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ネットショップの開業資金はいくらかかる?売上目標別予算内訳・資金調達まで一挙紹介

  
ネットショップ開業費用

『ネットショップの開業資金っていくらぐらいかかるの?』

パソコン1つで個人でも簡単に参入しやすいネット販売市場。

ネットショップ開業ラッシュの中、一体いくらぐらいの資金が要るのか気になるはずです。

今回はネットショップ開業資金に必要な8つの項目と、開業にはズバリいくらかかるのか、を売上目標別の概算と共に徹底解説致します。

コラム記事の最後ではネットショップ開業にぴったりの「資金調達方法」を、お役立ち情報もご紹介しております。

今回のコラム記事を読めばネットショップ開業に必要なお金の全てを知ることができます。

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ネットショップの開業を予定している方や検討している方は、以下のコラム記事がおすすめです。

ネットショップ開業の11個の手順・成功に導く開業方法・知っておくべきコツを徹底検証

ネットショップ開業資金に必要な8つの項目

ネットショップ開業資金に必要な項目は以下8つを算出する必要があります。

  1. 事業所・地代家賃
  2. インターネット回線費用
  3. 出店費用
  4. Webサイト制作費
  5. 仕入れ資金
  6. 運転資金
  7. 梱包資材費用
  8. プロモーション費用

事業所・地代家賃

パソコン1台あれば比較的簡単に始められるネットショップの開業費用に「地代家賃」は必須ではありません。

しかし、運営者の様々な事情により自宅以外で事業所を借りなければならない状況に差し迫られることがあるため、遅かれ早かれ別で事業所を借りた場合を想定して開業費用を算出しておくことは無駄にはなりません。

事業所を賃貸契約しなければならない状況とは、例えば以下のようなケースです。

  • 自宅住所をECサイト内に公開したくない
  • 自宅に荷物の置き場がない

ネットショップにおいて運営者住所の公開は楽天市場やAmazonなど大手ショッピングモールへの出店では必ず義務付けられており、他のプラットフォームでも原則的に推奨されています。

また、一般ユーザーの立場からすれば、所在や正体がわからない出店者から商品を購入することに不安を感じることもあります。

しかし、運営者側としては自宅の住所をインターネット上で公開することはセキュリティ面を含めて抵抗があるのも否定できません。

また、将来的に在庫の保管場所に困るであろうことを想定すれば初期段階から自宅以外の事業所を構えて事業を開始することがスムーズという見方もできるでしょう。

インターネット回線費用

インターネットを使った作業が必須となるネットショップ事業では、毎月のインターネット回線費用が必ず必要となります。

主な費用の内訳は、以下になります。

  • インターネット回線費用
  • レンタルサーバー費用
  • ドメイン費用

インターネット回線は全てのネット販売事業者共通で必要な経費となりますが、レンタルサーバーとドメインの費用は主に独自で自社ECサイトを構築する場合に必要になる経費です。

楽天市場やAmazonなど大手ショッピングモールへの出店時には独自ドメインが取得できないため、自社でドメインを取得する必要がありません。

また、サーバー代もショッピングモールやASPカートサービスを使ってECサイト構築を行う場合は、プラットフォーム側が用意するサーバーを利用するため不要となります。

出店費用

楽天市場やAmazonなどの大手ショッピングモール、あるいは有料ASPカートサービスでネットショップを出店する場合は、ある程度の初期費用が必要になります。

費用はプラットフォーム事業者によってことなりますが、出品できる商品数や容量によって分かれており、おおよそ数万円~数十万円が相場です。

大手ショッピングモールでは楽天市場の初期費用が最も高額となっており「がんばれ!プラン」の月額出店料19,500円(税抜)を1年間分一括前払いで支払うことになっています。

ECサイト制作費

ネットショップを構築するにはWebデザインやコーディングなどを伴うECサイト制作作業が必須となります。

自身、あるいは社内にWebデザインやコーディング知識をもつ人材がいればECサイト制作費用はかかりませんが、そうでない場合は「ECサイト構築費用予算」として開業資金に含めておく必要があります。

費用は業者によってマチマチですが、標準的なECサイト制作で30~40万円程度が相場となっています。

また、ECサイトの制作費は初期だけでなく、キャンペーンバナーやページ制作などサイト運営上においても随時必要になるため、どの程度まで外注に任せるのかを含めてランニングコストも想定して算出しましょう。

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ECサイト制作にかかる費用相場については、以下のコラム記事をご覧ください。

ECサイト構築費用はいくら?予算を安く抑えたい方向けおすすめ事業者も紹介

仕入れ資金

音楽や著作物などのコンテンツ販売では必要ありませんが、物販を行うネットショップにおいては仕入れ資金が必ず必要になります。

仕入れ資金は、扱う商品のジャンルによってことなりますので一概にいえませんが、利益率20%のジャンルなら月商100万円に対し、単純計算で約83万円分の仕入れをしなければなりません。

基本的には利益率の低い商品ほど目標売上と同等の仕入れ額が必要になり、利益率の高い商品ほど仕入れ資金を削減することができます。

例えば、ネットショップで人気の高い家電などは平均利益率5%といわれるため、この様に利益率の低いジャンルほど大きな資金を検討する必要があるでしょう。

運転資金

ネットショップ開業を検討されている事業者の中には「ネットショップ開業資金=ネットショップ構築費用」のことであると解釈されている方が少なくありません。

ところがネットショップのオープンには「運転資金」という重要項目を開業資金の中に含めて計算すべきなのです。

なぜなら、ネットショップの代金回収方法は現金ではなく、クレジットカードやID決済、モバイル決済、コンビニ決済などファイナンシャル事業者を仲介する決済方法が主流となるからです。

ファイナンシャル事業者は締め日と入金サイクルが定められており、おおよそ回収時期が最短で売り上げ月の翌月、最長で翌々月になります。

つまり、メーカーや問屋から商品を仕入れた時期から2~3か月のサイクルが代金回収までにかかるため、ネットショップ開業時の運転資金を売上目標の3か月分を目安に検討する必要があるでしょう。

梱包資材費用

宅配袋、セロハンテープ、エアパッキンなどの梱包資材は、ネットショップ運営における必須コストです。

ネットショップの平均客単価は3,000円といわれていますが、平均客単価3,000円で100万円の売上を上げるには約300件分の梱包資材費用が必要になる計算です。

梱包資材は「アスクル」など業者向けのBtoBサイトで安く購入できますが、100万円の売上に対し1%ほどの費用をみておけば、ほぼ賄うことができます。

プロモーション費用

プロモーション費用とは、ネットショップにおける集客にかかる費用のことです。

楽天市場やAmazonなどのショッピングモールは、圧倒的な集客力と会員情報を共有できるため、初期段階のプロモーション費用はある程度削減できます。

一方、自社ECサイトの場合はECサイトの認知度は全くないため、オープン時にプロモーションを行わなければ全くといって良いほど顧客の流入が期待できません。

自社ECサイトにおける初期段階のプロモーション方法には、以下のような選択肢があります。

  • チラシ・DM・販促物制作
  • リスティング広告
  • SNS広告
  • アフィリエイト広告

インターネット上で運営するネットショップですが、オープン時はチラシやDM、販促物を使ったプロモーションはある程度有効です。

リスティング、SNS、アフィリエイトなどのWeb広告も費用が安いとはいえませんが、即効性が期待できる方法であることは間違いないため、予め予算を決めて活用したいものです。

売上目標別ネットショップ開業資金一覧

以下は在庫販売を前提とした売上目標別ネットショップ開業資金の概算を一覧でまとめたものです。

▼スマホの場合は横にスクロールしてご覧ください

目標売上額 粗利率20% 固定経費 利益額 開業資金目安
100万円 20万円 10万円 10万円 300万円
200万円 40万円 20万円 20万円 600万円
300万円 60万円 30万円 30万円 1,000万円
500万円 100万円 50万円 50万円 1,500万円
700万円 140万円 70万円 70万円 2,100万円
1,000万円 200万円 100万円 100万円 3,000万円

※平均粗利率20%のジャンル商品を代金回収まで2~3か月資金を寝かせた場合の数値
※上記の数値はあくまで目安です

開業資金の総額はECサイト制作外注費や出店方法によってことなるため、一概にはいえませんが、目標売上金額の3か月分をみておくことが目安となります。

上記の数値は在庫販売を前提とした概算で、開業資金内訳で最も大きなウエイトを占めているのは在庫する「仕入れ資金」です。

無在庫販売、あるいは無在庫販売と併用すれば開業資金をさらに削減することができます。

粗利率はジャンルによって全くことなるため、ここでは平均粗利率20%とした場合の運転資金を想定しています。

固定費は売上目標の10%程度を目安にしていますが、人件費や外注費などのランニングコストを増やすと固定費も増えていくため、初期段階はなるべく固定費を削減する事業計画をたてるようにしましょう。

開業資金を抑えるための3つの施策

『毎月30万円の純利益を得るのに1000万円の開業資金が必要!?』
『そんな多額の資本はとても用意できない…』

資本金が少ない小規模事業者にとって毎月30万円の純利益を得るのに、1,000万円もの資金が必要になると聞けば躊躇してしまうものです。

繰り返しとなりますが、先ほどのネットショップ開業資金の概算シミュレーションはあくまで平均粗利率20%のジャンル商品を代金回収まで2~3か月資金を寝かせた場合の数値です。

前述の仕入れ資金目安を含めて開業資金をなるべく削減するには、以下3つの手段を検討することが有力な選択肢となります。

  • 無在庫販売を強化する
  • 中国など海外仕入れをメインにする
  • 代金回収サイクルを早める

無在庫販売を強化する

ネットショップの売上は商品点数の多さとある程度比例しますが、だからといって出品する商品全ての在庫を保有すると資金がいくらあっても足りません。

そこで、近年では国内や海外の仕入れサイトをうまく活用し、無在庫販売を強化するネットショップ事業者が増えつつあります。

無在庫販売を中心とすれば仕入れ資金が大幅に削減できるため、ネットショップ開業に多額の資本は必要ありません。

ECサイトオープンの初期段階は開業資金を抑えるために無在庫販売中心でECサイトを運営し、ECサイトの知名度と収益が安定した頃に在庫商品を増やしていくのも1つの戦略となるでしょう。

中国など海外仕入れをメインにする

ネットショップの仕入れは国内メーカーや問屋、あるいは仕入れサイトから購入する方法が王道となりますが、近頃では中国など海外からの仕入れが主流になりつつあります。

中国や海外からの仕入れ原価は国内仕入れの50~60%オフの商品が多数を占めるため、国内メーカーや問屋から仕入れを行うよりも大幅な利益率アップが狙えます。

もちろん開業資金の削減に大いに貢献するため、中国など海外からの仕入れの割合を増やす選択肢も視野にいれておきましょう。

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海外から商品を仕入れる方法について詳しくは、以下のコラム記事をご覧ください。

海外仕入れ方法徹底解説!ネットショップにも活用できるECサイト15選を国別でご紹介

代金回収サイクルを早める

開業資金を削減する方法は、仕入れコストの削減や、利益率アップだけではありません。

代金回収サイクルを早めることで運転資金の金額を大幅に削減することができるのです。

例えば、楽天市場などのショッピングモールでは商品販売成立時から最短1週間~10日以内に回収可能な決済方法が用意されており、近頃では大手ファイナンシャル事業者の決済サービスであればおおかたどこでも導入されています。

代金回収期間を早めると手数料は若干高くつきますが、まだECサイトが軌道にのっていない開業当初は代金回収サイクルを短縮することも有力な選択肢として視野にいれておきましょう。

ネットショップ開業資金向け5つの調達方法

ネットショップ開業資金の有力な調達方法には、以下5つのような手段があります。

  • 日本政策金融公庫
  • 信用保証協会
  • 銀行・ノンバンクなどの金融機関
  • クラウドファンディング
  • 身内・友人・知人から集める

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫(旧.国金)とは、政府が小規模事業者や中小企業を対象に創業支援、運転資金を支援するための立ち上げられた金融機関の1つです。

金利はおおよそ2,4~2.5%前後と非常に安いことから返済の負担が少なく、融資商品によっては実行から半年程度の「据え置き期間」を設定してくれるため、創業時資金調達の有力な第一選択肢となります。

ただし、申し込み時には融資希望額の10分の1に相当する額の自己資金を揃えていることが推奨されているため、仮に500万の融資を申し込む場合、50万は手元に用意しておく必要があるでしょう。

申し込みから融資実行までの平均期間は3週間で、混雑時は1か月~1か月半程度かかるため、開業時に利用する場合は審査期間も含めて計画を練る必要があります。

日本政策金融公庫は原則的に政府が創業したばかりで、銀行などの金融機関からまだ信頼のない小規模事業者を支援するために存在していますので、審査も銀行と比べると比較的緩やかなのが特徴です。

信用保証協会

信用保証協会とは、信用保証協会法に基づく公的機関です。

全国に51の拠点をもつため、事業所の住所がある最寄りの協会で申し込むことができます。

信用保証協会は、しばしば日本政策金融公庫と混同されることがありますが、信用保証協会は金融機関ではありません。

あくまで融資実行を行うのは民間の金融機関である銀行であり、信用保証協会は融資における事業者の保証人の役割を果たしてくれるための機関です。

信用保証協会には上限2000万円までの創業支援枠(開業サポート枠)があり、事業開始後5年以内の事業者が申し込むことが可能です。

ただし、開業2か月以内の事業者が申し込む場合は、申し込み金額の5分の1に相当する自己資金を用意していなければなりません。

信用保証協会は貸し倒れになっても政府が保証してくれるため、おおかたどこの銀行を窓口にしても90%の確率で融資審査がおりますが、利用に際しては銀行金利と別に約1.15%の保証料が必要になることを念頭にいれておきましょう。

銀行・ノンバンクなどの金融機関

資金調達といえば誰でも即座に思い浮かべる選択肢が「銀行」です。

事業資金の用途で銀行に申し込む融資枠といえば、金融機関から直接融資を受ける「プロパー融資」です。

残念ながら創業時にプロパー融資で多額の審査が下りることはほとんど期待できません。

創業時に銀行から融資を受ける場合は、前述の「保証協会」の保証枠を付けた上での申し込みが一般的のため、ネットショップ開業時に銀行から融資を受けたい場合は保証協会の利用を検討しながらになります。

一方、同じ銀行でも「ビジネスローン」であればまだ可能性はあります。

しかし、ビジネスローンの年利は7%~8%と高めであり、申し込み金額も200~300万など比較的少額です。

銀行のビジネスローン審査がおりない場合は、ノンバンク系のビジネスローンを申し込む手段もありますが、年利は15%とかなり高めなのでなるべく初期段階は選択肢に含めず、最後の手段として想定しておきましょう。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとはインターネット上で大勢の人から少額ずつ支援を呼びかける、近年急速に発展している新たな資金調達方法です。

クラウドファンディングには支援者がリターンを期待しない寄付型と、金融型があり、事業資金として呼びかける場合は支援者にリターンを付ける金融型が主流です。

金融型クラウドファンディングは主に以下3タイプの方法があります。

融資型(貸付型)

融資型とは、支援者が発案者に所定の利率で資金を貸し付ける方法です。

募集した時点で利率が決まっているので支援者は資金を貸し付けている間、固定の利息を受け取ることができ、資産運用として利益享受ができます。

ファンド型

ファンド型とは、発案者が事業計画をプレゼンし、プランに賛同した人が事業に投資する方式です。

融資型と異なるのは、ビジネスに利益が出た時のみ配当する仕組みとなっているため、出資者もリスクを背負うことになります。

株式型

株式型は資金提供先企業の株式を受け取ることになる方式で、基本的にはM&AやIPOを予定している事業者が対象となります。

身内・友人・知人から集める

開業時の資金調達は、自身の一番の理解者である身内・友人・知人から支援を受けれればリスクを軽減できる選択肢ともいえます。

なぜなら、公庫や銀行などの金融機関の融資はわずかではあっても所定の金利が伴うことになり、いってしまえば売上がゼロの月でも毎月の返済をしなければなりません。

ここで申し上げたいことは、身内や友人だから最悪の場合は返さなくていいという意味ではありません。

身内や友人から少しずつ資金を集めて開業資金に充当し、金融機関からの借入額をなるべく減らす方が返済に追われすぎず、ショップ運営に集中しやすくなることも事実です。

身内や友人、知人は親しいからこそ迷惑をかけたくないという側面もありますが、自身の一番の理解者である身近な人達から協力をもらうことも「絶対失敗できない」という良い意味でのプレッシャーになるかもしれません。

まとめ

今回はネットショップ開業資金について必要な項目と、売上目標別に想定した開業費用の概算を資金調達方法などのお役立ち情報と共にお話させて頂きました。

まとめますと、ネットショップ開業資金に必要な項目は以下8つを算出する必要があります。

  • 事業所・地代家賃
  • インターネット回線費用
  • 出店費用
  • Webサイト制作費
  • 仕入れ資金
  • 運転資金
  • 梱包資材費用
  • プロモーション費用

売上目標別に想定した開業費用は以下のような概算方法を目安としてください。

  • 固定費:売上目標の10%
  • 開業費用:月間売上目標の3か月分
  • 利益率:ジャンルによって異なる(平均利益率は20%)

開業資金をなるべく削減するには、以下3つの手段を検討することが有力な選択肢となります。

  • 中国など海外仕入れをメインにする
  • 無在庫販売を強化する
  • 代金回収サイクルを早める

ネットショップ開業資金の有力な調達方法には、以下5つのような手段があります。

  • 日本政策金融公庫
  • 信用保証協会
  • 銀行・ノンバンクなどの金融機関
  • クラウドファンディング
  • 身内・友人・知人から集める

今後ネット販売市場はさらなる拡大が期待できますので、今回本記事内でご紹介した概算方法を参考に、自身の工夫とアイデアで開業資金を削減し、理想とするネットショップ運営に必要な開業資金を算出してみてください。

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