ホームページ制作におけるリース契約をしてはいけない6つの理由【注意】
企業にある車や複合機、電話機などをリース契約しているケースは多いと思われます。
リースは企業にとって珍しくもない契約ですが、ホームページ制作においてもリース商法を行う業者が存在します。
結論として、ホームページ制作におけるリース契約はやめたほうがいいです。
『なぜホームページ制作でリース契約をしたらいけないの?』
と疑問をもつ方がいらっしゃると思います。
今回のコラム記事では、ホームページ制作を外注する・外注の検討をしている会社様に向けて、ホームページ制作のリース契約とは何か、リース契約をしてはいけない6つの理由、初期費用をおさえる方法などについて解説をしています。
リース契約とは
リース契約とは、あるモノを利用したい場合、購入ではなくリース会社が購入したモノを一定期間のリース料として月額払いをすることでモノが借りれる契約のことです。
リースの対象になる製品(情報関連機器の場合)を例にあげると、パソコンや複合機、ルーター、ビジネスフォン、サーバーなどです。
リース契約は少額から設備を導入できたり、リース料を経費として計上できるなどのメリットがあります。
リース契約には、大きく分けて「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2種類があります。
両者の主な違いは以下の通りです。
- ファイナンスリース
-
利用者がもっていないモノをリース業者が代わりに買ってきて、それを貸してあげる(お金を立て替えるイメージ)
- オペレーティングリース
-
リース業者がもっているモノを利用者に貸してあげる
さらに、ファイナンスリースはリース期間満了後に、
- 所有権がユーザーに移される「所有権移転ファイナンスリース」
- 所有権がユーザーに移されない「所有権移転外ファイナンスリース」
の2つに分類されます(※)。
※ 新リース会計基準(IFRS第16号)が適応することにあたり、ファイナンスリースとオペレーティングリースの区分がなくなります
ポイント!
ホームページ制作におけるリース契約の多くは、オペレーティングリースで取引をしています。
ホームページ制作ではリース契約ができない
ホームページは無形(形のないモノ)なので、リース契約を結ぶことができません。
ホームページ制作でリース契約をおこなう業者は、パソコン・タブレットやCDなどを用意して、それを代用品としてリース契約をします。
つまり、リース料として月々支払うのは、ホームページに対してではなく、代用品であるパソコン・タブレットやCDに対してです。
リース契約では、業者(今回はホームページ制作業者)とリース業者が契約を交わします。
ホームページ制作のリース契約が成立した場合、リース業者からホームページ制作業者へリース契約年月分の費用が一括入金されるため、ホームページ制作をリース契約させようとする業者があとを絶ちません。
ホームページのリース契約をおすすめできない6つの理由【なぜダメか?】
ホームページ制作のリース契約をおすすめできない理由は、主に6つあります。
- 途中解約・キャンセルができない
- クーリングオフができない
- ホームページの所有権・著作権は業者
- ホームページが古いままに
- 初期費用が安くてもトータルコストでみると高額になる
- ホームページ制作業者・リース業者が倒産するリスクがある
それぞれ、くわしく解説をしていきます。
途中解約・キャンセルができない
原則、リース契約がされた時点で契約期間中の途中解約やキャンセルはできません。
ホームページ制作におけるリース契約の多くは、契約年数が5年ほどです。
ホームページ制作業者のサポート体制がよくなくて、別のホームページ制作業者に乗り換えたい場合でも、リース契約期間中であれば途中解約ができません。
リース契約では途中解約・キャンセルができないのを逆手にとって「リース契約の方が初期費用が安い」「ホームページで検索上位にできる」などをうたって、ホームページ制作をリース契約させる悪徳業者がいます。
ちなみに、リース期間が満了すると再契約しないかぎり、リース契約は終了します。
リース契約期間中の途中解約・キャンセルをしたい場合
残りの期間のリース料または、違約金を一括で支払う必要があります。
クーリングオフができない
ホームページ制作におけるリース契約は、クーリングオフ制度の適応ができません。
クーリングオフとは、契約後一定期間の間に無条件で契約解除ができる制度のことです。
クーリングオフは、もともと一般消費者を対象にした制度で、事業者間の取引にはクーリングオフが適応されません。
以上のことから、ホームページ制作で一度リース契約を交わしてしまうと、クーリングオフが適応できず、契約年月分の費用がかかるので、安易に契約を交わすのは止めましょう。
ホームページの所有権・著作権は業者
リース契約期間中のホームページの所有権は、支払いをした自社ではなくリース業者です。
リース業者がホームページの所有権をもっているため、自社のホームページなのに情報の変更・更新などが自由にできません。
ホームページ制作業者にホームページ内のコンテンツを変更・更新をしたい場合でも、別途費用がかかります。
また、ホームページ内のコンテンツ(テキスト・画像・イラスト・音声・動画など)の著作権についても、基本的にホームページ制作業者がもっている場合があります。
ホームページが古いままに
リースは長期間の契約になるので、リース期間満了後には見た目も中身も古いホームページになってしまいます。
インターネット業界では技術の進歩・発展速度が速く、リース契約が終了したときにはホームページのデザインやシステム機能などは時代遅れになります。
リース契約におけるホームページの所有権はリース業者にあるため、基本的にホームページ制作をしてから、リース契約期間が満了するまでホームページは放置されます。
ホームページ内のコンテンツの変更・更新をホームページ制作業者に依頼しても、制作業者はリース契約した時点で費用の回収ができているため、何かの理由をつけて取り合ってくれないのがほとんどです。
初期費用が安くてもトータルコストでみると高額になる
ホームページ制作におけるリース契約は、通常の契約(ホームページ制作業者に直接支払う)と比べると、初期費用をおさえてホームページを開設することができます。
「初期費用0円、月額2万円でホームページを開設できる!」と、リース契約が魅力的にみえる方がいらっしゃるはずです。
ただし、トータルコストでみると、リース契約のほうが通常の契約よりも費用が高くなるケースがほとんどです。
例えば、ホームページ制作で通常の契約とリース契約したのを比較すると、
- A)通常の契約=40万円(初期費用)
- B)リース契約:2万円(月額)×60か月(5年)=120万円(※)
※ リース契約期間が5年の場合
トータルコストで3倍もの費用に差が生まれます。
もちろん、一括で制作費用を支払うのが難しい会社様にとってリース契約は負担が少なくホームページの開設ができます。
しかし、リース契約はトータルコストでみると安いとはいえず、リース期間満了後には時代遅れのホームページになることは間違いありません。
ホームページ制作業者・リース業者が倒産するリスクがある
リース契約は長期間続くので、リース契約期間中にホームページ制作業者やリース業者が倒産するリスクがあります。
ホームページ制作業者やリース業者などが倒産すると、サポートを受けれないだけでなく、ホームページが消滅してしまう可能性があります。
また、ホームページ制作業者やリース業者が倒産しても、リース料の支払いは続きます。
業者の倒産のリスクを考えると、自社でホームページの所有権をもったほうが安心でしょう。
初期費用をおさえてホームページをもつ方法
ホームページ制作でリース契約をしてしまったケースの多くは「高額な初期費用(制作費)がネックだった」はずです。
ホームページ制作業者では、制作費用の支払いが一括支払いか2回払い(契約時・納品時)のところが多いので、初期費用の金額が大きいと一括で支払うのは負担が大きいでしょう。
初期費用(制作費)をおさえつつホームページをもつ方法は、主に3つあります。
- 月額払いができるホームページ制作業者を探す
- 自社で準備・用意をする
- ホームページ作成ソフトを使用する
月額払いができるホームページ制作業者を探す
月額払いができるホームページ制作業者に依頼すると、初期費用をおさえてホームページの開設ができます。
ただし、先述したとおり、ホームページ制作業者では制作費の支払いが一括支払いか2回払いのところが多いので、月額払いができるホームページ制作業者を探すのは簡単ではありません。
月額払いができるホームページ制作業者を探すかたは、サブスクリプションのホームページ制作を行う業者にホームページ制作の依頼をするといいでしょう。
サブスクリプション(通称:サブスク)とは、料金を支払うことで一定期間のサービスを受けれるサービスのことです。
最近では、サブスクリプション型のホームページ制作を行う業者が存在しており、月額払いでホームページの開設ができます。
当サイト『ビスサイ』でもサブスクリプション(月額制)のホームページ制作サービスを提供しております。
ビズサイのホームページ制作サービスは、月額4,980円(税抜)からのプランがあり、お客様のご希望・ご要望に応えるために様々なオプションサービスをご用意しております。
ホームページ制作サービスについて、くわしくは「サービスページ」をご覧くださいませ。
自社で準備・用意をする
ホームページを制作業者に依頼する場合、初期費用をおさえる方法として、自社でできることは自社で行いましょう。
自社でできることを例にあげると、
- 各コンテンツ(画像・原稿)を自社で用意
- ドメイン・サーバー・SSLサーバー証明書などの取得・管理を自社で行う
- ホームページの更新・投稿は自社で行う
などがあります。
CMSで構築したホームページにすると、初心者でも比較的かんたんにホームページの更新・投稿ができます。
CMSとは、HTML・CSSの専門知識がなくてもホームページの作成・管理・更新などができるシステムのことです。
ホームページ作成ソフトを使用する
ホームページ作成ソフトを使用して自分でホームページを作成する方法は、初期費用が最もかからない方法です。
ホームページ作成ソフトには、WordPress(ワードプレス)やJimdo(ジンドゥー)など無料のCMSから、MovableType(ムーバブル・タイプ)など有料のCMSまであります。
ホームページ作成ソフトは、HTML・CSSなどの専門知識がなくても比較的かんたんにホームページ作成ができます。
しかし、自分でホームページ作成をするのは業者にホームページ制作を依頼するのと比較すると、
- オリジナリティのあるデザインが作成しにくい
- SEO対策が弱いホームページができあがってしまう
- セキュリティ対策が不完全になってしまう
などのデメリットがあります。
「名刺代わりのホームページ」などの目的であれば自分でホームページを作成してもいいかもしれませんが、ホームページの目的が集客や売上アップなら、マーケティングやセキュリティに強いホームページ制作業者にホームページ制作の依頼をするといいでしょう。
まとめ
ホームページ制作におけるリース契約について解説をしました。
ホームページは形があるモノではないので、リース契約を結ぶことはできなく、パソコン・タブレットやCDなどを代用品としてリース契約をするホームページ制作業者が存在します。
また、ホームページ制作でリース契約をおすすめしない理由をまとめると、
- リース契約期間内の途中解約・キャンセルができない
- 事業者間の取引によるリース契約ではクーリングオフ制度が適応されない
- ホームページの所有権・著作権は自社ではなく業者
- リース契約期間が満了するころには、ホームページのデザインやシステム機能などが古くなっている
- リース契約は短期間だと低コストにみえるが、長期間でみると割高
- リース契約期間中にホームページ制作業者・リース業者が倒産する可能性がある
となります。
中小企業のみなさまは、ホームページ制作に多くの予算を割くのが難しいと思います。
ホームページ制作業者に本格的なホームページの制作依頼をすると、100万円以上かかることも珍しくありません。
ホームページ制作にかかる初期費用を安くおさえるには、
- 一括払いよりも初期費用をおさえれる月額払い可のホームページ制作業者を探す
- 可能な限り自社で準備・用意をする
- ツールを使用して自分でホームページを作成する
などを参考にしてみましょう。
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