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コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?【SEOの影響と対策方法】

  
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?

コアウェブバイタルは、新たなユーザーエクスペリエンス(UX・ユーザー体験)の指標として注目されています。

Googleがエクスペリエンスアップデートを行ったことは知っていても、コアウェブバイタルをくわしく理解していない人は多いです。

このコラム記事をご覧いただいている方の中にも、

『コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?』
『LCP・FID・CLSそれぞれの特徴を知りたい』
『SEO評価にどのくらい影響を与えるの?』
『いつから導入されるの?』
『コアウェブバイタルの指標を確認する方法を知りたい』

など、感じているかもしれません。

今回は、コアウェブバイタル(Core Web Vitals)について詳しく理解したい方に向けて「コアウェブバイタルとは何か」「LCP・FID・CLSの特徴」「導入時期」「コアウェブバイタルのSEO効果」「コアウェブバイタルの指標を確認する方法」についてまとめています。

コアウェブバイタルを正しく理解して、ご自身のWebサイトのユーザーエクスペリエンス向上にお役立てください。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?

ウェブバイタル(Core Web Vitals)は、Web上におけるユーザーエクスペリエンス(UX・ユーザー体験)を向上させるためにGoogleが定めた指標です。

ウェブバイタルの中でも特に重要な指標は「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」と呼ばれます。

コアウェブバイタルは、Googleが2020年5月ごろに新たなユーザーエクスペリエンス(UX・ユーザー体験)に関する重要な指標として発表しました。

今まで、Googleは様々な指標やツールを発表・提供してきましたが、Webサイト管理者はどの指標を最優先にして改善をおこなえばよいか、指標の意味がよく分からない状況でした。

例えば、今まで以下のような指標がGoogleで提供されてきました。

  • FMP(First Meaningful Paint)
  • FCP(First Contentful Paint)
  • SI(Speed Index)
  • TTI(Time to Interactive)
  • TBT(Total Blocking Time)

コアウェブバイタルを明確に提示することで、Webサイトの管理者が自身のコンテンツの課題を改善しやすくなり、結果的にユーザーエクスペリエンス(UX・ユーザー体験)が向上します。

コアウェブバイタルの3大指標の特徴

コアウェブバイタルには3つの指標があります。

  • LCP(Largest Contentful Paint)
  • FID(First Input Delay)
  • CLS(Cumulative Layout Shift)

この3つの指標に共通しているのは「Webページの表示」です。

Webページの正確な表示がユーザーエクスペリエンス向上には不可欠だといえます。

それぞれ指標の本質を理解し、正確なWebページの表示への対策について学びましょう。

LCP(Largest Contentful Paint)とは?

LCP(Largest Contentful Paint)とは「読み込み時間」に関する指標です。

正確には以下のように提言されています。

Largest Contentful Paint は、ユーザーがページで最も有意義なコンテンツをどのくらい早く見ることができるかを表します。感覚的な読み込みスピードを測定し、ページ読み込みタイムラインにおいてページの主要コンテンツが読み込まれたと思われるタイミングを指します。

引用:Web Vitals の概要: サイトの健全性を示す重要指標

LCPは、Webページの最上部のコンテンツ(画像・動画・テキストブロック)が読み込まれる時間を表します。

優れたユーザーエクスペリエンスを提供しているWebページであると判断されるには、Webページの読み込みを開始してから「2.5秒未満」で最も大きな要素が表示される必要があります。

LCPのスコアが低い要因は、画像の容量が重いことやザーバーの速度が遅いことが挙げられます。

ユーザーがコンテンツをすぐに閲覧できることは、ストレスなく快適にWebサイトを利用できる状態だといえます。

ユーザーがストレスなく快適に利用できるコンテンツを提供できるように対策を施す必要があります。

FID(First Input Delay)とは?

FID(First Input Delay)とは「インタラクティブ性」に関する指標です。

正確には以下のように提言されています。

First Input Delay は、最初の入力までの遅延を表します。応答性を測定して、ユーザーが最初にページを操作しようとする場合に感じるエクスペリエンスを定量化します。

引用:Web Vitals の概要: サイトの健全性を示す重要指標

FIDは、Webページにアクセスしたときに初めておこなう操作(クリック・タップなど)にブラウザが応答するまでの時間を表します。

優れたユーザーエクスペリエンスを提供しているWebページであると判断されるには、Webページで初めての操作をおこなってから「100ミリ秒(0.1秒)未満」でブラウザが応答する必要があります。

FIDのスコアが低い要因は、主にJavaScriptの実行です。 JavaScriptの量を減らすなど実行期間を分割する対策を試す必要があります。

FIDは、ユーザーの離脱率やコンバージョン率に関係している指標なので、必ず対策をおこないましょう。

CLS(Cumulative Layout Shift)とは?

CLS(Cumulative Layout Shift)とは「ページコンテンツの視覚的な安全性」に関する指標です。

正確には以下のように提言されています。

Cumulative Layout Shift は、ページがどのくらい安定しているように感じられるかを表します。視覚的な安定性を測定し、表示されるページ コンテンツにおける予期しないレイアウトのずれの量を定量化します。

引用:Web Vitals の概要: サイトの健全性を示す重要指標

CLSは、Webページ上で操作をおこなうときに予期しないページレイアウトのずれがどのくらいあるかを表します。

優れたユーザーエクスペリエンスを提供しているWebページであると判断されるには、予期しないページレイアウトのずれを「0.1未満」にする必要があります。

CLSのスコアが低い要因は、Webフォントがちらつく「FOUT」やテキストが表示されない「FOIT」、サイズ指定がない広告や画像などです。

Webページ上の操作で予期せぬ事態が起きると、ユーザーは不快に感じます。

また、ページレイアウトの動きが大きいと、それだけWebページの読み込みに時間がかかるので、さらにユーザーエクスペリエンスの低下に繋がります。

ユーザーが不快なくWebサイトを利用できるような対策を取りましょう。

コアウェブバイタルの導入時期

もともと、コアウェブバイタルは2021年5月に導入する予定でしたが、6月中旬に延期となっていました。

その後、コアウェブバイタルは2021年6月16日に導入を開始しました。

2021年6月16日に行われたアップデート(ページエクスペリエンスアップデート)の内容の一つにコアウェブバイタルの導入が含まれています。

Googleによると、コアウェブバイタルを含むページエクスペリエンスアップデートは段階的に行われ、2021年8月末までに完了する予定とのことです。

その後、2021年9月3日に「Google検索セントラル」の公式Twitterでページエクスペリエンスアップデートが完了したことを報告しています。

ページエクスペリエンスアップデート以前に、Webページのユーザーエクスペリエンスの要素で検索順位の上位表示を決定するランキング要因として用いていたものは以下の4つです。

  • モバイルフレンドリー
  • セーフブラウジング
  • HTTPS
  • コンテンツへのアクセスを阻害するインタースティシャルがない

上記のランキング要因に加えて、コアウェブバイタルの3つの指標が追加されます。

ここで注意が必要なのが、コアウェブバイタルは新しいランキング要因となりますが、3つの指標(LCP・FID・CLS)を改善したからといって、必ず検索順位が上がるというものではないということです。

次からは、Googleがコアウェブバイタルをランキング要因に加えた意味から検索順位に与える影響について解説していきます。

コアウェブバイタルが検索順位に与える影響

Googleが定めたコアウェブバイタルは、Webサイト管理者にとって優先的に改善すべき指標となります。

しかし、前述した通りGoogleがコアウェブバイタルを導入する目的は「ユーザーエクスペリエンスの向上」にあるので、3つの指標(LCP・FID・CLS)の改善をおこなっても検索順位に与える影響はそれほど大きくありません。

Googleウェブマスター向け公式ブログで、コアウェブバイタルが検索順位に与える影響について以下のように述べています。

ページ エクスペリエンスの構成要素はすべて重要ですが、ランキングでは、ページ エクスペリエンスの一部の要素が平均以下であっても、総合的に優れた情報を含むページが優先されます。
優れたページ エクスペリエンスが関連性の高い優れたコンテンツに勝ることはありません。 しかし、同様のコンテンツを含むページが複数ある場合は、ページ エクスペリエンスが検索ランキングで非常に重要になります。

引用:より快適なウェブの実現に向けたページ エクスペリエンスの評価

コアウェブバイタルがランキング要因に含まれている以上、検索順位に影響を与えるのは事実ですが、ユーザーのニーズを満たす「高品質なコンテンツ」よりも評価が勝ることはありません。

仮に同様の高品質なコンテンツがあって、コアウェブバイタルの3つの指標(LCP・FID・CLS)の評価に差がある場合は、その評価の差が検索順位に影響を与えるでしょう。

Googleはコンテンツの品質を重視しているので、Webサイト管理者が検索順位で上位表示するために優先すべきは「コンテンツの改善」です。

関連記事

Googleのランキング要因に含まれている「ページエクスペリエンス」の詳細は、以下のコラム記事をご覧ください。

ページエクスペリエンスとは?【Googleが重視するランキング要因】

コアウェブバイタルの指標を確認する方法

コアウェブバイタルの各指標を確認する方法は、Googleが提供している以下のツールを使用して確認できます。

  • Google サーチコンソール
  • Page Speed Insights
  • Chromeデベロッパーツール
  • Chromeの拡張機能(Lighthouseなど)

コアウェブバイタルの指標を確認するときには、ドメインに対して計測するツールや各Webページに対して計測するツールなど、使用するツールで計測方法がことなるので自身のWebサイト構成に合わせて計測することが大切です。

計測結果には3つの指標(LCP・FID・CLS)のそれぞれのスコアが表示されるので「検証→改善→検証→改善」を繰り返しユーザーエクスペリエンスの向上に努めましょう。

関連記事

コアウェブバイタルの各指標を計測できるツールに関しては、以下のコラム記事で詳しく解説をしています。

コアウェブバイタルのおすすめ計測ツール【各スコアの改善方法も】

3つの指標(LCP・FID・CLS)の目標数値

コアウェブバイタルの3つの指標(LCP・FID・CLS)の目標数値を以下にまとめています。

▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください

3つの指標 良好 改善が必要 不良
LCP 2.5秒未満 2.5秒~4秒 4秒を超える
FID 100ミリ秒(0.1秒)未満 100ミリ秒(0.1秒) ~
300ミリ秒(0.3秒)以下
300ミリ秒(0.3秒)を超える
CLS 0.1未満 0.25以下 0.25を超える

3つの指標(LCP・FID・CLS)の評価方法

コアウェブバイタルの3つの指標(LCP・FID・CLS)には「良好」「改善が必要」「不良」の三段階で評価されます。

各評価のポイントをまとめると、以下になります。

「良好」には評価の幅がない

「良好」の基準となる数値よりもさらに改善しても評価は上がりません。

例えば、LCPのスコアを2.4秒→2秒に改善しても評価は上がりません。

「改善が必要」には評価の幅がある

「改善が必要」は評価に幅があるので、同じ評価とは限りません。

例えば、LCPのスコアが2.6秒の場合と、3.9秒の場合では評価が異なります。

すべて「良好」でなくても評価はされる

3つの指標がすべて「良好」の評価を受けなくても相応の評価はされます。

「不良」は評価がされません。

「良好」「改善が必要」「不良」の改善に優先順位を付けるとすれば以下になります。

  1. 「不良」:UXの観点からすぐに改善すべき
  2. 「改善が必要」:さらに高評価を目指すなら改善すべき
  3. 「良好」:ランキング要因には無関係だがさらなるUXの向上を目指したい

Webページが「不良」と判定されたら「改善が必要」のスコア基準内に到達するように改善を行い、その後「良好」に近いスコアを目指すといいでしょう。

まとめ

今回は、コアウェブバイタル(Core Web Vitals)について解説しました。

要点を以下にまとめます。

  • コアウェブバイタルは新たなSEOのランキング要因の指標となる
  • 2021年6月中旬から段階的に導入され、2021年9月始めに完全導入された
  • 3つの指標(LCP・FID・CLS)はWebページの表示に関わる重要な指標
  • コアウェブバイタルは重要だが検索順位に与える影響が大きいのは「高品質のコンテンツ」
  • LCP・FID・CLSは「良好」「改善が必要」「不良」の段階的評価

コアウェブバイタルを改善させて、Webサイトのユーザーエクスペリエンス(UX・ユーザー体験)向上を目指しましょう。

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