クリニック・病院の集客(集患)完全ガイド【成功事例も紹介】
クリニック・病院を経営する中で、集客(集患)が上手くいかないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
現在では、オンラインで入手できる情報が多いため、患者さんには多くの選択肢があります。
集客を成功させるためには、選ばれるための施策が必須といえるでしょう。
しかし、いざクリニック・病院の集客をするにあたり、
『集客ができていないクリニック・病院の特徴が知りたい』
『集客をアップさせたい』
『リピーターを獲得したい』
上記のような課題が生じるかと思います。
本コラム記事では、病院・クリニックの担当者様へ向けて「集客ができていないクリニック・病院の特徴」「集客をアップさせる方法」「集客成功事例」を紹介しています。
集客ができず閉業するクリニックが過去最多【2021年現在】
株式会社帝国データバンクが調査したレポートによると、新型コロナウイルスの影響もあり、集客ができず閉業するクリニックが過去最多というデータが発表されました。
出典:PR TIMES
上記のグラフを見ると、2021年1月~6月までで、全国で267件のクリニックが撤退しており、この数値は前年比32%増となっています。
また、近年クリニック開業が相次いだことで、新規患者が獲得できないのも原因といわれています。
集客ができていないクリニック・病院の特徴
実際に、集客ができていないクリニック・病院の特徴について見ていきましょう。
下記特徴に当てはまるクリニック・病院の方は、至急対策が必要です。
- 認知が足りていない
- 患者さんへコンセプトや強みが伝わっていない
- ホームページやSNSなどの集客(集患)施策が足りていない
- 利便性が悪い
- 医者や看護師の対応が悪い
認知が足りていない
集客ができていないクリニック・病院の特徴1つ目は、認知度が足りていない点です。
クリニック・病院をオープンしても、患者さんに自院の認知ができていないと集客にはつながりません。
よくある例としては、駅前にクリニックをオープンしたので、その周辺住民には認知ができていると勘違いしてしまうことです。
どんなに目立つ場所にクリニックをオープンしたとしても、その周辺が生活範囲でない方はクリニックを認知していません。
そのため、チラシやGoogleマップへの掲載などの認知作業は、どんな状況化でも必要になってくるということです。
患者さんへコンセプトや強みが伝わっていない
集客ができていないクリニック・病院の特徴2つ目は、患者さんへコンセプトや強みが伝わっていない点です。
周辺に同じ診療科のクリニックが複数ある場合は、ホームページに記載されているコンセプトで選定されると思ってください。
ホームページ上に明確なコンセプトが提示されていれば、患者さんは足を運びやすくなりますが、コンセプトが上手く伝わっていない場合は、選択されない可能性があります。
ホームページやSNSなどの集客(集患)施策が足りていない
集客ができていないクリニック・病院の特徴3つ目は、ホームページやSNSなどの集客(集患)施策が足りていない点です。
患者さんがインターネットでクリニックを探しているときに、検索エンジンやGoogleマップに表示されなければ新規患者の獲得は難しいでしょう。
また、患者さんによってはSNSでクリニックを探す方もいるので、各方面での集客施策が必要になってきます。
利便性が悪い
集客ができていないクリニック・病院の特徴4つ目は、利便性が悪い点です。
複数の選択肢からクリニックを選択する場合、利便性を基準にして選定する患者さんもいます。
利便性は「通いやすさ」「予約のしやすさ」などがあげられます。
例えば「電話のみの予約」と「ネット予約にも対応」の2つのクリニックがあれば、後者が選択されることが多いでしょう。
医者や看護師の対応が悪い
集客ができていないクリニック・病院の特徴5つ目は、医者や看護師の対応が悪い点です。
医者や看護師の対応が悪いとリピーター集客につながりません。
また、電話予約時の対応なども集客に関わってきますので、院内でのトレーニングが必要になる場合もあります。
クリニック・病院の集客(集患)をアップさせる方法
クリニック・病院の集客(集患)をアップさせる方法を紹介します。
さまざまな集客方法があるので、各方法を組み合わせて集客を成功させましょう。
- ホームページの最適化
- MEO対策
- クリニック・病院のポータルサイトへの登録
- リスティング広告出稿
- SNSの活用
- チラシ・ポスティング
ホームページの最適化
1つ目の集客アップ方法はホームページの最適化です。
ホームページは、Web集客の窓口となるので一番重要といえます。
『どの集客方法から実践して良いか分からない』という方は、はじめにホームページの最適化から取りかかりましょう。
最適化の方法は下記の通りです。
- レスポンシブ対応
- サイト表示速度の改善
- SEO対策
レスポンシブ対応
レスポンシブ対応は、スマートフォンからでもホームページを閲覧しやすくするための方法です。
レスポンシブ対応を実施すると、スマートフォン画面のサイズに合わせて、自動的にホームページが調整されます。
Googleは優れたユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を重視しているので、スマートフォンユーザー向けに最適化されたホームページを持っているだけでも競合他社より有利となります。
サイト表示速度の改善
ホームページ最適化では、サイト表示速度の改善も実施します。
サイト表示速度が遅いと患者さんを取りこぼすだけではなく、検索エンジンにも悪い影響があります。
Googleが提供する「PageSpeed Insights」を活用すれば、ホームページ表示速度が測定できるので試してみましょう。
SEO対策
クリニック・病院のホームページではSEO対策も実施する必要があります。
SEO対策とは、検索エンジンに上位表示させるための方法です。
例えば「ABC整形外科クリニック」というスポーツ整形に強いクリニックを経営しているとしましょう。
クリニックを認知していない患者さんは、検索エンジンで「ABC整形外科クリニック」とは検索しません。
「整形外科 地域名」「整形外科 スポーツ傷害」などで検索することが多いでしょう。
患者さんがどのようなキーワードで検索するかを予測し、それに合ったコンテンツを作成するのがクリニック・病院のSEO対策の基本となります。
MEO対策
出典:Google検索
2つ目の集客アップ方法はMEO対策です。
MEOとは、検索エンジンのGoogle Mapの上位表示サービスを指します。
クリニック・病院の場合は「地域名+診療科目」「地域名+症状」「地域名+診療目的」で検索されたときにGoogle Map専用枠に検索結果が表示されます。
通常の検索エンジンの検索結果よりも上部に掲載されるのが最大の特徴です。
クリニック・病院のポータルサイトへの登録
3つ目の集客アップ方法は、病院・クリニック系のポータルサイトへの登録です。
ポータルサイトは集客を目的として作られているWebサイトで、多くの病院・クリニックが登録しています。
「地名」「診療科目」「口コミ」などから自分に合ったクリニック・病院が探せるので、ポータルサイトをメインに使っている患者さんも多いです。
各ポータルサイトの詳細は下記の通りです。
マイクリニック
出典:マイクリニック
マイクリニックは、クリニック・病院が「地域」「診療科目」で検索できるポータルサイトです。
月間利用者数が1,600万人と多く、クリニック・病院の掲載費用も無料となっているので、おすすめのポータルサイトといえます。
Caloo
出典:Caloo
Caloo(カルー)は、月間800万人の利用者を誇るクリニック・病院専門のポータルサイトです。
口コミ数が非常に多いので、口コミ重視の患者さんが多く利用しています。
ポータルサイトへの登録は無料で実施できますが、有料プランも設けられています。
EPARK
出典:EPARK
EPARK(イーパーク)は、全国15万件のクリニック・病院情報を掲載するポータルサイトです。
情報掲載自体には費用が発生しますが、掲載するだけでEPARKの予約機能が利用可能となります。
集客だけではなく、予約システム導入を検討している方にもおすすめのポータルサイトです。
ホスピタ(HOSPITA.JP)
出典:ホスピタ
ホスピタは、日本全国17万件のクリニック・病院の情報が掲載されているポータルサイトです。
患者さんが名医を探すためのプラットフォームとなっており、先生を検索するときは「卒業医学部」「専門医」「趣味」「性別」など詳細な情報で検索することができます。
情報の掲載自体は無料で可能です。
ウィメンズパーク
出典:WOMEN’S PARK
ウィメンズパーク(WOMEN’S PARK)は、女性のお悩みに特化したポータルサイトです。
体験談がメインとなっているポータルサイトで「産婦人科」「小児科」「皮膚科」などの情報も合わせて掲載することもできます。
リスティング広告出稿
出典:Google検索
4つ目の集客アップ方法は、リスティング広告出稿です。
リスティング広告とは、自院で事前に設定したキーワードを検索した患者さんに対して「テキスト広告」で表示する集客方法です。
SEOとは違い、リスティング広告は費用を支払えば検索エンジン上に表示できるので、即効性がある集客方法といえます。
SNSの活用
5つ目の集客方法は、SNSの活用です。
SNSの活用は、自院のブランドを構築し、患者さんに最新情報を伝えるのに最も有効な集客方法です。
代表的なSNSをいくつか紹介します。
Facebookは、40代~50代の世代が多く利用するSNSのため、クリニック・病院の集客に最適です。
Facebookは実名制となるので、拡散力は見込めませんが、患者さんとのコミュニケーションツールとして活用しやすいメリットがあります。
院内のイベントのお知らせなどを配信する際に活用してみましょう。
Twitterは、若い世代に人気のSNSです。
投稿できる文字数に140文字という制限はありますが、拡散力はSNSの中で一番といってもよいでしょう。
クリニック・病院のお知らせをTwitterから発信することで、多くの患者さんに情報を届けることができます。
Instagramは、女性層に人気があるSNSです。
そのため「産婦人科」や「美容外科」クリニックに最適なSNSといえます。
「先生の日常を投稿する」「患者さんとコミュニケーションを取る」「クリニックの取り組みを伝える」など、さまざまな活用方法があります。
LINE
LINEは、日常の使用頻度が高く、幅広い世代に利用されているSNSです。
「最新情報発信」「LINEでの診察予約」など、さまざまな利用シーンにも対応できます。
チラシ・ポスティング
5つ目の集客アップ方法は、チラシ・ポスティングです。
チラシ・ポスティングはアナログな集客方法ですが、非常に高い集客効果を見込める可能性があります。
特に地方クリニックなど、高齢者が多い地域の場合、オンライン集客よりもチラシ・ポスティングの方が向いているでしょう。
自院の認知不足に悩んでいる方は、チラシ・ポスティングをおすすめします。
クリニック・病院のリスティングやチラシでは広告規制に注意
クリニック・病院でリスティング広告の出稿やチラシを作成するときには、広告規制に注意しましょう。
医療広告には、ガイドラインに基づいたNG表現が定めされています。
いくつか代表例を紹介します。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
NG表現 | 詳細 |
---|---|
虚偽広告 | 事実ではないことを伝える(ビフォーアフター写真を偽造するなど) |
比較広告 | 他院よりも自院が優れているという表現を記載する |
誇大広告 | 治療内容を大げさに表現する |
ガイドラインに違反した広告の出稿をすると、審査に通らなかったりアカウントが強制停止になります。
また、ガイドラインに違反したチラシを作成すると、デザイン費や配布費用などが全て無駄になる可能性もあります。
ガイドライン違反しないためにも、医療広告ガイドラインやYahoo!広告、Google広告のガイドラインをよく確認しましょう。
広告規制について不安な方は、リスティング広告に強い代理店を利用したり、クリニック・病院のチラシ制作に特化した業者にデザインを依頼するといいでしょう。
クリニック・病院のリピーター集客(集患)方法
続いて、クリニック・病院のリピーター集客(集患)方法を紹介します。
新規患者を獲得するための集客施策を実施したあとは、リピーター獲得に移行することをおすすめします。
これは、リピーター患者獲得コストの方が圧倒的に低いためです。
新規患者を獲得するには「広告出稿」や「ポスティング」など多くのコストがかかりますが、リピーター患者の場合は、院内で再診を促すなど院内対策が中心となります。
そのため、自院の利益を上げていくのであれば、新規患者獲得だけではなく、リピーター対策に力を入れていく必要があるということです。
代表的なリピーター対策を見てみましょう。
- 診察券を工夫する
- 患者とのコミュニケーションを心がける
- スタッフ対応の見直し
診察券を工夫する
クリニック・病院のリピーター対策1つ目は、診察券の工夫です。
診察券はクリニック・病院にとって必ず必要なものですが、少しの工夫でリピーターにつなげることができます。
例えば、初診の方に「診察券」「保険証」「お薬手帳」が入るカバーを提供すれば、診察券の紛失がなくなるだけではなく、患者さんに安心を与えることができるので、再診につながるかもしれません。
また、近年では「紙」の診察券を廃止して、デジタル診察券に切り替えているクリニックもあります。
このように、診察券に工夫を加えるアイデアを自院でも考えてみましょう。
患者とのコミュニケーションを心がける
クリニック・病院のリピーター対策2つ目は、患者さんとのコミュニケーションを心がけることです。
合同会社MASパートナーズが患者に対して行ったアンケート調査によると、病院変更をした理由の第2位~4位が「医師の説明が不十分」「医師の立ち居振る舞い」「医師とのコミュニケーションがとれない」と続いています。
第1位 技術レベルが低い 42.6% 第2位 医師の説明が不十分 36.3% 第3位 医師の立ち居振る舞い 34.9% 第4位 医師とのコミュニケーションがとれない 31.2% 第5位 待ち時間が長い 25.8% 引用:医療ポータル
この結果から患者さんが再診を決めるには、医師とのコミュニケーションが決め手になっているといえるでしょう。
リピーター患者を獲得するには「患者さんの話を聞く」など、小さなことから改善していくことが大切です。
スタッフ対応の見直し
クリニック・病院のリピーター対策3つ目は、スタッフ対応の見直しです。
医師だけではなく、スタッフ対応も直接リピーターに関わってきます。
スタッフとのコミュニケーションがクリニックの印象を左右するといっても過言ではありません。
地域医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」の運営会社が実施した調査によると、クリニックで患者さんがストレスに感じることの2位に受付スタッフの対応があげられています。
出典:ドクターズファイル
心身ともに弱っているときだからこそ「笑顔」「気遣い」を意識した対応が重要になってくるということです。
クリニック・病院集客(集患)の成功事例3選
最後にクリニック・病院集客(集患)の成功事例3選を紹介します。
下記成功例を参考に集客施策を実施してみましょう。
小倉記念病院
出典:病院経営事例集
小倉記念病院は、福岡県北九州市にある総合病院で「LINE」「Facebook」「Instagram」を運用しています。
その中でも、最も集客効果があったのが「LINE」です。
小倉記念病院では、患者獲得のための講座を定期的に実施しています。
しかし、講座だけでは情報量が乏しいと判断したため、講座に参加した方にLINEの「ともだち追加」を促し、定期的に情報を発信する仕組みを作りました。
また、病院内の患者呼び出し画面やチラシでも、アプローチを実施し、開始から約1年で2,925名のともだち追加を獲得しているそうです。
これだけの効果がありながら、毎月5,500円の費用しかかかっていないので、コストパフォーマンスが高い集客方法といえるでしょう。
坂井耳鼻咽喉科
出典:坂井耳鼻咽喉科
坂井耳鼻咽喉科は、愛知県春日井市にある耳鼻咽喉科クリニックです。
数年前、診療中の受付でスタッフ同士の言い争いがあり、待合室にいる患者さんからも様子が丸見えだったこともあり、院長はスタッフ教育という課題を発見しました。
そこで、医院理念を作り、3つのカードの取り組みをはじめました。
スタッフ同士で日常の感謝を伝え合う「サンクスカード」、患者さんからお褒めの言葉をいただく「お褒めの言葉カード」、職場内で改善したいことを提示する「改善提案カード」、これらのカードを活用しています。
この3つのカードにより、院内課題もスムーズに改善されるようになり、クリニック経営がうまく回ったそうです。
春木レディースクリニック
出典:春木レディースクリニック
春木レディースクリニックは、大阪心斎橋にある不妊治療専門クリニックです。
自院の集客施策としてFacebookを上手に活用しています。
Facebookには、クリニックを卒業した患者さんのメッセージをメインに投稿しているので、これから不妊治療を始めようか迷っている方には、参考となるコンテンツとなっています。
また、Facebookページに投稿されている内容は、悩みを持つ方向けになっているのでホームページへ自然に誘導できるようになっているのもポイントです。
春木レディースクリニックでは、これまでに5,000人以上のフォロワーを獲得しています。
まとめ
クリニック・病院の集客(集患)完全ガイドを紹介しました。
集客ができていないクリニック・病院の特徴は下記5つです。
- 認知が足りていない
- 患者へコンセプトや強みが伝わっていない
- ホームページやSNSなどの集客(集患)施策が足りていない
- 利便性が悪い
- 医者や看護師の対応が悪い
クリニック・病院の集客(集患)をアップさせる方法は下記6つです。
- ホームページの最適化
- MEO対策
- クリニック・病院のポータルサイトへの登録
- リスティング広告出稿
- SNSの活用
- チラシ・ポスティング
クリニック・病院のリピーター集客(集患)方法は下記3つです。
- 診察券を工夫する
- 患者とのコミュニケーションを心がける
- スタッフ対応の見直し
今回のコラム記事を参考に、自院への集客を強化していきましょう。
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