ヤフーショッピング出店のデメリット徹底考察!無料の裏に隠された真実を運営者が公開
『ヤフーショッピングの出店ってデメリットは全くないの?』
『大手モールだし、出店すればすぐ売上が上がる?』
いいえ、そうではありません。
ヤフーショッピングの出店料は無料ですが、メリットよりデメリットの方が多いのです。
今回は出店料無料の裏に隠された「ヤフーショッピング出店のデメリット」の真実を、メリットと比較しながらお話していきます。
コラム記事の最後には、気になる「ヤフーショッピングVS自社ECサイト」についても触れていますので、最後までどうぞ読んでください。
ヤフーショッピングの出店デメリット7選【実体験暴露】
出典:Yahoo!ショッピング
ヤフーショッピング出店で考えられるデメリットは次の7つです。
- 集客力はさほど期待できない
- 競合が多すぎる
- 広告なしでは売上が見込めない
- 初期段階はほぼ売れない
- 売買成約時の手数料が高い
- 専用システムが使いにくい
- サポートが弱い
各デメリットを詳しく解説していきます。
集客力はさほど期待できない
ヤフーショッピングは楽天市場やAmazonと並ぶ国内3大モールの1つですが、他の2社と比較すると集客力はさほど期待できません。
なぜなら、ヤフーショッピングの市場は楽天市場やAmazonの約半分ほどに過ぎないからです。
以下の画像は2021年4月にニールセンデジタルが発表した「オンラインショッピング月間視聴者数」のデータです。
楽天市場やAmazonの視聴者数が月間5,000万人に対し、ヤフーショッピングは2,500万人ほどです。
ECサイトの視聴のみを含む平均利用回数に至ってはトップの楽天市場が月間66回に対し、ヤフーショッピングは月間20回と約1/3程度しかありません。
ヤフーショッピングが他の2社にこれほど差をつけられている理由には諸説ありますが、1つはネットショップ媒体としての「ブランディング戦略」が大きく出遅れてしまったことが挙げられます。
楽天市場やAmazonは「ネットで買い物=〇〇」といった日本人のライフスタイルにネットショッピングを定着させた実績を持ちますが、ヤフーショッピングは「ヤフオク」のイメージが色濃く、ネットショップ媒体としての地位を確立できていません。
ただし、ヤフー株式会社はZOZOTOWNやLINEとの経営統合、PayPayとの連動などにより精力的に会員獲得に向けて動いていますので、今後の動向に注目が集まります。
競合が多すぎる
ヤフーショッピングは競合が多すぎる媒体としても知られています。
2021年時点では、ヤフーショッピングの店舗数は楽天市場やAmazonを遥かに超える87万店に達しており、モール内での顧客争奪戦は年々激しさを増しています。
「モール内競合の激しさ」は楽天市場やAmazonも同じですが、出店料無料のヤフーショッピングは副業などプロフェッショナル以外の出店者の割合も高く、あえて激安価格で出品する事業者も少なくないからです。
そのため、ヤフーショッピングの出店で適正利益を確保するのは以前にも増して困難になってきています。
今から出店を検討する場合は競合に巻き込まれないための施策が必要になるでしょう。
信頼感が得られにくい
近頃のヤフーショッピングは大手モールならではの「信頼感」が得られにくい媒体になってきています。
ヤフーショッピングの信頼感が得られにくくなった理由は、他ならぬ「出店者の質の低下」です。
出店料無料化に加え、個人事業主の出店では提出を義務付けられていた開業届が不要になるなど参入ハードルが一挙に下がったため、転売や副業などの出店者層が増加したことが起因しています。
プロフェッショナルでない出店者に対する対応の不満や『決済したのに商品が届かない』などのトラブルも頻発しており、むしろヤフーショッピングでの買い物に警戒するユーザーも増え始めました。
ヤフー側も対応策として出店審査の厳格化を進めていますが、現状としては楽天市場やAmazonのような大手モールならではの信頼感はヤフーショッピングにはほぼ期待できないと言わざるを得ません。
初期段階はほぼ売れない
ヤフーショッピングへの出店で初期段階から大きな売上を期待することは非常に困難です。
楽天市場やAmazonでは新規店でも工夫次第で売上を上げるための仕組み作りがある程度可能ですが、ヤフーショッピングでは新規店が自然検索による流入はほぼ期待できないからです。
また、前述のように近年のヤフーショッピングでは大手モールならではの「信頼感」が弱まってしまったことも初期段階で売上を上げにくい要因の1つになっています。
いずれにせよ、ヤフーショッピングの出店を検討する場合は初期段階から売上を期待するよりも、1人でも多くのお客様から信頼を獲得するための期間を設けておく必要があります。
有料広告なしでは売上が見込めない
ヤフーショッピングで売上を上げるには、有料広告を定期的に配信する必要があります。
言い換えれば、有料広告なしではヤフーショッピングで大きな売上を上げることは困難であることを意味します。
ヤフーショッピングの有料広告にはバナー広告やリスティング広告など様々な種類がありますが、仮に配信したとしても必ずしも費用対効果が取れるものばかりでもありません。
無意味な有料広告の打ち過ぎで店舗運営を継続できない出店者も多いため、ヤフーショッピングで効率良く広告を運用するには独自のノウハウが必要になるといえます。
売買成約時の手数料が高い
出店料や月額費用が無料のヤフーショッピングですが、売買成約時の手数料は決して安いとはいえません。
ヤフーショッピングの公式サイトでは、月商100万円運用した場合の売買成約手数料の概算を「56,204円」としており、売買成約額の約5~6%が差し引かれる計算になっています。
出典:料金・費用
ただし、気を付けなければならないのは上記「56,204円」には以下の手数料がほぼ含まれていないことです。
- ポイント・キャンペーン原資負担料
- アフィリエイト利用料
ヤフーショッピングの公式サイトによると、売買成約時にかかる手数料の内訳を次のように明記しています。
出典:料金・費用
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
手数料 | 割合 |
---|---|
ストアポイント原資 | 1%~15% |
アフィリエイトパートナー報酬原資 | 1%~50% |
アフィリエイト手数料 | アフィリエイトパートナー報酬原資の30% |
ストアポイント原資とは、ヤフーショッピングのポイントプログラムですが、1~15%と金額にかなり開きがあります。
次に注意するべきはアフィリエイト報酬です。
ヤフーの公式見解では出店料の無料化をして以降、アフィリエイトプログラムを強化する意向を示していますが、実際のアフィリエイト手数料は1~50%とかなり幅をもたせてあります。
いずれにせよ売買成約時にいくら課金されるのか不透明な部分が多く、他社媒体より高額な費用になってしまう可能性も否定できません。
専用システムが使いにくい
ヤフーショッピングの店舗構築専用システム「ストアクリエイターPro」は、出店者から使いにくいという声が非常に多く見受けられます。
ストアクリエイターProが使いにくいと言われる主な理由は次の3点です。
- 専門用語が多い
- ストア構築・管理画面がややこしい
- 1つのページで登録が完了できない
ヤフーショッピングの店舗構築専用システムであるストアクリエイターProは、書いて字のごとくプロフェッショナル向きに作られています。
HTMLなど、Web知識を持ったプロ向けや、設定画面の名称に専門用語が多く使われているため、初心者が操作を覚えるにはかなりハードルの高い仕様です。
出品作業も1つの商品を登録するのにあちこちのWebページに飛ばなければならず、とにかく操作が「ややこしい」の一言がぴったりあてはまるといって良いでしょう。
サポートが弱い
ヤフーショッピングには「ストアヘルプデスク」というサポート向けの窓口がありますが、サポート体制は全く万全とは言えません。
国内3大モールの1つである楽天市場は、専任の担当者が出店者に手厚いサポートを行ってくれることで有名ですが、ヤフーショッピングのヘルプデスクに楽天市場並みのサポートを期待することは皆無です。
ヤフーショッピングは出店料、月額共に無料のため「運営側にそこまで甘えられない」というのもその通りですが、ネットショップ運営の初心者にとっては媒体元のサポートがある・ないとではビジネスの行く末が全く分かれてしまいます。
ヤフーショッピングのストアヘルプデスクは、あくまで出店者から聞かれた質問に対して回答してくれる運用になっていますので、初心者にとっては何を聞いて良いかわからない状態に陥る可能性も否定できません。
結果、いつまでたっても運用上の悩みが解決されずに時間と日数だけが無駄に過ぎていきかねないため、出店を検討する場合はある程度プロフェッショナルの力を借りることを視野に入れておくべきです。
ヤフーショッピングの出店メリット5選
ここで改めて、ヤフーショッピングに出店するメリットも考察してみましょう。
ヤフーショッピングに出店する代表的なメリットは以下の5つです。
- 出店・月額費用無料
- 外部リンクが可能
- メルマガ配信無料
- Yahoo !Japanの検索画面トップに表示
- ポイント集客が可能
出店・月額費用無料
ヤフーショッピングに出店する一番のメリットは出店、月額費用共に無料であることです。
初期費用が全くかからないため、手元にまとまった資金をもってなくても簡単に自身のネットショップを持つことができます。
仮に運営に失敗したり、しばらくお休みしたとしても特に維持費もかからないため、金銭的なリスクはほぼゼロです。
一方、国内3大モールとしてヤフーショッピングと比較対象になりやすい楽天市場への出店には、何10万単位の高額な出店料、月額費用を用意する必要があります。
さらに、楽天市場で最も費用の安いライトプランでの出店には年間一括分の先払いが義務付けられているため、何らかの都合で運営を途中で止めたくなっても原則的に高額な出店、月額費用の返金を求めることはできません。
Amazonもヤフーショッピングと同様に、月額無料プランはありますが、無料で出品できる商品は限られており、事実上有料プランに申し込まなければ大きな売上が狙えない仕組みになっています。
また、Amazonは万が一途中で運営を止めたくなった場合の退店準備に非常に手間もかかり、実際の退店までに何か月も無駄な月額費用を払い続けなければなりません。
ヤフーショッピングは楽天市場やAmazonのような金銭的な煩わしさが一切ないため、事実上のノーリスクでネットショップへの参入を果たすことができます。
外部リンクが可能
ヤフーショッピングでは、自社の出品ページに外部リンクを貼ることが可能になっています。
しかし、あまりにも出品商品と関連性がない、不適切とみなされるような外部リンクはNGですが、自社ECサイトやSNSなど自社が運用する他メディアへ誘導するリンクはOKです。
楽天市場やAmazonでは外部リンクが一切禁止されており、大手ショッピングモールではヤフーショッピングだけが認めています。
そのため、ヤフーショッピング自体で売上を上げなくても集客ツールとして考え、自社ECサイトと両方運用するといった使い方も選択肢の1つです。
メルマガ配信無料
ネットショップで売上を上げるためには「メルマガ配信」が外せない要素となりますが、ヤフーショッピングではメルマガの配信料が完全無料になっています。
楽天市場など、その他の媒体ではメルマガ配信の費用を別途徴収されることがあるため、頻繁にメルマガを配信するには予算を気にしながら行わなければなりません。
新商品やセールなど、過去に購入してくれた方やショップに興味をもってくれたお客様に対し、費用を気にせずどんどん情報を配信できることはヤフーショッピングならではの有益なサービスの1つといえます。
Yahoo !Japanの検索画面トップに表示
ヤフーショッピングでは、運営母体である「Yahoo !Japan」のトップページにサムネイル画像を表示させることができます。
Yahoo !Japanは、あらゆるお役立ち情報をリアルタイムで発信する日本最大級のポータルサイトとしての顔も持ち合わせています。
毎日更新されるヤフーニュースやエンタメ情報、行政と連携した災害情報などコンテンツの充実ぶりは日本で知らない人はいないほど我々の生活に密着しています。
日本人の誰もが閲覧するYahoo !Japanのトップページに自社の商品情報が掲載されることは、自社の商品に全く関心のない方に向けても商品の魅力をアピールできる貴重な機会となるでしょう。
ポイント集客が可能
ヤフーショッピングでは、運営母体のグループを利用したポイント集客も可能です。
絶大な数のユーザーをもつソフトバンクやLINE、PayPayをグループにもつヤフーショッピングは、各グループと連携したポイント集客プログラムが非常に充実しています。
各グループとのポイントプログラムのシェアやキャンペーンに参加することも可能なため、季節ごとに大々的なセールを行いたい場合などに広く活用できます。
ヤフーショッピング出店はデメリット多し!自社ECサイトと比較
ヤフーショッピングの出店で得られるメリットもありますが、結論としてはデメリットの方が上回っていると言わざるを得ません。
今からネットショップの参入を検討している方にとってはデメリットの多いヤフーショッピングに出店するよりも、いっそのこと自社ECサイトで出店した方が有益性の高いという見方もできます。
以下は、ヤフーショッピングと自社ECサイトで出店した場合の違いを8項目洗い出し、表にまとめております。
▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください
比較項目 | ヤフーショッピング | 自社ECサイト |
---|---|---|
①初期費用・月額費用 | なし | なし |
②外部リンク | OK | OK |
③信頼度 | なし (近年イメージが悪化) |
なし |
④売買成約手数料 | 5~15% (それ以上の可能性もあり) |
なし |
⑤モール内競合 | 厳しい | なし |
⑥集客力 | ほぼ期待できない | 自社で行う |
⑦店舗構築方法 | 自由度が限られる | 自由に制作できる |
⑧管理画面 | 使いにくい | 自由に選べる |
④~⑧の太字の部分がヤフーショッピングと自社ECサイトで出店した場合の主な違いです。
自社ECサイトでネットショップを始める一番のメリットは、売買成約手数料を徴収される心配がなく、自社の適正利益をきちんと確保しやすい点です。
モール内の激しい競合に巻き込まれる心配もなく、広告も予算を抑えながら自社の特性にあった方法を実践できるため、自社ならではのオリジナルショップの運営に集中できます。
店舗構築、管理画面も「ストアクリエイターPro」のように使いにくいシステムを無理に使う必要もなく、更新しやすくて欲しい機能が充実したCMSを好きに選ぶことも可能です。
まとめ
今回はヤフーショッピング出店のデメリットの真実やメリットを踏まえ、自社ECサイトとの比較についてお話させて頂きました。
まとめますと、ヤフーショッピング出店のデメリットは以下の7つです。
- 大きな集客力は期待できない
- 競合が多すぎる
- 広告なしでは売上が見込めない
- 初期段階はほぼ売れない
- 売買成約時の手数料が高い
- 専用システムが使いにくい
- サポートが弱い
ヤフーショッピングに出店するメリットは以下の5つです。
- 出店・月額費用無料
- 外部リンクが可能
- メルマガ送信無料
- Yahoo !Japanの検索画面トップに表示
- ポイント集客が可能
上記を踏まえ、ヤフーショッピングの出店にはそれなりのメリットもありますが、結論としてはデメリットの方が上回っていると言わざるを得ません。
今からネットショップの参入を検討している方にとっては、デメリットの多いヤフーショッピングに出店するよりも、いっそのこと自社ECサイトで出店するという選択肢もあります。
ヤフーショッピングよりも自社ECサイトの方が有益な点は次の5つです。
- 売買成約手数料なし
- モール内競合なし
- 集客は自社独自で行える
- 店舗構築方法も自由
- CMSだと管理画面も自由に選べる
ヤフーショッピングの出店は無料、大手モールだからというメリットに目を向けて安易に決断するのではなく、数あるデメリットも含めて出店を慎重に検討するようにしましょう。
また、当サイト(ビズサイ)では、ECサイト制作のサービスプラン(サブスクリプション型)を提供しております。
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