ECサイト運営に資格は必要?取得で業界への転職・就職に有利になる資格10選
『EC業界で働きたいけど運営者を目指すには資格が必要なの?』
ECサイトの運営に資格は必要ありません。
ただし、今からEC業界への就職、転職を目指す方にとっては、資格という「見える形」でスキルを証明することは必ずやプラスとなるでしょう。
今回はECサイト運営での資格の必要性についてと、取得しておくと転職・就職に有利になる資格10選もあわせてご紹介いたします。
ご紹介する資格10選の内訳は、以下になっています。
- ECサイト運営者に役立つ知識が習得できる資格3選
- EC業界に転職・就職に有利になる資格4選
- ECサイトの集客に必須!Webマーケティング関連の資格3選
ECサイト運営自体に資格は必要なし
ECサイトの運営自体に特別な資格が必要な訳ではありません。
世の中には資格を有していないと携わることすらできない職種は数多くありますが、ECサイトの運営は資格をもっていなくても業務を遂行できます。
だからといって、EC業界へ転職や就職を目指したい方が全く何のスキルをもってなくても職務につけるのかといえば、そうとはいい切れません。
なぜなら、ECサイトの運営には様々なスキルが必要となるため、正しくは「専門スキルをもった人材不足」であることが実状だからです。
ECサイト運営に求められる専門スキルとは、ざっくり以下4つが挙げられます。
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スキル | 具体的な内容 |
---|---|
Web・ITスキル | ・HTMLやCSSなど基礎的なWeb知識 ・PhotoshopやIllustoretorなどの画像加工ソフト ・Excelやインターネット検索、SNSなどIT系ツールの基礎的な知識 |
リサーチ・マーケティングスキル | ・競合他社の調査 ・市場分析、アクセスデータ解析 ・戦略策定 ・ターゲット層の選定 など多岐にわたる |
集客・広告運用スキル | ・検索エンジン最適化(SEO) ・SNS ・リスティング・ディスプレイ広告 ・アフィリエイト広告 ・コンテンツマーケティング |
接客・コミュニケーションスキル | ・接客スキル ・コミュニケーションスキル |
EC企業は規模が大きいほど専門部署に業務が割り振られているため、必ずしも全てのスキルに長けていなくても問題ありません。
しかし、なるべく多種多様なスキルを身に付け、資格という「見える形」で第三者に証明することで好条件なEC企業への入社や、将来自身のショップを持ちたい方への目標達成によりチャンスが近づきやすくなるでしょう。
ECサイト運営者に役立つ知識が習得できる資格3選
ECサイト運営者を目指す方、現役の運営者に役立つ知識が習得できる資格は以下の3つです。
- ネットショップ実務士(検定)
- ネットショップマスター資格認定
- 通販エキスパート検定
ネットショップ実務士(検定)
出典:ネットショップ実務士
ネットショップ実務士とは、一般財団法人ネットショップ能力認定機構が主宰する民間資格です。
検定コンセプトは特定の事業者の基準に頼らず、ネットショップ運営に関する実務能力を総合的に推し量ることが目的とされています。
出題形式はマークシートによる選択方式で、合格基準は正答率50%以上が求められます。
ネットショップ実務士の職種やレベルは、次のようにカテゴリ分けされています。
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資格名称 | レベル分け | 実務レベル |
---|---|---|
ネットショップ実務士補 | 入門 | 入門レベル |
ネットショップ実務士L1 | レベル1 | 基礎知識レベル |
ネットショップ実務士L2 | レベル2 | 実践知識レベル |
ネットショップ実務士L3-O/W/P/M | レベル3 | 実践経験レベル |
ネットショップ実務士L4-W/P/M | レベル4 | 企画レベル |
ネットショップ実務士L5-P/M | レベル5 | 経営レベル |
入門~レベル1は社会人としての常識が身についていればでほぼ誰でも合格できるレベルです。
レベル2は集客・バックヤード業務に至るまでネットショップ運営に関わる知識全般を幅広く問われます。
ネット業界初心者の方は、まずレベル2の合格を目指すところから始めると良いでしょう。
レベル3以降になると急に難度が上がり、ECサイト制作~運営にいたるまでネットショップの実務レベルが問われます。
ネットショップ実務士を取得すると転職や就職時のアピール材料となるため、段階的なステップアップとしてはレベル3を目指したいものです。
ネットショップマスター資格認定
ネットショップマスターとは、一般社団法人ビジネススキル協会が主宰する資格認定講座です。
レベルはベーシック(初級)、3級(中級)、2級(上級)の3段階で、いわゆる民間資格ではなく、座学形式で1日の講座を受講すれば資格認定証が授与される方式です。
『講座を受けるだけで認定証がもらえる程度の資格は意味がない』と選択肢から外してしまいそうですが、ネットショップマスター資格認定講座を受講すると以下4つのメリットを得る事ができます。
- ASPなど協会が協賛するサービスの割引
- 公認個別セミナーへの割引参加
- ネットショップ運営に関するお悩み相談窓口
- EC業界への就職や転職の斡旋・支援
ネットショップの運営は確かなノウハウと経験がなければ成功しないといわれていますが、ネットショップマスター資格認定は第三者にスキルをアピールすることに主軸が置かれていません。
就職・転職支援、お悩み窓口などにより講座を受講したあとのアフターフォローが充実しているため、将来的に自身のショップをもちたいと独立を目指す方には大きなメリットとなりそうです。
通販エキスパート検定
出典:通販エキスパート検定
通販エキスパート検定とは、一般社団法人通販エキスパート協会が主催する民間資格です。
ネットショップに限らず、通信販売業界に関わる全ての方に向けた実務知識が総合的に問われます。
レベルは3級~1級の実務理論編に加え、最近新設された2つのスペシャリストコースと併せ、全部で5段階あります。
出題形式はパソコンによる60分4択からの選択方式で、合格基準は70点以上に達していなければなりません。
3級の基礎編は通販の仕組みやフローなどの基礎的な内容ですが、2級は通販マーケティング戦略や、通販の法務知識など実践的な内容となっています。
1級は通販コンサルタントを目指せるほど高度な内容となっており、新設されたスペシャリストは1級を通過した方が経営者クラスを目指せるほど業界でも定評のある資格検定です。
EC業界に転職・就職に有利になる資格4選
取得しておくとEC業界への転職・就職が有利になる可能性の高い資格は次の4つです。
- ウェブデザイン技能検定
- Webデザイナー検定
- HTML5プロフェッショナル認定資格
- Webクリエイター能力検定
ウェブデザイン技能検定
出典:ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定とは、NPO法人インターネットスキル認定普及協会が主催するWeb業界で唯一の国家資格です。
出題形式はマークシートと課題選択方式による学科60分とHTMLやCSSコーディングを含む実技試験60分に分かれており、合格基準は70点以上です。
実践スキルや理論も含めWebデザイナーを目指す上での総合的な資質が問われる内容となっています。
かつてWebデザイナーは一般的な職種としての認知度は高くありませんでしたが、近年の国内EC化率の上昇に伴い、ようやく国家資格としてスキルを客観的に証明する手段ができたのです。
Web業界唯一の国家資格ということで業界での注目度も高く、資格取得後の就職や転職率も高い割合を示しています。
Webデザイン技能検定のレベルは1~3級と3段階に分かれており、履歴書に書けるレベルは最低でも2級以上といわれていますが、2級以上の申し込みには短大、高専、大学卒以上など学歴基準が設けられています。
今後ますます需要が高まるEC業界やWeb業界で活躍しつづけたい方は要必見の資格です。
Webデザイナー検定
出典:Webデザイナー検定
Webデザイナー検定とは、公益財団法人画像情報教育振興協会が主宰する民間資格です。
Webデザイナー検定が他のWeb関連資格と大きくことなる点は、Webページのデザイン能力だけでなく、実務現場で欠かせないコンセプトメイキングからテスト評価、運用まで実践的な能力が問われる点です。
レベルはベーシックのレベル1、エキスパートのレベル2の2段階、試験方式は選択形式で、合格基準は70点以上となっています。
エキスパートのレベル2は実際にWebデザイナーとしての実務経験者でなければ簡単に受かりにくい出題内容となっています。
Web現場実務レベルでの実践力が問われるとして定評のある資格試験ですので、取得しておくことで転職、就職に有利に働くことは間違いないです。
HTML5プロフェッショナル認定資格
HTML5プロフェッショナル認定資格は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが主宰するHTML5やCSS3、JavaScriptのマークアップ、技術力を総合的に問う民間資格です。
レベルは基礎編のレベル1、応用・実務編の2の2段階、試験方式は90分間によるマウスの選択形式が大半となりますが、キーボードによる入力も伴います。
HTML5プロフェッショナル認定資格は「今後取得したい資格NO.1」に輝くほど、Web業界で最も求められている人気の高い資格となっています。
人気の秘密は既にHTML4は過去のものとなっており、HTML5が使える人材が圧倒的に不足していることが挙げられます。
もはやWeb現場ではHTML5を習得してなければクライアントが求める基準レベルの制作物が対応できなくなってきていることが否定できないからです。
EC業界のみならず、Web業界の制作現場で長きにわたって活躍したいとお考えのクリエイター志望者、現役クリエイターの方はぜひ受験を検討してみてください。
Webクリエイター能力検定
Webクリエイター能力検定試験とは、数多くのビジネス能力検定試験を手掛けるサーティファイが主催する民間資格です。
Webクリエイター能力検定試験は初の世界標準に対応した、累計受験者14万人以上とWeb制作の現場で最も受験者が多い資格です。
認定基準はスタンダードとエキスパートの2つあります。
スタンダードは、HTML5のマークアップ~CSSを用いてHTMLの構造を維持しながらWebデザイン、レイアウトを表現するまでが問われます。
エキスパートは、デザイン性をいかし、ユーザビリティを考慮したWebサイトを新規で作ることができるレベルまでが問われます。
試験形式は素材ファイルのダウンロード、回答をアップロードする形式、またはUSBで回答データを保存し、本部へ返送する形式のいずれかを選択します。
ECサイトの集客に必須!Webマーケティング関連の資格3選
ECサイトの集客に役立つWebマーケティング関連の知識が問われる資格は以下3つです。
- Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
- マーケティングビジネス実務検定
- ネットマーケティング検定
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)とは、Googleアナリティクスを深く理解し、機能を最大限に活用できる知識を推し量るためのGoogle公式認定資格です。
PV数、セッション数、ページ遷移率など、データに基づいてWebサイトを客観的に分析、集計するスキルが総合的に問われます。
出題形式は90分のオンラインによる選択方式で、合格基準は正答率80点以上です。
試験に合格するとGoogleアカウントに資格情報が紐づけられ、Googleアナリティクスについて業務レベルの知識を保有していることを第三者に客観的に証明する指標となります。
Googleは文字通り世界シェアNo.1の検索エンジンのため、公式認定の資格を取得することでWeb関連企業、EC業界への転職、キャリアアップに有利になることは間違いありません。
取得しておいて損はありませんので、万が一試験に合格できなくても無料で何度でもチャンレンジできるため、諦めずに何度でも再チャレンジし続けてみてください。
マーケティングビジネス実務検定
マーケティングビジネス実務検定とは、国際実務マーケティング協会が主催する民間資格です。
EC業界に限らず、特定の業種に捉われない総合的なマーケティング知識が問われる内容となっています。
出題内容はマーケティングの理念、消費者行動、リサーチ、戦略面はもちろん、目まぐるしく変わる現代のビジネスシーンに対応するための時事問題まで多岐にわたります。
レベルはA,B,Cの3段階で、Cは基礎、Bは中級・実務、Aは経営・マネージメントクラスに対応できるレベルとなっており、合格基準はレベルにより70~80点をクリアしなければなりません。
マーケティングビジネス実務検定は、Web業界だけのテクニックに走らず、「マーケティング」をあらゆる視点から客観的に判断する能力を付けたい方、EC業界の企画部署を狙っている方におすすめの資格といえます。
ネットマーケティング検定
出典:ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、前述のWebクリエイター能力検定試験と同じサーティファイが主催する民間資格です。
旧来からあるWeb関連の資格といえば、Webデザインやコーディングなどのクリエイター向きのものが中心でした。
しかし、今、Web業界で不足気味なのはWebビジネスの企画、立案ができる人材といわれており、ネットマーケティング検定はWebマーケティングに関する総合的な能力が問われる資格試験なのです。
試験方式は4択でのマークシート方式で、合格基準は正答率70%以上です。
出題傾向はWebサイトの構築、運用方法~ECサイトの実装方法、集客プロモーション方法、そして経営サイドの意向をくみ取る形でのWebブランディング法など、実務能力が問われる内容が中心となっています。
まさにネットマーケティング検定はEC業界で即戦力となるWebマーケティングスキルが身に付く資格試験といえるでしょう。
まとめ
今回はECサイト運営に向けた資格の必要性、取得しておくと転職・就職に有利になる資格10選とあわせてご紹介させて頂きました。
まとめますと、ECサイトの運営自体には特別な資格が必要な訳ではありません。
ただし、昨今EC業界では「専門スキルをもった人材不足」というのが実状があります。
ECサイト運営に求められる専門スキルとはざっくり以下4つの要素が挙げられます。
- Web・ITスキル
- リサーチ・マーケティングスキル
- 集客・広告運用スキル
- 接客・コミュニケーションスキル
今からEC業界への就職、転職を目指す方、将来自身のショップを持ちたい方にとっては上記4種類のスキルに基づき、資格という「見える形」で第三者に証明することは決して損な選択肢にはなりません。
上記を踏まえ、ECサイト運営者を目指す方、現役の運営者に役立つ知識が習得できる資格は次の3つです。
- ネットショップ実務士(検定)
- ネットショップマスター資格認定
- 通販エキスパート検定
取得しておくとEC業界への転職・就職が有利になる可能性の高い資格は次の4つです。
- ウェブデザイン技能検定
- Webデザイナー検定
- HTML5プロフェッショナル認定資格
- Webクリエイター能力検定
ECサイトの集客に役立つWebマーケティング関連の知識が問われる資格は以下3つです。
- Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
- マーケティングビジネス実務検定
- ネットマーケティング検定
EC企業は規模が大きいほど専門部署に業務が割り振られているため、必ずしも全てのスキルに長けていなくても問題ありません。
しかし、今後一層の成長が見込めるEC業界で長く重宝される人材となるには、資格取得に向けた学習を通し、なるべく多種多様なスキルを身に付けておきましょう。
まずは無料でご相談ください。
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