ばす上で、カゴ落ちの対策がいかに重要であるか、認識せざるを得ません。
カゴ落ち率の計算方法とは?
カゴ落ち率の計算方法は非常にシンプルで、まずは「カゴ落ち数」を算出します。
カゴ落ち数とは、以下のように商品をカートに入れた人数から、実際に商品を購入した人数を差し引くだけです。
「カゴ落ち数 = 商品をカートに入れた人数 - 実際に商品を購入した人数」
次に「カゴ落ち率」を算出するには、上記の「カゴ落ち数」から商品をカートに入れた人数を割って、100を掛けた数値となります。
「カゴ落ち率 = カゴ落ち数 ÷ 商品をカートに入れた人数 × 100」
たとえば、商品をカートに入れた人数が100人で、実際に商品を購入した人数が30人とすると、カゴ落ち数は70になります。
商品をカートに入れた人数が100人で「70÷100×100」なので、カゴ落ち率は70%となります。
ユーザーがカゴ落ちする原因・理由
株式会社ジャストシステムがECユーザー向けに実施した「ECのカゴ落ちの理由」のアンケート結果は、次のようになります。
- 送料や手数料などが高かったため
- 選べる支払い方法が少なかったため
- 配送日が遅かったため
- 会員登録が必要だったため
- セキュリティに不安を感じたため
- 返品ルールに不満があったため
カゴ落ちする原因をくわしく解説していきます。
送料や手数料などが高かったため
ECサイトでカゴ落ちの経験をしたことがある人で最も多い理由は「送料・手数料が高かったため」を挙げています。
ECサイトを利用するユーザーは、自然検索で商品ページに直接たどり着いてくることが多く、購入を検討している時点では、送料や手数料などの諸条件を確認できていないケースが少なくありません。
ユーザーが購入手続きをすすめていく段階において、送料、手数料などを含めた合計金額が当初想定していた購入予算を超えてしまうと、購入自体を躊躇する原因につながるのです。
選べる支払い方法が少なかったため
カゴ落ちする原因で2番目に多いのが「選べる支払い方法が少なかったため」です。
ECサイトで最も人気の決済手段といえば「クレジットカード」ですが、だからといってクレジットカードだけを使えるようにしておけばOKとはいえません。
そもそも、クレジットカードをもっていないユーザー層は購入を断念せざるを得ませんし、 家族に知られたくない買物の場合には、購入記録がハッキリ残ってしまうクレジットカードでは都合が悪いユーザーも存在します。
また、クレジットカードだけでは、キャリア決済やID決済などのポイントで買物したいユーザーの囲い込みができないため、決済手段の選択肢は多いに越したことがないのです。
配送日が遅かったため
カゴ落ちする原因で3番目に多いのが「配送日が遅かったため」です。
一般的に、ECサイトで商品を購入したいユーザーは『今すぐ欲しい!』というニーズを持っている人が大半を占めます。
そのため、購入手続きを進めた時点で想定より配送日が遅いと分かると、ユーザーの購入意欲が失われやすく、販売機会損失につながる要因となってしまうのです。
会員登録が必要だったため
カゴ落ちする原因で4番目に多いのが「会員登録が必要だったため」です。
ECサイトを利用するユーザーは、商品ページを見て「あ、これ欲しい!」と衝動的に購入を決断する人が少なくありません。
しかし、会員登録が必要なサイトでは、氏名、住所などの基本情報の入力や、メールアドレスの確認など、様々な手順を踏まえることが面倒になり、ユーザーの購入意欲自体が失われやすい側面があります。
ユーザーの購入意欲を落とさない買物をしてもらうには、会員登録が必要なく、購入手続きに必要なステップをできる限り簡素にしておく方法が求められるでしょう。
セキュリティに不安を感じたため
カゴ落ちする原因で5番目に多いのが「セキュリティに不安を感じたため」です。
ここでいう「セキュリティ」とは、クレジットカード番号の情報漏洩を意味します。
クレジットカードは、ユーザーに最も人気の高い決済方法ですが、セキュリティの弱い決済手段を使っているECサイトで買物をすることに不安を感じるユーザーは少なくありません。
また、近年ではスマホ決済の不正使用のトラブルも数多く取り沙汰されており、ユーザーに安心して買物をしてもらうには、ECサイトの運営者側が決済ツールのセキュリティレベルを強化しておく配慮が求められます。
返品ルールに不満があったため
返品ルールの不満も、カゴ落ちにつながりやすい原因の一つです。
とくに、アパレルの商品ページと着用イメージ、サイズ感がことなりやすいジャンルでは、返品や交換が無償でできないECサイトからの購入をためらうユーザーは決して少なくありません。
もちろん、運営者側に落ち度のない無償での返品・交換は、ECサイト運営に直接的な影響を及ぼす根幹の部分でもありますので、自社が扱う商品ジャンルを考慮した上で「返品ルール」を考慮することも必要といえます。
カゴ落ち改善に向けた10の対策
カゴ落ちを改善するには、次の10の対策が有益とされています。
- 送料条件の表示方法を見直す
- 購入金額合計をリアルタイムに表示
- 決済ツールの選択肢を増やす
- 購入手続きをシンプルにする
- ユーザビリティの改善
- 受領方法の選択肢を増やす
- サイズ・色などバリエーション表示を明確化
- カゴ落ち対策ツール・メールを活用
- 返品条件を見直す
- セキュリティ対策をアピール
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それぞれの改善方法を詳しく解説していきます。
①送料条件の表示方法を見直す
カゴ落ち率を削減するには、送料条件の表示方法を見直すことが最も有益です。
前述のように、ECサイトを利用する多くのユーザーがカゴ落ちの原因に「送料や手数料の高さ」を挙げています。
言い換えれば、送料・手数料などの条件を商品ページや店舗ページにわかりやすく表示しておくことが、ECサイト運営の明暗を分けるといっても過言ではありません。
可能であれば、販売価格に送料を含めた「送料無料」の商品を増やすことも一つの手段ですが、難しい場合はできる限りわかりやすく送料条件を記載しておく工夫が必要です。
②購入金額合計をリアルタイムに表示
ECサイトの構築時、あるいはリニューアル時に購入金額の合計をリアルタイムに表示できる機能を追加することも、カゴ落ち対策に有益です。
とくに「〇〇円以上の購入で送料無料」など、送料無料に一定の金額条件を定めている場合は、ユーザー側もECサイト内で複数の商品を購買しようという意識が働きやすくなります。
ユーザーにECサイト内で複数の商品を買物してもらうには、あとから想定以上の予算になって購買を断念される事態は絶対にさけなければなりません。
しかし、購入合計金額をリアルタイムに確認できる機能をつけておけば、ユーザーの「想定外の予算超え」を防ぐことができ、結果としてカゴ落ちの改善につながるのです。
③決済ツールの選択肢を増やす
決済ツールやID登録の選択肢を増やすことも、早期にカゴ落ちを防ぐことにつながる有益な手段です。
決済ツールはクレジットカード以外にも、コンビニ決済、キャリア決済など、クレジットカードを持たない、使いたくないユーザー層のカゴ落ちを防ぐことができます。
また「後払い」の導入もカゴ落ち改善の有力な選択肢です。
後払いは、手元に資金がなくても商品が手に入り、カード番号の入力も不要のため、ユーザーが購買を躊躇する率が低く、カゴ落ち(購買を躊躇)を防ぐ上でぜひ導入すべき決済手段といえるでしょう。
④購入手続きをシンプルにする
購入手続きをできる限りシンプルにすることも、カゴ落ち率を削減するコツです。
前述のように、ユーザーは商品ページをみて衝動的に購入を決断する率も高いため、購入手続きに入力する項目が長ければ長いほど、購入意欲がそがれてしまうことになりかねません。
購入手続きをシンプルにするには、ECサイトのリニューアルを行わずとも、ユーザーが普段使い慣れている「ID決済」の導入などで代用することも可能です。
Amazon Payや楽天ペイなどの大手モールや、LINE Pay、Google Payなど多くのユーザー数を保有するID登録・決済の導入が有力な選択肢となるでしょう。
⑤ユーザビリティの改善
ECサイトのユーザビリティを改善しておくことも、カゴ落ちを防ぐ手段となります。
ユーザビリティとは、システムの有効性や効率性という意味ですが、ECサイトに限っていえば、ユーザーがECサイト内で快適に買物が行えるようなサイト設計にすることです。
たとえば、ユーザーが買物中にエラーが起きてしまう、商品を検索しにくいなどの状況が起こってしまうと、たちまち購買意欲が失われてしまうきっかけを作ってしまいます。
とくに近年のECサイトの売上はパソコンよりモバイル経由が大半を占めているデータも出ているため、モバイルサイトのユーザビリティを強化することがカゴ落ちを防ぐ鍵となるでしょう。
⑥受領方法の選択肢を増やす
受領方法の選択肢を増やすことも、カゴ落ちの改善に有効です。
受領方法の選択肢とは、従来のように注文者が在宅で配送会社を待つのではなく、注文者にとって利便性のよい様々な場所で荷物を受けとれる選択肢を意味します。
たとえば、最寄りのコンビニの店頭や郵便局で荷物を受けとる方法は、忙しい現代人にあった新たな受領方法として人気です。
あるいは、高額商品でなければ配送会社が自宅のドアの前に商品を置いておく「置き配」も、ネットショッピングに慣れているユーザー層の新たな選択肢となっています。
⑦サイズ・色などバリエーション表示を明確化
サイズ・色などバリエーションがある場合は、表示を明確化するのも肝心です。
とくにアパレル商品や美容商品などでは、色やサイズ(容量)が購入選択時の画像と一致しないケースが頻発しており、カゴ落ちにつながっているケースも少なくありません。
画像の上にテキストで色名やサイズを編集しておくなど、ユーザーに商品情報をわかりやすくする配慮も、カゴ落ちや販売機会損失を防ぐ手段となるでしょう。
⑧カゴ落ち対策ツール・メールを活用
カゴ落ち対策ツール・メールなどの最新ツールを駆使することも、カゴ落ちを防ぐ新たな選択肢として注目されています。
カゴ落ち対策ツールとは、買物カゴに商品を入れたにも関わらず、購入手続きまで進んでいないユーザーをシステムが自動察知し、Webページから離脱させないよう工夫を凝らすツールです。
カゴ落ちメールとは、同じく買物カゴに商品を入れたものの、購入手続きにすすんでいないメールアドレスを知っているECサイトの既存顧客に対し、フォローメールを送信する方法です。
ただし、いずれもやりすぎると「ウザイ」と思われ、二度と購入してくれなくなるリスクもあるため、配信のタイミングやツール選びは慎重に選択する必要があるでしょう。
⑨返品条件を見直す
返品条件を見直すことも、少なからずカゴ落ちを防ぐうえで見逃せない対策です。
店舗運営者側の過失で不良品を送ってしまった場合は、即座に返品・交換に応じるのは当然です。
しかし、ユーザーの都合による返品をどこまで受け付けるのかは、店舗運営の行く先を左右する重要な問題でもあります。
ユーザー側としては、同じ商品なら多少価格が高くても返品・交換対応を万全に行ってくれる店舗から購入したいのが本音です。
ECサイト事業者側も、返品率と見込み売上を天秤にかけて返品条件を見直す、意識することを心がけましょう。
⑩セキュリティ対策をアピール
セキュリティ対策は、ユーザーに安心してショッピングを楽しんでもらう上で不可欠な対策です。
ユーザーが最も懸念しやすいクレジットカード決済のセキュリティ対策としては、できる限り信頼度の高い決済会社と契約することが必須といえます。
次にECサイトでは、個人情報の漏洩セキュリティ対策も肝心です。
自社が運営するECサイトのセキュリティ対策を万全にしておくことはもちろんですが、
近年シェアが高まりつつある「匿名配送」「匿名購入」などの導入も、新たなセキュリティ対策の選択肢となるでしょう。
【ECモール・ASPカート・オープンソース別】カゴ落ち改善機能6選
大手ショッピングモールやECサイト向けのASPカート、オープンソースでは、カゴ落ち改善に活用できる機能が充実しています。
ここからは、大手ショッピングモール・ASPカート別に、カゴ落ち改善機能をご紹介いたします。
楽天市場
国内最大級の大手ECモールである楽天市場は、カゴ落ち対策の一環として、2018年より「ワンペイメントプロジェクト」が開始されています。
ワンペイメントプロジェクトとは、楽天株式会社が運営する「楽天ペイ」を楽天市場の店舗に導入し、決済方法の一括化をすすめるプロジェクトです。
楽天ペイは、各ブランドのクレジットカードだけでなく、Suicaなどの電子マネー、コンビニ決済、後払い、銀行振込など、ECサイトで使われる主要の決済手段の全てを網羅しています。
ユーザーにとっては使える決済手段の選択肢が増え、楽天内で複数の店舗で買い物することになっても、同じ決済手段で統一できます。
楽天キャッシュや楽天カード会員、楽天モバイルでのポイント共有もしやすく、ポイントで買い物をする顧客層を拾うことも可能になるため、店舗の売上アップにつながりやすくなることは間違いありません。
ただし、現段階では楽天ペイの導入は全店舗に広がっておらず、一部の店舗より徐々に拡大している状況です。
店舗側も楽天ペイの利用に際しては、ランニングコストが上がることになりますが、メリットとデメリットのどちらも踏まえて、導入を検討しましょう。
BASE
BASE(ベイス)は、初期費用・月額費用0円で誰でも簡単にネットショップが持てることで評判のASPカート型ECサイトです。
BASEで活用すべき、カゴ落ちの改善機能は次の4つです。
- 配送日設定アプリを導入
- 「送料詳細設定 App」の利用
- 「かんたん発送 App」の活用
- ショップレビュー機能の導入
カゴ落ちの原因で一番多い「配送・送料の問題」を挙げるユーザーが多いことから、BASEでは配送に関するアプリが充実しています。
BASE Apps | 説明 |
---|---|
配送日設定 | 配送日や日時指定ができるアプリ |
送料詳細設定 | 商品ごとの送料設定ができるアプリ |
かんたん発送(ヤマト運輸連携) | ヤマト運輸と連携している発送手続きを効率化できるアプリ |
ユーザーのサイト離脱率を防ぐ配送スピードの効率化や、送料無料商品を増やすことも可能になります。
ショップレビュー機能を導入し、商品を購入した人の感想を可視化することで、ユーザーが購入前の不安をできる限り削減することが可能です。
Shopify
Shopify(ショッピファイ)とは、越境EC事業者からの人気が高いASPカート型ECサイトです。
カナダ発のShopify は、カゴ落ち機能が充実しています。
Shopifyで活用すべき「カゴ落ち」改善機能は次の4つです。
- カゴ落ち確認機能
-
カゴ落ちのパターンが把握でき、ユーザーがなぜ購入にいたらなかったのか分析を行うことができます。
- カゴ落ちからの決済イベント表示
-
決済イベント機能は、ユーザーが決済を失敗した場合に即座にサポートできる機能です。
- カゴ落ちへのリンクをメールで送信
-
カゴ落ちしたユーザーにカートに入っている商品のリンクを手動、自動で送信することが可能です。
- カゴ落ちメールのレポート
-
カゴ落ちでユーザーに送信したメールの結果(開封率やクリック率など)をレポートで確認することができます。
MakeShop
MakeShop(メイクショップ)は、GMOが運営するASPカート型ECサイトです。
MakeShopでは、2017年11月21日(火)より「かご落ちメール機能」のサービス提供を開始しています。
ネットショップ向けマーケティングツールの「MakeRepeater」を使い、カゴ落ちが発生してから30~60分以内に、購入しなかった商品情報の画像付きメールが自動的に送信されます。
ユーザーはメール内の商品情報のリンクをクリックするだけで、スムーズに購入手続きにすすむことができるため、カゴ落ち率を大幅に減らすことが可能です。
ただし、MakeShopのカゴ落ち機能の利用はプレミアプラン、あるいはMakeRepeaterの有料プランに契約している出店者のみになっています。
カゴ落ち機能のプランが使えるようになるための詳細は、GMO・MakeShopに直接お問い合わせください。
カラーミーショップ
カラーミーショップは、GMOパペポが運営するASPカート型ECサイトです。
カラーミーショップでは、カゴ落ち防止を効率よく防止できる「EFOcats(イーエフオーキャッツ)」というアプリを搭載しています。
EFOcatsとは、ユーザーがカゴ落ちにいたるきっかけになりやすい必須項目の入力ストレスを最大限に削減できる工夫がなされているアプリです。
必要項目の入力を1画面1質問に答える形式になっており、ユーザーはスマートフォンで効率よく入力が可能です。
EFOcatsの使用には、有料プランのカラーミーショッププランに申し込む必要があるので、くわしくはカラーミーショップまでお尋ねください。
EC-CUBE
EC-CUBE(イーシーキューブ)は、国内トップクラスのダウンロード数を誇るオープンソース型ECサイトです。
EC-CUBEの大きな特徴の一つは、約800以上ともいわれる機能の多さであり、カゴ落ち防止の機能も充実しています。
なかでも注目すべき機能が「カゴ落ち防止アラートプラグイン」です。
EC-CUBEのカゴ落ち防止アラートプラグインとは、ユーザーがWebページから離脱しようとすると、アラートが表示される仕組みになっています。
EC-CUBEのカゴ落ち防止アラートプラグインは無料でインストールできますので、EC-CUBEを利用して自社サイトを構築するなら必ず付けておきたいプラグインです。
まとめ
今回はECサイトの「カゴ落ち」について、基礎知識~ユーザーが購入を止める原因、カゴ落ちの改善対策についてお話させていただきました。
まとめますと、カゴ落ちとはECサイトで買い物をするユーザーがカートに商品を入れたにも関わらず、購入手続きせずにECサイトから離脱してしまうことです。
世界のカゴ落ち率の平均は69.8%、日本のカゴ落ち率は約68.2%と全体の約70%の高い割合を示しており、ざっと売上高の約2.5倍の販売機会損失につながっています。
カゴ落ち率は、カゴ落ち数から商品をカートに入れた人数を割って算出します。
- カゴ落ち数 = 商品をカートに入れた人数 - 実際に商品を購入した人数
- カゴ落ち率 = カゴ落ち数 ÷ 商品をカートに入れた人数 × 100
ECサイトで買い物をするユーザーが、カゴ落ちする主な理由は以下6つが挙げられます。
- 送料や手数料などが高かったため
- 選べる支払い方法が少なかったため
- 配送日が遅かったため
- 会員登録が必要だったため
- セキュリティに不安を感じたため
- 返品ルールに不満があったため
カゴ落ちを改善するには、次の10の対策が有益とされています。
- 送料条件の表示方法を見直す
- 購入金額合計をリアルタイムに表示
- 決済ツールの選択肢を増やす
- 購入手続きをシンプルにする
- ユーザビリティの改善
- 受領方法の選択肢を増やす
- サイズ・色などバリエーション表示を明確化
- カゴ落ち対策ツール・メールを活用
- 返品条件を見直す
- セキュリティ対策をアピール
ECサイトの構築・運営は、大手ECモールへの出店、あるいはECサイト向けASPカートやオープンソースなどを利用する事業者が多くを占めます。
カゴ落ちの改善対策を独自の機能にて強化している大手ECモール、ECサイト向けのASPカート、オープンソースは以下の6社です。
サービス名 | |
---|---|
ECモール | ・楽天市場 |
ASPカート | ・BASE(ベイス) ・Shopify(ショッピファイ) ・MakeShop(メイクショップ) ・カラーミーショップ |
オープンソース | ・EC-CUBE(イーシーキューブ) |
ECサイトのカゴ落ちは傾向と原因を分析し、適切な改善対策を施せば、十分に防ぐことが可能です。
今回のコラム記事内でご紹介した注意点を参考に、自社ECサイトのカゴ落ちの改善策を迅速に実践し、販売機会損失を最小限に防げるよう、明日からの店舗運営にご活用くださいませ。
まずは無料でご相談ください。
お問い合わせ・ご相談や、公開後の修正依頼などに関しては、いずれかの方法にてお問い合わせください。
※年末年始・土日祝は定休日となります
※受付時間 9:00~17:30