オウンドメディアとは?【意味・種類・目的を徹底解説】
オウンドメディア(Owned Media)とは、個人や組織などの企業が保有・管理しているメディアのことです。
企業が自由にコンテンツを発信できるプラットフォームとして、注目を集めています。
そんな、オウンドメディアの開設を検討するうえで、
『オウンドメディアの意味がいまひとつ理解できない』
『そもそもオウンドメディアって本当に必要なの?』
上記のような課題が生じるかと思います。
今回のコラム記事では、オウンドメディアの意味・種類・目的などを徹底解説しています。
※今回のコラム記事で掲載している情報は、記事公開日(2024年1月26日)時点になります
オウンドメディアとは?意味・定義
オウンドメディアは広義と狭義で意味が異なりますが、どちらも企業がコントロールできるメディアを指します。
広義の意味では、自社で保有・管理するメディアの総称のことです。
具体的には「ホームページ」「ブログ」「SNSアカウント」「メルマガ」「紙のパンフレット」などが挙げられます。
狭義の意味では、自社で保有・管理するホームページやブログなどのWebメディアを指します。
現在では、オウンドメディアというと狭義の意味で使われることがほとんどです。
オウンドメディアは、企業自身が情報発信とコンテンツ管理をおこなうため、顧客との関係を築くための強力なプラットフォームとして注目されています。
オウンドメディアとホームページの違い
ホームページは自社で保有するメディアのため、広義ではオウンドメディアに分類できます。
そもそも、ホームページはブラウザを起動したときに最初に表示されるWebページのことです。
しかし、現在ではトップページやWebサイト全体を指すことが多くなっています。
以上から、ここでは「ホームページ=企業のホームページ(Webサイト)」と仮定して解説をします。
オウンドメディアとホームページの違いを挙げると、運営目的やコンテンツなどです。
ホームページの主な目的は、訪問者に自社の情報を伝えることです。
そのため、企業の基本情報、商品・サービスの特徴、連絡先などのコンテンツを掲載します。
一方、オウンドメディアの主な目的はマーケティングです。
自社で提供する商品やサービスの販売につながるようなコンテンツを作成します。
要約すると、ホームページは「企業の情報を伝えるもの」で、オウンドメディアは「商品・サービスを売るためのもの」といった違いがあります。
オウンドメディアとSNSの違い
オウンドメディアとSNSは、目的と機能に違いがあります。
オウンドメディアは、顧客に自社の商品やサービスの魅力を伝えるためのメディアです。
一方、SNSはインターネット上でコミュニケーションを取るサービスのことです。
たとえば、短いメッセージや画像、動画を通じて情報を素早く共有し、ユーザー間のコミュニケーションを活性化させます。
したがって、オウンドメディアは商品・サービスの販売をするのに対して、SNSは即時性やコミュニケーションに焦点を当てているといった違いがあります。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアの目的は、主に4つあります。
- リードナーチャリング
- ブランディング
- 採用
- 直接的な収益化
オウンドメディアを開設する前の企業は、自社の課題を考慮して、どの目的に該当するのか事前に確認しておきましょう。
リードナーチャリング
オウンドメディアは、見込み顧客を自社の顧客に育成することができます。
オウンドメディアで商品やサービスの魅力を伝えることで、見込み顧客の興味や関心を高めて、顧客獲得につなげることが可能です。
ブランディング
自社のブランディングにもオウンドメディアは最適です。
企業はオウンドメディアを通じて、独自コンテンツを発信できるため、自社の強みや魅力を積極的にアピールできます。
たとえば、商品の優位性をアピールした記事を掲載すれば、顧客はそのブランドに親近感をもち、長期的な関係を築くことが可能です。
採用
採用活動を目的にしてオウンドメディアを開設する企業がいます。
オウンドメディアで企業の文化や働く環境をリアルに伝えれば、求職者に魅力を感じてもらえます。
たとえば、ブログ形式で社員インタビューを掲載したり、働き方改革の取り組みをアピールしたりと、採用に向けたPRの活用が可能です。
さらに、オウンドメディアを通じて、企業が求める人材像を明確に打ち出すことも可能です。
求人情報だけでは伝えきれない企業文化などを訴求することで、共感する優秀な人材の獲得につながります。
直接的な収益化
オウンドメディアでは、直接的な収益を得る目的で運用することがあります。
直接的な収益化の方法を一部挙げると、純広告、アフィリエイト広告、記事広告、インフィード広告などです。
オウンドメディの認知度やアクセス数が増えれば、広告を掲載して収益化を目指せます。
ほかにも、オウンドメディアとECサイトを組み合わせて商品販売をしたり、コンテンツを有料化して販売したりする方法もあります。
オウンドメディアを理解するうえで欠かせないPESOモデル
オウンドメディアを理解するうえで、PESOモデルは欠かせません。
PESOモデルとは、以下4つのメディアの頭文字を取ったマーケティング戦略のことです。
- ペイドメディア(Paid Media)
- アーンドメディア(Earned Media)
- シェアードメディア(Shared Media)
- オウンドメディア(Owned Media)
上記のメディアを組み合わせることで、総合的なマーケティング戦略を形成できます。
各メディアの役割を詳しく見ていきましょう。
ペイドメディア
ペイドメディアは、有料の広告を掲載して情報発信をするメディアのことです。
具体例としては、Web広告、テレビ、ラジオ、新聞、イベントのスポンサーなどが該当します。
ペイドメディアは、広範囲の顧客に企業や商品・サービスを認知させることができ、潜在顧客へのアプローチが可能です。
さらに、ペイドメディアはオウンドメディアへの誘導にも役立ちます。
ペイドメディアによる広告から自社のオウンドメディアへ顧客を誘導することで、集客アップや成果アップが期待できます。
このように、ペイドメディアは広告としての役割だけでなく、他メディアへの集客や成果を増やすための手段としても重要です。
アーンドメディア
アーンドメディアは、企業と関わりのない第三者が情報を発信するメディアのことです。
具体例としては、レビューサイト、口コミサイト、新聞記事などが該当します。
アーンドメディアは、企業側と発信者との間で金銭は発生しません。
発信者の商品・サービスを利用した感想は、口コミとして参考にしやすく、情報としての信頼を獲得できます。
一方で、アーンドメディアは発信者が第三者であるため、コントロールすることは難しい側面もあります。
アーンドメディアもオウンドメディアと連携することで、影響力を最大限に引き出すことが可能です。
シェアードメディア
シェアードメディアは、主にSNS上での情報共有を指します。
具体例としては、Facebook、X(旧:Twitter)、Instagram、YouTube、TikTokなどの投稿が該当します。
シェアードメディアの特徴は、情報がユーザーによって共有されることで、広く伝わる点です。
SNSは人々が自由にコンテンツを共有できる場であり、共有される情報は瞬く間に広がります。
企業やブランドが投稿するコンテンツが、フォロワーやユーザーによって「いいね」されたり、シェアされたりすることで、その情報はより多くの人に届くでしょう。
オウンドメディア
冒頭でも紹介したとおり、オウンドメディアは企業が保有・管理するメディアです。
オウンドメディアの最大の特徴は、企業が自由にコンテンツを作成できる点ですが、リーチは限定的です。
そのため、広範囲に情報発信するには、ほかのメディアとの連携が欠かせません。
たとえば、オウンドメディアのコンテンツをSNSで拡散したり、ペイドメディアからオウンドメディアに誘導したりなど、PESOモデルの他メディアとの組み合わせが重要となります。
オウンドメディアの種類
オウンドメディアには「公式サイト型」と「独立型」の2種類があります。
各オウンドメディアの特徴について解説します。
公式サイト型
公式サイト型のオウンドメディアは、企業のホームページを指します。
企業の情報や商品・サービスの情報を掲載して、ブログやニュースなどでユーザーに役立つ情報を発信するのが特徴です。
公式サイト型は、Webページの誘導がしやすいメリットがあります。
ホームページのWebデザインは基本的に同じなので、たとえばブログから商品・サービスのWebページへ誘導することも可能です。
さらに、公式サイト型は一つのホームページを運営するので、管理がしやすいのもメリットです。
独立型
独立型のオウンドメディアは、企業の公式サイトとは別に新たに構築するオウンドメディアです。
公式サイトのサブドメインで運用するオウンドメディアは独立型に該当します。
Webデザインは公式サイトと異なることが多く、完全に独立したメディアとして運営されます。
独立型の特徴は、公式サイトとは異なる視点やテイストで情報を発信できる点にあります。
たとえば、顧客向けのノウハウ記事をライフスタイル色強く発信するなどです。
独立型は、ブランドのイメージから一歩踏み出し、よりカジュアルで親しみやすい印象を与えることができます。
オウンドメディアのメリット・デメリット
オウンドメディアを運用するメリットとデメリットは、以下の表にまとめました。
オウンドメディアのメリット | オウンドメディアのデメリット |
---|---|
・自社の資産になる ・質の高い見込み客を集められる ・広告費の削減ができる ・効果的なブランディングが期待できる ・顧客のロイヤルティを向上できる ・競合他社との差別化が可能 ・オウンドメディアリクルーティングが可能 |
・ランニングコストがかかる ・成果が出るまで時間がかかる ・専門知識が必要 ・効果測定が難しい |
オウンドメディアは、自社資産の構築、見込み客の獲得、ブランディングなど多くのメリットがあります。
また、広告費の削減やリクルーティングにも有効です。
一方、オウンドメディアは継続的な運営コストや成果が現れるまでの時間などのデメリットも存在します。
そのため、オウンドメディアは長期的な視点と戦略的な計画が必要な取り組みといえるでしょう。
オウンドメディアに必要なコンテンツ例
オウンドメディアに必要なコンテンツ例を紹介していきます。
オウンドメディアの目的によって必要なコンテンツは異なるので、あくまで参考程度にしてください。
ブログ記事(コラム記事)
オウンドメディアで効果的なコンテンツの一つが、ブログ記事(コラム記事)です。
ブログ記事は、特定のテーマやトピックに対する深い洞察や意見を提供するもので、読者に価値ある情報を伝えます。
たとえば、企業の商品やサービスに関連する知識をわかりやすく解説する記事を掲載すれば、読者が企業に共感をもち、ファンになるきっかけにもなるでしょう。
オウンドメディアのブログ記事は、単なる情報発信だけではなく、読者との関係構築を目的とした重要なコンテンツと位置付けることができます。
なお、SEOを意識した記事を公開することで、自然検索からオウンドメディアへの流入が期待できます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、企業が提供する商品やサービスに関してまとめられた資料です。
資料には、商品・サービスの仕様、機能の説明、導入事例などを紹介するのが一般的です。
ホワイトペーパーはオウンドメディアを訪れた潜在顧客が、商品やサービスを検討するときの参考情報として利用することを想定しています。
そのため、ホワイトペーパーで実際の利用シーンをイメージしやすい内容を提供することで、商品・サービスへの理解が深まり、問い合わせにつながりやすくなります。
特にBtoB向けの商品・サービスは検討期間が長い傾向にあるので、ホワイトペーパーはリード獲得に有効です。
FAQ
FAQ(よくある質問)は、オウンドメディアにおいて重要なコンテンツの一つです。
FAQ は、ユーザーからよく寄せられる疑問や質問に対して、企業が回答を用意する形式のコンテンツです。
たとえば、商品の使い方でわからない点や、サービスの仕様に関する質問への回答を事前に用意しておくことで、ユーザーの不安が解消できます。
オウンドメディアの始め方
続いては、オウンドメディアの始め方を紹介します。
コンセプト設計からコンテンツ制作までの流れを見ていきましょう。
コンセプト設計
コンセプト設計を実施します。
何のためにオウンドメディアを開設するのか、明確な目的を決めましょう。
次に、ターゲットのニーズと興味を把握しながら、競合他社のメディアを調査します。
ターゲットが求める情報の種類やスタイル、よく訪れるプラットフォームを理解することが重要です。
同時に、競合他社のメディアがどのようなコンテンツを提供しているかを分析し、どこに差別化のポイントがあるかを見極めながら自社メディアのコンセプトを決定していきます。
オウンドメディア制作
オウンドメディアの制作方法には、主に以下3つの選択肢があります。
- 外部委託
- 一部を外部委託
- 自社内製
たとえば、オウンドメディア構築のスキルやリソースがない場合は、外部委託が向いています。
一方、オウンドメディア構築のスキルはないが、SEOに関しての知識や経験がある場合は、オウンドメディア構築の一部を外部委託することも可能です。
適切なスキルとリソースがある場合は、自社内製が向いているでしょう。
最終的にどの方法を選ぶかは企業の目的、予算、リソースなどによって異なります。
運営体制を決める
オウンドメディアを運用するには、運営体制を決めなければいけません。
自社でオウンドメディアの運用をする場合は、運営チームを整えることが重要です。
全体をまとめる責任者、コンテンツの作成者・編集者、マーケターなどの人材を集める必要があります。
オウンドメディアの運用を外部委託する場合は、どの範囲まで外部に任せるかを決める必要があります。
たとえば、コンテンツ制作のみを外注するか、それとも運用全体を代行してもらうかなどを検討しましょう。
コンテンツ制作
コンテンツ制作では、ターゲットの興味や検索動向を考慮したキーワード調査が必要です。
これにより、潜在顧客が情報を探すときに、オウンドメディアのコンテンツが見つかりやすくなります。
次に、読者に情報を効果的に伝えるための構成を考えます。
たとえば、記事の導入文で読者の関心を喚起し、本文で詳細な情報を提供、最後に結論や行動を促すような形が有効です。
最後に、文章のライティングに取りかかります。
ライティングでは、選んだキーワードを自然に取り入れつつ、わかりやすく魅力的な文章を書くことが求められます。
読者にとって有益で、かつ興味深い内容を提供することが重要です。
オウンドメディアを始める前の注意点
最後に、オウンドメディアを始める前の注意点を紹介します。
下記内容を考慮したうえで、オウンドメディアの計画を立てましょう。
- 戦略はかならず立てる
- 構築費用の相場を理解する
- リソースの確保が必要
戦略はかならず立てる
オウンドメディアを始める前には、戦略をかならず立てるようにしましょう。
戦略なしでは、オウンドメディアの効果を得ることが難しくなるためです。
オウンドメディアの戦略では「目的」「ターゲット」を明確にしなくてはいけません。
仮に、戦略がないと下記のようなオウンドメディアになるリスクがあるためです。
- 目的もなく単に情報発信をするメディア
- 誰に向けて、何のために情報発信しているのかわからないメディア
戦略のないオウンドメディアは、読者に刺さらないコンテンツとなり、集客にもつながりにくくなります。
したがって、オウンドメディアを運用する前には、読者にとって有益な情報を提供できるよう事前に戦略を立てることが重要です。
構築費用の相場を理解する
オウンドメディアを始める前には、構築費用の相場を理解することも大切です。
オウンドメディアの構築にかかる費用は、デザインや戦略設計の有無などによって大きく異なります。
たとえば、簡易的なオウンドメディアの場合、初期費用は数万円~20万円程度が相場です。
一方、オリジナルデザインのオウンドメディアの場合、初期費用は20万円~100万円が相場となります。
オウンドメディアを構築するときには、初期段階で必要最低限の機能に絞り、徐々に拡充していく方法が有効です。
また、外部委託と内製のバランスを考えることも重要です。
計画段階で予算をしっかりと把握し、無理のない範囲でオウンドメディアを構築するのが成功のポイントとなります。
リソースの確保が必要
オウンドメディアを始める前には、リソースの確保も必要です。
オウンドメディアで目的を達成するには、基本的に集客をしないといけません。
集客をするには、ユーザーが求める記事を提供する必要があります。
記事を書くときには、その内容が企業の利益につながるようにしなくてはいけません。
さらに、ライターが質の高いコンテンツを作成したあと、事実確認のための校閲や誤字脱字を正すための校正をおこなう担当者も必要です。
ほかにも、記事に使用する画像の作成、記事の入稿をする担当者も必要になってきます。
このように、オウンドメディアは単なる記事作成以上の作業を要求されるため、各段階に適切な人材を割り当てる必要があります。
まとめ
オウンドメディアについて解説をしました。
オウンドメディアは、企業が保有しているメディアです。
運用する主な目的は「リードナーチャリング」「ブランディング」「採用」「直接的な収益化」などです。
オウンドメディアは、自社資産の構築や競合他社との差別化など多くのメリットがありますが、成果が出るまで時間がかかる点がデメリットです。
また、オウンドメディアの構築には「外部委託」「一部を外部委託」「自社内製」の3つの方法があります。
自社の目的、予算、リソースなどを考慮し、最適な構築方法を選定しましょう。
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